見出し画像

好きからはじまる

コンサルティング会社での仕事は、プロジェクトという単位で進めていく。
コロナ前は、毎回色々な地域や業界のお客様先へ行き、お客様の社屋に席を作ってもらい、まるでお客様の社員のようになって働く。


繁忙期になれば、家族よりもずっと長く一緒にいることになる。
良くも悪くも、人は切羽詰まった時に本性が垣間見えてくる。
時々、あまり仲良くないお客様の間に立って「まぁまぁ」と取り持つこともある。
お客様のお子さんの中学受験の相談に乗ったり、一眼レンズのカメラの使い方を教えてもらったりしたこともあった。
プロジェクトはとっくに終わっているのに直属の上司が辞めることを聞きつけて連絡をくれたり、毎年年賀状をやり取りしたり。

(自社の社員よりもずっと)関係が深くなるので、お客様がどんな人となりなのかがとても重要となるのはたしかだ。


私の場合、プロジェクトの内容というよりもお客様が一緒にいて楽しかったり、仕事への気概に心を打たれたり、刺激を受けたり、新しい気づきを得られる存在=ある種の「好き」という想いが芽生えて、「この人の助けになりたい」「この人と一緒にプロジェクトを成功させたい」につながる。
約20プロジェクトを経験してきたが、毎回そうだった。
これは人に恵まれているからなのだと思うけれど。(プロジェクトへの配属は能力もあるが相性もそうとう吟味してもらっていた)

辛いな、もうこのくらいでいいかなと思った時に傍にいて励ましてくれたりお客様の頑張っている姿を見て「もうひと頑張だ」と心を立て直してもらってきた。正直仕事内容は心が折れそうになった時に支えてくれることはない。

こんな不純な動機で仕事へのスイッチを入れてきたが、結果的にちゃんとプロジェクトをやり通せているなら良いでしょ?って開き直って続けてきた。

好きな人たちのために自分を役立ててきた13年間。
本当に恵まれたコンサルタントだったな。










いいなと思ったら応援しよう!