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【同人アンソロジー企画をしよう】その2『企画発表篇』
第2回『企画発表篇』
竜門寺ユカラでっす!
前回は 『企画発表前に決めておくこと』をまとめました。
今回はそのつづき『企画発表する際に必要なこと』をまとめていきます。
まず、
☆募集内容や決まりは、いつでも見られるようにブログ等にまとめて掲載しておく
☆SNSで企画告知する際、募集記事へのリンクを付ける
→特にtwitterでは細かい説明が不可能なため
5,企画告知・募集記事に必要な内容
【書くべき内容】
a:アンソロのテーマ・ページ数
b:〆切・参加イベント
c:R-18可か否か・修正基準
d:原稿フォーマット
e:イラスト?漫画?小説もアリ?
f :連絡方法
g:NG要素の明記
h:原稿のやり取りをする方法
i:原稿料を払うか否か
j:自作品の取扱い
【アンソロジー企画を初めてやる方へ】
ページ数無頓着に始めると大変なことになります!
かき手の自由にまかせるのは かなり経験豊富な人でも難しいので
「お一人様2Pまで」とか 「イラスト1枚」など 制限を設けましょう!
a:アンソロのテーマ・ページ数
2次創作アンソロなら 「作品名」 「キャラやカップリング」 「テーマやシチュエーション」
1次創作なら 「内容傾向」 「テーマやシチュエーション」
しっかり明記しましょう!
そして 「上限ページ数」を明記。
なぜなら 大量ページ数投稿してくる参加者さんがいないとも限らないです。
印刷費も高くなり配分も不均衡になります。
難しいところですが 「小説OK」にするとページ数が大幅に増えやすくなります。
小説もOKにするならば 企画の段階で 「◎◎文字程度まで」などの制限が必要です。
Tips:作者による原稿使用について
アンソロ本に提出した原稿利用についても明記しておきましょう!
パターンとしては
・アンソロジー本発行日から一定期間発表できない(1年間など)
・本が完売するまで発表できない(再版しない前提)
・利用自由
などがあります。
これについては、企画人の考え方次第になりますが、
自分は「どの時点でも利用自由」にしています。
原稿料をお支払いしない企画なので、利用制限するもの…と思うからです。
b:R-18可か否か・修正基準
「R-18本」か「非エロ」なのかハッキリ明記します。
「R-18G(グロ,ゴア有)本」の場合もあるでしょう。
後述しますが、どのラインまでOKとか これはNGといったことも募集記事にまとめて掲載しておきましょう!
☆局部修正基準について
その時々、参加イベントでも基準は変わってきます。
お一方の修正不足でアンソロ本自体頒布禁止になるのは 、絶対に避けたい事態!
ネットや個人誌よりもさらに 『厳しすぎるな』と思う程度にしておくのがベターです!
加えて、
前もって基準を伝えておかないと不満が起きやすい部分です。
「修正例」を作って示しておくのも良い方法です。
私の場合、修正基準と方法を本で統一したいので、
無修正状態で納品していただき、コチラの判断で修正を加えます。
もちろん信用に関わるので絶対に部外秘です。
(このやり方を推奨しているわけではありません)
しかし、このやり方だと
『無修正データを他人に渡したくない』方も必ずいます。
その場合を考慮し 『局部全体を黒棒マスクしてください』 など強めの修正基準を設けておきましょう!
※後述しますが 『参加者さん本人が個人で自作を掲載・発表する際は本人の判断で良い』旨書き添えておくとGood!!
c:〆切・参加イベント
「参加イベント名」 「イベント開催日」 「〆切日」を書きます。
そして
『〆切に間に合わなそうな場合は事前にご相談ください』 と書き添えるのがミソ!
☆〆切の設定方法
〆切日は 『イベント当日の1ヶ月〜3週間前』に設定します。
もっと具体的には
印刷所さんの 「通常入稿〆切日の10日前程度」がベターです。
これは「1次〆切」です!
もちろん、この日までに原稿提出してもらうことが前提です。
(なので記事に1次〆切だとは書きません)
ですが残念ながら
「〆切に間に合わない」参加者さんが出てくることがあります。
最も困るのは 「連絡無しでブッチされること」
なので
〆切1週間前と2〜3日前に
『進捗いかがでしょうか。もし〆切に間に合わなそうな場合は早めにご連絡下さい。〆切日変更の相談も可能です。リタイヤの場合もご連絡ください。』
とDM連絡しておきます。
大切なのは 「気にかけているのを伝えつつ、威圧しないこと」
返事しやすいムード作りが肝要です。
〆切日に間に合わない連絡があった場合、 1次〆切の2〜3日後を提示します
(経験上、延長1日のみは心理的負荷が高く再延長が多かったです)
最終〆切日は 『印刷所さんの通常入稿締切日の数日前』をメドに
なぜなら、
・集めた原稿の編集作業時間
・原稿内容の微修正依頼の可能性
もあるからです!
最終〆切日にも間に合わなかった方は リタイヤしていただきますが、
その場合も決して責めたりせず、頑張りを労ってください!
経験上、これまでリタイヤ等いろいろな場合がありましたが、完全無連絡ブッチされたことはありませんでした。
Point
・丁寧で細やかな連絡(個々に)
・しかし、しつこくしない
・決して責めない
・リタイヤされてもいいやという覚悟
・予備原稿の準備をしておく
Tips:『予備原稿』を準備しよう
・リタイヤ者が出た
・各人の原稿総数
・左ページスタートのマンガが多い
などにより 総ページ数が4の倍数にならない事態が起き得ます。
そのとき用の 『予備原稿』を数枚用意しましょう!
イメージとしては
「マンガ単行本にあるちょっとしたラクガキカットだけがあるページ」 アレです!
単なる空白ページでは落丁では ?と心配される可能性があるためです。
d:原稿フォーマット
前回説明の通り
『印刷所サイトから原稿フォーマットファイルをダウンロード』 してもらうのが最も確実です!
もちろん、クリスタ等の 『同人誌原稿サイズ』で 作ってもらってもいいのですが、
普段作りなれてる人ほど、いつもの感覚で原稿作ったらフォーマットとサイズが違ってた!なんて経験もあります…
フォーマット違い、 特に『解像度が規定より低い場合』は修正が難しいです。
ネットのみで活動している方は特に不慣れで 「タチキリ」の概念を知らない方もかなり居ます。
(タチキリについて企画者側としてよく調べ、理解しておいてくださいね☆)
参考
☆参加者さんへのヘルプはとても大事!
個別に説明するとキリがない部分なので、
印刷所サイトの「原稿の作り方」ページのリンクも貼るなど、あらかじめ情報ページを提示しておき、必要なとき誘導してあげてくださいね!
また、印刷所さんによって
・入稿ファイルのファイル形式(psdとかpngなど)
・カラープロファイル(sRGB,CMYK,AdobeRGB等)
も違いますので注意!
これらも 『印刷所のテンプレート』利用により、間違いやトラブルを大幅に減らせます!
Tips:
アプリによっては「テンプレートが使えない」場合がある
テンプレートのファイル形式がPSDだと、アプリによっては
・開けない
・開けるがレイヤー統合されている
場合があります。その場合の対策として
・テンプレートを「PNG化」して渡す
・「縦横のピクセル数で指定する」
などがあります。
ご自分のアプリで普通に可能なことが他の方の環境ではできなかったりします。
あらゆるアプリや環境に精通するのは無理ですが 「こんな場合もある」と知っておいてください。
それとは別に これまでのトラブル例として
・「jpeg」で送ってきた方
・DMに直接載せた方(それも強制的に縮小jpegにされます)
もいました…
原稿のやり取り方法について詳しくは後の回に説明します。
Point
・印刷所サイトのフォーマットファイルを活用しよう
・同じく「原稿の作り方」説明も活用!
・「知っているだろう」は通用しません…
・「報せてもらってなかった」事態にならぬよう説明サイトへ誘導しておくこと!
e:イラスト?漫画?小説もアリ?
同人誌といえば「マンガ」の イメージが強いかもしれません。
しかし、マンガ中心で原稿を集めるのは かなり根気と準備期間が必要になります。マンガはやはり手間がかかるからです。
さらに参加者数によっては、数十ページ軽く超えて印刷費も嵩みます。
そこでオススメしたいのが 「お一人様2ページまで」制限!
『マンガ・イラスト・小説どれでもOKでともかく2Pまで』
これですと
参加者さんも気軽に参加しやすく、 ページ割も楽で不均衡感もありません。
ただし、小説に関してはフォントサイズ等で文字数かなりブレるので、ご自分の環境で2Pテキスト何文字入るか検証し、
→◎◎文字までOK! と提示したほうがわかりやすいでしょう。
もちろん、これは一例にすぎません
小説はページ数が増えやすいので、アンソロでOKにするか否かはよく検討してください!
Point
・作品形態はどれまでOKか明示
・ページ数制限は大事
・小説の扱いは気をつけて
c:連絡方法について
企画募集フォーラムサービスもありますし、
ご自分のtwitterDMを使うのも良いでしょう。
私はtwitterDMをメインに使っています。
LINE等プライベートに近いツールは拒否感を示す方もいますのであまりオススメできません。
そして、 大事な点として
☆グループDMやフォーラム等、 参加者全員にオープンな場だけで
全ての連絡を行うのは 【オススメできません】
個々の対応が必要になることも多いからです。
参加者全員の場があってもかまいませんが、
参加メンバーと個々にやりとり出来る手段も講じましょう!
(私はtwitterDMで個々に連絡しています)
もう一点
☆「個人情報」は可能な限り触れないで済ませましょう!
(献本発送については次回以降まとめます)
Point
・細やかな対応のためにも個々とやり取りできる手段を!
・個人情報には極力ノータッチ
g:NG要素は明記しよう
「テーマ」だけだと大雑把なので
「これはちょっと…」という原稿が届く可能性があります(グロ等)
その際、無下に拒否するとトラブルになりかねません。
ですので、
あらかじめ 「これはNG」を載せておくのです!
たとえば非R-18本なら
R-18/R-18Gに相当するもの
差別的、不快感を強く催すもの
企画人(私)が不適切と判断したもの
「これらの採用はいたしません」 などと書いておきます。
これは「保険」です。
特に3つ目の 「企画人が不適切と判断したもの」が大事です!
参加者は 「募集記事を読んでから参加した」 前提とすることで
「書いてないからセーフだろ?」 といったトラブルを極力回避するための方法です。
Point
・トラブル回避のためにもNG要素はあらかじめ載せておきましょう!
・「企画人の判断でお断りする場合もあります」と明記!
h:原稿のやり取りをする方法
『データ原稿』のやりとりという前提でお話します
【オススメの方法】
・無料データ転送サービスを利用
ある程度使い方を知ってる方には
・GoogleDrive等クラウドサービスで共有
【オススメできない方法】
・twitterやLINEなどSNSの写真転送
・メールにファイル添付
これらは
大きなファイルに対応できない
勝手に大きさやファイル形式が変更される
といったことがあるためです
i:原稿料を払うか否か
☆「原稿料」有無は明記!
私の企画は 「有志による気軽に参加できるアンソロ本」スタイルのため 「原稿料」はお支払していません。
もちろん、その旨募集記事にキチンと掲載します。
同人誌の価格は献本分を除いた残りで印刷代を回収可能な程度に設定しています。
(これはあくまでも「私はそうしている」という話であり、
他サークルさんの設定になんら関与いたしません)
ですが、
あるのかないのかはしっかり書いておくべきだと思います!
☆基本的に献本は必ず行なうこと
献本は参加者さんへの最低限の礼儀だと思います。
参加者さんの中には
・実本が届くと困る方
・送付先住所を教えたくない方
もいるので
・実本を郵送
・データ版
・匿名配送
これらの手段も準備し、選んでもらうのがベターです!
匿名配送の方法は私の知る範囲で
・BOOTHのシークレット販売
→BOOTHは500円/月の付加サービス
・pictSpaceの匿名転送
→pictSpaceは相手にもアカウント作成してもらう必要があり
があります
これらの方法では、残念ながら送料を相手に負担していただく必要があります。
Tips:原稿料アリは慎重に!
※私は原稿料アリの企画を立てたことがありませんので、参考程度に!
原稿料の相場もわかりません
請求書、領収書発行の必要も出てくると思います。
(副業不可の職種の方が参加しにくくなります)
金銭のやり取りには 別の専門知識が必要になりますので
「気軽に参加してもらいたい」
「初めてアンソロジー企画してみたい」
という方は原稿料アリの企画はオススメできません!
以上の内容を「募集記事」に書いておきましょう!!
内容が多くなりますが、多人数の作品を扱う責任も大きいため
誤解によるトラブルを極力避けるために大事なことだとおもいます!
次回は『企画告知をしたあとどうするの?』についてまとめる予定です!