見出し画像

国会で不適切指導の問題が取り上げられました

2023.4.4
参議院議員の山田太郎議員が内閣委員会で、不適切指導の問題を取り上げてくださいました。
山田太郎議員の質疑と、文科省の寺門学習基盤審議官の答弁は、山田議員のHPにも掲載されています。

子どもが自殺した際には、文科省が出している「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針」という指針に沿って、調査が行われます。

しかし、不適切指導のように学校の責任に関わる自殺の場合、遺族が望んでも調査がされないことや、調査の指針があることを知らせてもらえないことがあります。

今回の質疑では、そのような不適切指導による自殺の取り扱われ方の問題を指摘してくださっています。
質疑と答弁の内容をここでも少しご紹介させていただきます。

指針では、子どもの自殺に対する調査は2段階になっています。
1つ目の基本調査は、全件を対象に学校が事案発生直後に行うもので、学校がその時点で持っている情報を迅速に整理するものです。
2つ目の詳細調査は、基本調査を踏まえて、心理の専門家など外部専門家を加えた調査組織を作って行われるものです。
学校生活に関係する要素(いじめ,体罰,学業,友人等)が背景に疑われる場合や、遺族の要望がある場合は、基本調査から詳細調査に移行することとされています。

①指針の解釈を歪められる問題
山田議員は今回、指導死(不適切指導による自殺)の事案で、アンケート調査を詳細調査ということにして第三者委員会を設置しないことについて、「アンケート調査は詳細調査に当たるのか」という質問をされました。
寺門審議官は、「アンケートのみをもって詳細調査とすることはない。指針ではそのように定めていない」と答弁されました。

②遺族が望んでも調査されない問題
次に、「遺族が詳細調査を希望した際に、設置者が拒否することは許されるのか」という山田議員の質疑に、
寺門審議官は、「指針では詳細調査を行うのは遺族の要望がある場合等。指針に従っていただきたい。」「仮にこのような事案(詳細調査を設置者が拒否するようなこと)があった場合には、各学校、教育委員会等に文科省が直接指導、助言を行う」と答弁されました。

③調査の指針があることを教えてもらえない問題
山田議員はさらに、指導死の遺族が背景調査の指針を学校から知らされていない問題について、「いじめに関してはこども家庭庁に全件報告される仕組みになってきている。指導死をなくすためには、調査の報告書の文科省への提出を義務付けたり調査の徹底を図るべき。」と質疑され、
寺門審議官は「問題行動に関する調査で自殺者数やその状況の報告を求めて把握している。これだけでは十分ではないという指摘もあり、昨年5月から新たに教育委員会等に対して、詳細調査を実施する場合、事前の連絡と調査終了後の報告を求めている。」「こういった取り組みを通じて、再発防止の取り組みが達成されるように取り組んでまいりたい」と答弁されました。

④「原因不明」をなくしていくために、こども家庭庁へお願い
山田議員はこども政策担当大臣の小倉大臣にも質疑しています。
子どもの自殺が起きた時に教育委員会から文科省に提出される調査票は、遺族に確認されずに提出されるため、指導死は不明や家族・本人要因にされてしまっている可能性があることに触れ、
「若い子の死因が自殺であることはおかしい。それをなくしていくためにも、全件調査をしっかりやるべき。」「CDR等に関しても議論されているので、子どもの自殺が起これば学校内であろうと何であろうと調査される、そうすれば指導死の問題も考え方変わってくる」と質疑され、
小倉大臣は、こども家庭庁の使命は、誰一人取り残さないきめ細かい支援を行うこと、そして、子どもの最善の利益である子どもの命、安全、しっかり守っていくこと。文部科学省と連携をしながら、必要な検討を行っていきたい」と答弁されました。

質疑と答弁のご紹介は以上です。

山田太郎議員の不適切指導に対する取り組みは、以下のページにもまとめられています。


子どもの自殺が起きた時に、亡くなった子の声をどのように大人の都合から守り、再発防止につなげていくのか、一緒に考えてくださる方が増えていくことを願います。

いいなと思ったら応援しよう!