不適切指導の処分の詳細が初公表!
令和5年度公立学校教職員の人事行政状況調査についてが12月20日に公表されました。そこに、不適切指導に関する処分の詳細が初めて公表されました!
今回の数字の背景には処分されなかったものや当事者が泣き寝入りしているものもあり、公表された数字は氷山の一角です。しかし、これまでは不適切指導が存在していることすら見える形になっていませんでした。文科省が処分状況を把握し公表してくれたことは、学校を安心安全な場所にしていくための大きな一歩になったと思います。
少しでも多くの方に1年目のデータを見てみていただきたく、以下にリンクで飛べる形にしてまとめてみました。
公立学校の不適切指導の処分状況
公立は、2-4-1 不適切な指導等に係る懲戒処分等の状況で全体の数字が分かり、2-4-2 不適切な指導等に係る懲戒処分等の状況一覧で自治体別の数字が分かります。
さらに、2-7 懲戒処分に関する処分基準の内容の(2)で「体罰・不適切な言動」に対して、各自治体がどのような処分基準を用意しているかが載っています。処分基準を設けている自治体は昨年よりも増えていますが、まだ処分基準がないところもあります。
ぜひ、ご自身や大切な方の住む地域をご確認ください。
国公私立の不適切指導の処分状況
体罰等の実態把握について(令和5年度)(P16〜)では、公立だけでなく私立・国立の不適切指導の処分状況も明らかにされています。
P16〜17 国公私立の不適切指導
P18〜24 公立の不適切指導
P25〜26 国立の不適切指導
P27〜28 私立の不適切指導
このページは以前から「体罰の実態把握について」として公表されていたものが、昨年公表された令和4年度分から「体罰等の実態把握について」とされて、不適切指導も取り扱ってもらえるようになりました。
令和4年度は発生件数と処分内容だけでしたが、それでも、国立と私立も公表してもらえるようになったのは大変ありがたいことでした。
そこに令和5年度からは、当事者の年代や被害を受けた児童生徒数、指導時の場所や指導の態様、事案把握のきっかけなどが詳細に公表されるようになりました。
令和5年度は、国公私立で2102人もの子どもが、処分相当の不適切指導を受けたことがわかりました。
今回の結果では、不適切指導の発生率は公立より私立の方が高く、場所は教室、場面は授業中が多かったです。
私立でも公立でも部活をやっていてもやっていなくても、どんな子にも不適切指導は身近な問題です。
感想
はじめにも書かせていただいた通り、この数字は氷山の一角です。
不適切指導は不登校になってもいじめのような調査をする仕組みがありません。解決力のある相談窓口もありません。処分基準が機能しているかは自治体によって違います。
直接被害に遭わなくても、不適切指導を見聞きする学校生活はどういうものでしょうか。大切な友達を守れなかった無力感や、次は自分かもしれない恐怖心を抱えながら学校に通う子もいます。同僚が不適切指導をしている職場は、志のある教員を失うことにもなると思います。不適切指導1件の背景にいる生徒と教員の存在を思うと、今回の数字は決して小さくないと思います。
学校が大好きな場所でなくてもいいので、通ったことを後悔するような結果にだけはしたくないです。
2025年も関心を寄せていただけますと幸いです。
今年もありがとうございました。