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ウォーキング風呂グ Vol.1

【序章】
中年女がよく突然始めることでお馴染みのウォーキングというものを始めてみた。
きっかけはこのとろの千葉県北東部の地震だ。大きな地震があったら実家まで歩いて避難するということが家族間で緊急時の取り決めになっている。
実家までの距離は9.8キロ。歩けない距離ではないが、自分の体力をあらかじめ知っておく必要がある。麦わら帽子に普通のリュック背負ってTシャツスカートで家を飛び出し以前車で実家に行ってたときの勘に従って歩いた。靴だけは富士山に登ったときの登山用スニーカーを使った。
10キロは案外思ったよりも簡単だった。私は調子に乗った。
マラソンだとクーパー靭帯の損傷が心配だがウォーキングならば散歩の延長線上で気楽にできる。しかも同じ距離を歩いたときのエネルギー消費量はマラソンと変わらないらしい(ほんとかな?)。人の暮らしをチロチロ観察したり写真を撮ったりしながらのウォーキングならば路上観察文化系ノリで面白い。電車やバスだと通りすぎてしまう町の細かな変化を感じながら面白い建物や小さな飲み屋街を発見できる。こんなことにこんなものが?という何を産み出してるのかわからない巨大な工場が見つかったりもするし歩く社会科見学といった感じですごく楽しい。
そしてそれらの謎は謎のまま何も解明されぬまま通りすぎていくのもよい。

いくつかの決まりは設けようと思った。

●格好は軽めの普段着で。
●野生の勘を鍛えるためにスマホ地図は極力使わない。
●1回のウォーキングで5キロ~10キロを目指す。
●最終的に風呂に入る。

以上の条件をクリアすることを目標としている。
普通すぎる。でもやる気のない私が続けるにはちょうどいい普通さだ。
最後は風呂入ってわーって乾杯できればいい。
私はこれ以上太らずに酒を飲みたい、あわよくば痩せたい。ヨボヨボ老人にならないように足腰を強くしたい。年取ってもそこそこきれいにしていたい。
そのために歩き続けようと決心した。


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