CCNA OSI参照モデルについて
はじめに
こんにちは、「たー」です!
今回はOSI参照モデルについて説明していきます!
OSI参照モデルの概要
今回は階層化の概念の1つであるOSI参照モデルについて説明していきます
OSI参照モデルは、ネットワーク通信を7つの階層に分け、データのやり取りをスムーズにするための仕組みになります
この仕組みによって、様々な機器やシステムが問題なくデータをやり取りできるようになります
各層は特定の役割を担いっています、次は各層の役割について説明します
OSI参照モデルの7階層とその役割
・アプリケーション層(Application Layer)
ユーザやアプリケーションがネットワークを利用するためのインターフェイスを提供します、電子メールやWebブラウザ、ファイル転送などの具体的なサービスがこの層に属します。
・プレゼンテーション層(Presentation Layer)
データの形式の変換や暗号化、圧縮を行います。データを適切な形式にエンコードし、受信側で理解できる形にデコードします。
・セッション層(Session Layer)
通信セッションを開始、管理、終了します。データ交換の開始と終了の制御、データ交換中の接続維持を行います。
・トランスポート層(Transport Layer)
データの信頼性ある転送を保証します。TCPやUDPなどのプロトコルを使用し、セグメントやデータグラムに分割して送信し、再構成します。
・ネットワーク層(Network Layer)
異なるネットワーク間でのデータ転送を管理し、ルーティングを行います。IPアドレスを用いてデータパケットの宛先を指定します。
・データリンク層(Data Link Layer)
同じネットワーク上で隣接するデバイス間のデータ転送を制御し、フレーム単位でデータを送受信します。エラー検出や訂正、フロー制御を担当します。
・物理層(Physical Layer)
電気的、機械的、機能的なインターフェイスを定義します。データはビットとして送受信され、ケーブルや無線通信など物理的なメディアを介して転送されます。
わかりやすく「友達に手紙を送るときのプロセス」で例えてみましょう!
わかりやすくするために、先程の層の順番とは逆に書いてあります!
・物理層
→まず、手紙を運ぶのに必要なもの(郵便ポストや配達員、車など)が必要です。これがコンピュータでは、ケーブルや無線などでデータを送る部分になります。
・データリンク層
→手紙がポストにちゃんと入っているか確認するように、データが正しく送られているか確認します。
・ネットワーク層
→どこの住所に手紙を送るかを決める部分です。ネットではコンピュータにそれぞれ住所(IPアドレス)があって、そこにデータを送ります。
・トランスポート層
→手紙がちゃんと届くように、データが途中でなくならないようにチェックします。届いたかどうかを確認する仕事もあります。
・セッション層
→手紙のやり取りをスムーズにするために、「今手紙を送ってううか」「終わっていいか」を管理する部分です。送るタイミングをしっかり管理します。
・プレゼンテーション層
→もし手紙が外国語で書かれていたら翻訳しないといけないですよね?ここでは、データを送り手と受け手がわかる言葉や形に変えたり、暗号化して守ったりします。
・アプリケーション層
→最後は手紙の内容そのものです。メールをしたり、ゲームをしたり、ホームページを見たりする部分がこの層です。
このように、各層に役割があり、以上のように機能しております。
まずは各層の役割を理解して、そこから層のつながりについて理解を進めていくと、話がつながってより早く理解できると思います。
OSI参照モデルのメリット
OSI参照モデルのメリットは以下の通りです。
標準化: OSIモデルは、ネットワーク通信のプロセスを標準化し、異なる機器やソフトウェア間でもスムーズにデータをやり取りできるようにします。これにより、異なるメーカーの機器でも互換性が保たれます。
分業化: 7つの階層に分かれているため、各層ごとに異なる技術やプロトコルを利用できます。例えば、ネットワーク層ではルーティング、トランスポート層ではデータの信頼性を管理するなど、それぞれの役割がはっきりしています。
問題解決がしやすい: 通信トラブルが発生した場合、どの層で問題が発生しているかを特定することで、問題解決がスムーズに行えます。層ごとに役割が分かれているため、原因が特定しやすくなります。
技術の進化に対応しやすい: OSIモデルでは各層が独立しているため、新しい技術が開発された場合でも、全体を変更する必要はなく、該当する層だけを改良することで対応できます。
教育や理解がしやすい: ネットワーク通信の仕組みを階層ごとに分けているため、複雑な仕組みを段階的に学ぶことができ、初心者にも理解しやすい構造になっています。
これらのメリットにより、OSI参照モデルはネットワークの設計や運用において重要なガイドラインとなっています。
カプセル化と非カプセル化
「カプセル化」と「非カプセル化」は、ネットワーク通信におけるデータの処理方法を説明する重要な概念です。データを送信する時や受信する時に、OSI参照モデルの各層でどのようにデータが変化するかに関連しています。
カプセル化(Encapsulation)
カプセル化とは、送信側のコンピュータがデータをネットワークで送る際に、OSIモデルの各層を通るたびに、データに「ヘッダー」や「トレーラー」(情報)を付け加えるプロセスのことです。簡単に言うと、元のデータを保護したり、正しく届けたりするための情報をどんどん追加していく過程です。
アプリケーション層で、データ(メッセージ)が生成されます。
トランスポート層では、データがセグメントに分割され、エラー検出用や再送信用のヘッダーが付けられます。
ネットワーク層では、IPアドレス情報などが追加されて、データはパケットと呼ばれます。
データリンク層では、物理アドレス(MACアドレス)が付け加えられ、データはフレームになります。
物理層で、ビット列(0と1)としてケーブルや無線を通じて送信されます。
各層がデータに必要な情報を「包んで」送るので、これを「カプセル化」と言います。言い換えれば、データは送信時に次々と「層」で包まれるような状態になります。
非カプセル化(Decapsulation)
非カプセル化は、受信側のコンピュータがデータを受け取る時に、カプセル化されたデータから各層ごとの情報を取り除いて元のデータを取り出すプロセスです。
物理層で受け取ったビット列が、データリンク層でフレームに変換され、MACアドレスなどの情報が取り除かれます。
ネットワーク層では、IPアドレス情報を確認して、パケットからヘッダーを取り除きます。
トランスポート層では、セグメントが再構築され、送信元のポート番号などの情報が取り除かれます。
アプリケーション層に到達した時点で、最終的に元のメッセージが受信されます。
受信時にはデータが各層で「開封」され、元のデータが取り出されるので、「非カプセル化」と呼ばれます。
PDUとペイロード
PDU(Protocol Data Unit) と ペイロード(Payload) は、ネットワーク通信においてデータの扱いに関連する重要な概念です。
それぞれの役割をわかりやすく説明します。
PDU(プロトコルデータ単位)
PDUは、OSI参照モデルの各層でやり取りされるデータの単位を指します。各層ごとに異なる形式のデータをやり取りし、必要な情報を付け加えたり取り除いたりしながら通信が行われます。つまり、各層で「この層の仕事をするために必要なデータのまとまり」をPDUと呼びます。
OSIモデルの各層でPDUの呼び方が変わります:
物理層:ビット(0と1のデータ)
データリンク層:フレーム(Frame)
ネットワーク層:パケット(Packet)
トランスポート層:セグメント(Segment, TCPの場合)やデータグラム(Datagram, UDPの場合)
セッション層~アプリケーション層:メッセージ(Message)
例えば、ネットワーク層ではデータのPDUは「パケット」と呼ばれますが、トランスポート層に移ると「セグメント」となります。
ペイロード(Payload)
ペイロードは、PDUの中で「実際のデータ」部分を指します。つまり、ユーザーがやり取りしたい情報そのものです。たとえば、メールの本文やファイルの内容などがペイロードです。
PDUには、ペイロード以外に、通信に必要な制御情報(ヘッダーやトレーラー)も含まれます。これらの制御情報はデータの送受信を管理するために必要で、宛先アドレスやエラー検出情報などが含まれます。一方、ペイロードは実際に伝えたい内容そのものであり、余計な付加情報は含まれていません。
例を使った説明
例えば、友達にメールを送る場合、PDUとペイロードの関係はこうなります
PDU:送るメールには、宛先や送信者情報、メールサーバーが正しく処理するための追加情報(ヘッダー)が付いています。この「追加情報+実際のメッセージの中身」がPDUです。
ペイロード:実際に送りたいメールの本文やファイルがペイロードです。余計な情報を取り除いた「中身」の部分です。
PDUとペイロードの関係
PDU:ネットワーク通信に必要な全体のデータ単位(制御情報+ペイロード)。
ペイロード:そのPDUの中で、実際に送信したいデータ(実質的な内容)。
ネットワーク通信では、各層が送受信をスムーズに行うために、データに制御情報を付加してPDUを作成しますが、ペイロード自体は送信者が送りたい「元のデータ」で、最終的に受信者が利用します。
最後に
今回はOSI参照モデルについて説明していきました!
実際に使うことは少ないですが、概念を理解しておくことが大切です!
次回はTCP/IPモデルについて説明していきます!
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