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CCNA TCP/IPモデルについて


はじめに


こんにちは!「たー」です!
今回はTCP/IPモデルについて説明していきます!
前回紹介したOSI参照モデルと比較されやすい2つなので、比較しながら見ていくと理解しやすいと思います!

TCP/IPモデルとは


TCP/IPモデルは、ネットワーク通信のための標準プロトコルを階層的に構成したモデルで、インターネットの基盤として機能しています
4つの階層に分かれており、各階層が特定の役割を持ち、異なるプロトコルを使用してデータを送受信します

階層は上から以下のようになっており、4つの層に分かれています

・アプリケーション層
・トランスポート層
・インターネット層
・ネットワークインターフェイス層

この4階層のモデルを使用することで、異なるシステムやデバイス感でもデータ通信が円滑に行われるようになっています

OSI参照モデルとTCP/IPモデルの比較


OSI参照モデルとTCP/IPモデルは、どちらもネットワーク通信の標準モデルですが、構造や階層の分け方が異なります。以下に、両者を比較して主要な違いと共通点を説明します

1.階層の数

・OSI参照モデルは7層構造
・TCP/IPモデルは4層構造

OSIモデルは、ネットワーク通信を細かく分割して各層の役割を定義していますが、TCP/IPモデルは実用性を重視して、より少ない階層で実現しています

2.各層の対応関係

OSI参照モデルとTCP/IPモデルは、どちらもネットワーク通信の標準モデルですが、構造や階層の分け方が異なります。以下に、両者を比較して主要な違いと共通点を説明します

OSI参照モデルとTCP/IPモデルの比較と役割

プレゼンテーション層とセッション層は、TCP/IPモデルではアプリケーション層に統合されています
また、データリンク層と物理層はTCP/IPモデルではひとまとめにされてネットワークインターフェイス層として扱われています

OSI参照モデルは理論的なモデルとして開発され、各階層が独立して設計されています
ネットワーク通信の標準化やプロトコル開発のための枠組みとして役立ちますが、実際に使用されることはあまりありません
逆にTCP/IPモデルは実際のインターネット通信で使われているプロトコルスイートで、現実的なアプローチに基づいて設計されています。インターネットの通信に広く使われる実用的なモデルです

TCP/IPモデルで流れるデータ


TCP/IPモデルでは、データが階層ごとに異なる形式で処理され、最終的にネットワーク上で送信されます。各層でのデータの流れや形態について詳しく説明します

出典: 林口裕志, 『シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301』, EXAMPRESS出版, 2020年, 図1.1.11 ,p. 47.

1. アプリケーション層 (Application Layer)

アプリケーション層でのデータ形式はメッセージ (Message)と呼ばれ、これはアプリケーション固有のプロトコル(HTTP、SMTP、FTPなど)で処理されます。

2. トランスポート層 (Transport Layer)

  • TCPを使用する場合、メッセージはセグメントに分割され、信頼性の高い通信が保証されます(順序の保証、再送制御、エラーチェックなど)。

  • UDPを使用する場合、メッセージは「データグラム」と呼ばれ、信頼性よりも速度を重視します(エラーチェックや再送は行わない)。

※TCPやUDPについては後で説明をします!

3.インターネット層 (Internet Layer)

インターネット層でのデータ形式パケット (Packet)であり、インターネット層では、トランスポート層から渡されたデータにIPヘッダを付加して「パケット」という単位に変換し、適切な経路でデータを送信します

4. ネットワークインターフェース層 (Network Interface Layer)

ネットワークデータ形式はフレーム (Frame)であり、ネットワークインターフェース層では、インターネット層から渡されたパケットにリンク層のヘッダを付加し、フレームという形式に変換して、実際のネットワーク上でデータを転送します。この層では、データが電気信号や光信号、または無線信号として実際の物理的な媒体を通じて伝送されます。

アプリケーション層(メッセージ)

トランスポート層(セグメント、データグラム)

インターネット層(パケット)

ネットワークインターフェイス層(フレーム)

この流れに沿って、データの送信元から送信先まで正確に届けられ、各層で必要な処理や管理が行われることで、インターネット上での通信が成り立っています
前回説明した各層でカプセル化、非カプセル化され、データの送受信が行われています

アプリケーション層


ここからは、各層の役割や主に使われているプロトコルについて説明していきます

ユーザーが直接利用するアプリケーションとネットワーク機能を結びつける層です。この層は、データ通信の具体的なサービスやプロトコルを提供し、ネットワークを介して情報を送受信するアプリケーションに適した形でデータを処理します。

・アプリケーション層の主なプロトコル

HTTP・・・インターネット上のWebサイトを閲覧する際にサーバとクライアント間の通信で利用される
SMTP・・・メールの送信に利用される
POP3・・・メールの受信に利用される
IMAP・・・メールの受信に利用される
TELNET・・・リモートでサーバなどにログインする際に利用される
FTP・・・ファイル転送に利用される

トランスポート層


データの信頼性や効率を保証するための重要な役割を担っています。主に、アプリケーション層から送信されたデータを適切に分割・管理し、ネットワーク上での送受信を制御します。
トランスポート層では、上位層のプロトコル通信の橋渡し約として主にTCPまたはUDPを利用します。

・TCPとUDPについて

◯TCP(信頼性の高いデータ転送を提供)

TCPは信頼性の高いプロトコルで、データの送信が確実に行われるよう、さまざまな制御機能を備えています。送信したデータの確認応答、データの再送制御、パケットの順序制御、エラーチェックなどを行い、通信の信頼性を確保します。Webページの閲覧やメールの送信など、データの正確さが重視される通信に適しています。
例えば、Webページを正しく表示するためには、すべてのデータが正確に届く必要があるため、TCPが適しています。

◯UDP(リアルタイム通信に適した軽量プロトコル)

UDPはTCPに比べて軽量で高速なプロトコルですが、信頼性を保証しません。
データの確認応答や再送制御を行わず、送信したデータが確実に届くかどうかは保証しません。したがって、音声通話やビデオストリーミング、オンラインゲームなど、多少のデータ損失があってもリアルタイム性が重視される通信に適しています。
UDPは、リアルタイム性が重視され、多少のデータ損失が許容されるアプリケーションで使用されます
例えば、ビデオ会議やストリーミングなどでは、速度が重要であり、多少のデータ欠損は許容されます。


トランスポート層はデータの送受信における信頼性と効率を確保する多面に重要な役割を果たします。
TCPとUDPという2つの主要なプロトコルを使い分け、異なるニーズに対応する通信を可能にしています。

インターネット層


インターネット層は、TCP/IPモデルにおいてデータをネットワークを越えて送信する際に、通信の経路選択(ルーティング)を担当する層です。
異なるネットワーク間でデータを効率的に送信するための機能を提供し、デバイスがどの経路で通信を行うかを決定します。
インターネット層は、データが適切なIPアドレスに基づいて目的地に届くことを保証します。

・インターネット層の主なプロトコル

  • IP・・・インターネット層の最も重要なプロトコルで、データをパケットという単位に分割し、送信元と宛先のIPアドレスを基に、ルーティングを行います。IPには、現在広く使われているIPv4と、より多くのアドレス空間を提供するIPv6があります。

  • ICMP・・・ネットワークデバイス間でエラーメッセージや診断情報をやり取りするために使われます。例えば、pingコマンドで送信先の到達確認や応答時間を計測する際に利用されます。

  • ARP・・・ローカルネットワーク内でIPアドレスを物理的なMACアドレスに変換するプロトコルです。ARPを使って、デバイスがどの物理的アドレス(MACアドレス)にデータを送信するかを特定します。

  • RARP・・・ARPの逆で、MACアドレスからIPアドレスを取得するためのプロトコルです。

IP(インターネット層で中心的な役割)

TCP/IPモデルのインターネット層で使用されるプロトコルで、データをネットワーク間で転送するために不可欠な役割を果たします。
IPは、ネットワーク内でデバイスを一意に識別し、データ(パケット)を送信元から目的地に正確に届けるためのアドレッシングとルーティングを提供します。
また、IPは、ネットワーク上でデータを小さな単位に分割した「パケット」という形式で転送します。このとき、送信元と受信先のデバイスを識別するための「IPアドレス」が使われます。IPの役割は、データを適切な経路で宛先に届けることです。

↓↓↓主な役割↓↓↓

1.アドレッシング:送信元と宛先を識別するために、各デバイスに一意のIP     アドレスを割り当てます
2.パケット化:データを適切なサイズに分割し、パケットという形式にし         て、ネットワークを通じて転送します
3.ルーティング:パケットが送信元から宛先までの間、複数のネットワーク     を経由して適切な経路を通るようにします

IPアドレスとは

IPアドレスは、インターネットに接続された各デバイスを識別するための番号です。これにより、デバイス同士がネットワークを介して通信することが可能になります。IPアドレスには、IPv4IPv6という2つのバージョンがあります。

・IPv4 (Internet Protocol version 4):
32ビットのアドレス空間を持ち、約43億のアドレスを提供します。アドレス形式は「192.168.0.1」のように、4つの10進数で表されます。
IPv6 (Internet Protocol version 6):
128ビットのアドレス空間を持ち、非常に多くのアドレスを提供します。IPv4のアドレス枯渇問題に対応するために導入され、アドレス形式は「2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334」のように、16進数で表されます。

リンク層


リンク層(Link Layer)は、TCP/IPモデルの最も低い層で、ネットワーク上で直接接続されたデバイス同士がデータを送受信するための役割を果たします。
これは、物理的なネットワークインターフェース(LANやWi-Fiなど)を介して、データを送信するための通信手段を提供し、データの伝送における基本的な制御やエラーチェックを行っており、信頼性の高いデータ通信をサポートする木の上を提供します。

・リンク層の主なプロトコル

・Ethernet(イーサネット)
最も一般的なリンク層プロトコルで、有線LANの標準です。イーサネットは、フレーム形式やMACアドレスの仕様、フレームのエラーチェック方法などを定義しています。
Wi-Fi(無線LAN)
無線ネットワークで使用されるリンク層のプロトコルで、電波を使ってデバイス間のデータ通信を行います。Wi-FiもMACアドレスを使用してデバイスを識別し、データを送受信します。
PPP(Point-to-Point Protocol)
ダイヤルアップ接続や専用線で使用されるプロトコルで、2つのデバイス間で直接通信を行うために使われます。
ATM(Asynchronous Transfer Mode)
高速通信のための技術で、フレームではなく「セル」と呼ばれる固定長のデータ単位で通信を行います。

リンク層はデータを「フレーム」という送信される最小単位のデータで送信デバイスから受信デバイスに送信します。フレームには送信元と宛先の物理アドレス(MACアドレス)が含まれています。

また、データの送受信においてエラーが発生していないか確認するためのエラーチェック機能や、データの流れを制御するフロー制御を行います。フレームの送信が正しく行われたかどうかを確認し、不正なフレームは再送されることがあります。

終わりに


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

TCP/IPモデルは、インターネットの基本的な通信プロトコルであり、4つの層に分けられた構造により効率的なデータのやりとりが実現されています
それぞれの層が独立しつつ連携することで、安定した通信環境を提供しています

ただただ単語の説明になっていたり、イラストが少なく、かなりわかりにくくなっていたりしますがご容赦ください!
次回は「イーサネットLANについてです、ケーブルや規格について」紹介していきます!
ではまた!

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