プロっぽくないからやめようと思っていたこと
先日、
「デザインの基本 簡単だけど、すごく良くなる77のルール」
「視覚マーケティングのススメ」
の著者で、戦略デザインコンサルタント・アートディレクターのウジトモコさんによる
「デザインコンサルタントの仕事術」
という講座をオンライン受講しました。
私は、ウジさんのデザインの効果をバチバチ言語化してくれるところや
それが人とのコミュニケーションツール・問題解決の方法として必要なことを熱く語ってくださっているところが大好きなんです。
例えばウジさんの本の中にある
デザインの効果のひとつ「文字の揃え方」を例にすると
●左揃えでキャッチを「読ませる」
●「きちんと」したイメージはセンター揃え
●「そっと」「さりげなく」は右揃え
のように、わかりやすく言語化してくれているんですよね。
こうやって文字にされた状態で見ると
さも当たり前で、ずっとそんな常識が存在していたみたいに思えるけど、いざ自分のやっていることをロジカルに説明しようとするのってすごくエネルギーがいるんですよね。
自分でもデザインを教えているので、
デザインのことを分析して言語化して人に伝えられる方達には本当にリスペクトが止まりません。
ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、そんなウジさんの講座を受けれることをとても楽しみにしていたんです。
講座の時間が平日の19:30〜21:00。見逃し配信なし!だったので、数日前からやっちゃん(旦那さん)に早い帰宅と子供たちの担当をお願いして、メモの準備万端で臨みました。
参加者さんはデザイナーはもちろん、デザイナーではない経営者さんも多くいらっしゃって、
ビジネスにおけるデザインの重要性や期待の大きさを改めて感じましたよ〜。
講座は全体的に素晴らしい内容だったのですが特に
ブランドデザインとは「いいところ探し」というお話が心に残りました。
(わたしたちirodori Brandingが大切にしているところでもあるので余計キャッチしやすかったのかも)
例えば、毎年出来が変わる農作物について、
ヨーロッパから始まるワインの世界では
○年に一度の出来!今年しか味わえない!
と価値を付加するのに対して
日本ではなるべく大量生産品のように均質化しようとするんですよね。
私の住んでいる静岡ではお茶の生産が盛んです。
茶農家さんが作ったお茶をお茶屋さんが買い取って、
毎年同じ味が出るように職人さんがその年のお茶の出来によってブレンドを変えています。
これももちろん素晴らしい技術で素晴らしい取り組みですが
その年のお茶を楽しむという切り口にしたらまた新しい価値が想像できそうですよね。
その価値を見える化するデザイン。とってもとても楽しそうで素敵です。
で、そうやって新しい価値を見つけてデザインしていくために必要になるのが
「いいところ探し」
まだ表面化されていない「いいところ」を掘り出して、見える化してみんなに共有していくんですね。
そのために必要なこととしてウジさんが伝えてくださっていたのが
・じっくり話を聞くこと
・現場で空気を感じること
・本人の周辺にも話を聞くこと
「一次情報がないとデザインできません!」
と、クライアントさんにも伝えているとおっしゃっていました。
わたしね、これを聞いて目から鱗だったんです。
上でウジさんが言ってくださったことって
自分にとって必要だってわかっていたけど、
プロっぽくないからあまりしないようにしよう
と思っていたことだったんです。
もちろん、ある程度のヒアリングはするのですが
・クライアントさんが語らない部分まで根掘り葉掘り聞く
・現場の空気感を知りたいからクライアントさんのサービスを受けさせてもらう
・クライアントさんのお客様にインタビューお願いする
というのはやりたいけどやっていませんでした。
その理由は
・さらっと汲み取ってデザインにできるのがいいデザイナー
・大御所デザイナーでもないのにそこまで入り込んでいって迷惑なのでは
・クライアントさんに面倒くさいと思われたくない
・クライアントさんもディレクターも伝えてこない内容は私がしゃしゃり出て聞くべきではない
という思い込みがあったんです。
今も初めましてのクライアントさんと打ち合わせするときはそんな思考がよぎることがよくあります。汗
でも、今回ウジさんが
「デザイナーなら絶対やった方がいい」
とズバッと言ってくれたおかげで
「やっぱりそうだよね〜〜〜!」
って思うことができました。
だって、ブランドを大切にしたデザインで、いいところ探しは絶対必要。
デザイナー独自の視点や右脳的アプローチで他の人が思いつかなかった視点から提案できるのがまさに最近より注目されているデザイン思考。
デザイナーを経営陣に入れるといい。と言われている理由なんですよね。
私が、これはプロっぽくない・自分のわがままと捉えていたことは
逆にプロとして必要なことだったんです。
振り返ってみると、今まで自分もクライアントさんも満足できるいい仕事をしたって思えた時は
「お客様と思いと行動を共にしていた」時でした。
高校生の時クラスTシャツのデザインをしたのを始まりに
大好きな仲間たちのCDジャケットやイベントフライヤーを作った時
人柄もサービスも想いもしっかり聞く時間をいただけて、その後も関わらせていただいているお花屋さんやヘアサロン・お茶農家さん
ビジネスだけじゃなく、生き方まで共感できるくらいに深く関わらせてもらっているirodori Branding。
関わる人たちの気持ちやその先にいる人たちの顔まで目に浮かんでくるような、世界観がふわっと浮かんでくるような関わりをさせてもらえた時、自分はいい仕事ができていたんですよね。
もう一回言いますが、私はそんな関わり方が暑苦しく、プロっぽくない、お節介、面倒臭いって思われるかも。って思っていたんですよね。
でも実はそれこそが大切なことで価値があった。
プロとしていい仕事をするために必要なことだった。
今まで自分では認めてあげることができなかったけど、
信頼する人に「大事だよ」って言ってもらえたことでやっと自分でも認めてあげることができました。
なので、これからは堂々と
それが自分がいい仕事をするための条件です!
これが自分のスタイルです!
って伝えていこうと思います。
これから、一緒にお仕事する方、よろしくお願いします。笑
あなたにも、プロっぽくないからやめようと思っていたことはありますか?
それって実は、あなたが実力を発揮するために必要なことだったり、あなたのオリジナリティーやブランドの種だったりするかもしれません。
よかったらこっそり教えてくださいね^^
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