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【昇進・昇格試験 面接編】面接官は何をみている?7つの評価基準を解説

昇進・昇格試験で質問される内容は、ほぼパターン化されています。

想定Q&Aを作成し、完全にそれを暗記し、回答できれば、充分合格ラインに到達します。

但し、合格ラインを超えるような、より高い点数を目指す場合、一般的なQ&Aの先にある、より突っ込んだ質問にも回答できなければいけません。

この突っ込んだ質問は、バリエーションが多すぎてパターン化できないため、想定Q&Aで事前に備えることは非常に難しいです。

そのため、とるべき戦術は、面接官がどういう視点でその質問をしているかを見定めながら、その意図に沿った回答をしていくというものになります。

思考の瞬発力が試される、この面接試験で、評価基準を知っておけば、ある程度、答えるべき内容を導くことができるはずです。

今回は、『面接官は、受験者の何をみているのか?』をテーマに、面接の評価基準を詳しく解説していきます。


昇進・昇格試験面接の目的|2つの側面がある

職位に関わらず、昇進・昇格試験の面接は、主に2つの側面から実施されます。

面接は、受験者の何を確認するために実施されるのか
想定内のことについての対応力
・想定外のことについての対応力

1つは、想定内のことについての対応力を観察するためです。

いわゆる面接らしい面接が実施され、その内容もある意味、予定調和になります。

例えば、これまでどういった業務に従事してきて、どのようなスキルを身に着けたのか?マネージャークラスに挑戦するのであれば、マネジメントの素養があるのかどうか?といったことが問われます。

ここでは、全ての受験者に、似たような質問がなされます。

同じような質問をする目的は、合否判定に直結する順位付けを簡単にするためで、受験者を相対的に評価するには、質問内容は同様でなければ、比較できないからです。

もう1つは、想定外のことについての対応力を観察するために実施されます。

答えのない事柄について、仮説を立て、論理的に思考し、自分なりの答えに到達できるかが問われます。

思考の瞬発力があるかどうかが試されるので、受験者のこれまでの経験や努力、試験準備が、全くの無駄になるような切り口で質問がなされます。

例えば、組織が恒久的に抱えている課題(人材が集まらない、市場が小さくなりつつあるetc)について、より具体的な見解を求められたり、危機的状況、事故や災害、その他重大なコンプライアンス違反などが問われることになります。

当然ですが、多くの受験者は、この質問に適切に答えることができません。

ちなみに、私も管理職試験時に、この手の質問に対応できず失敗をしています。当日はこんな感じでした・・・。

ただ安心してほしいのは、ちゃんと考えてモノを言える人物かどうかが、面接では見られるということです。
後述しますが、答える内容については、それほど重きを置かれていません。面接で加点を狙るなら別ですが…。

面接試験 評価基準1|想定内のことについての対応力編


日本の場合、今の職位で一定の成功を収めていることが、次の職位への昇進の絶対条件になっています。

そして前段で述べたように、面接の主たる目的は、組織の歯車として、機能する人材であるかどうかを確認するためです。

よって、この評価基準1では、大体出題される内容が決まっています。

問われる可能性が高い質問と合格水準に到達する回答例については以下の記事を参考にしてください。

この時の評価基準は大きく分けて4つです。

① 努力できる人材なのか(準備できるのか)

まず最初に、凡事徹底できる人間なのかが問われます。

面接の準備をキッチリしてきたのか、そして想定内の質問に対して、明確に回答できるのかが見られます。

② 順調に成長できている人材なのか

どのような職位の面接試験でも、これまでどのような業務についてきたのか?どのような経験を積んできたのかは、ほぼ確実に聞かれます。

ここでの評価基準は、業務にどう貢献して、何を学び、何ができるようになったのか、そしてそのプロジェクトに貢献してきたのか、その点が見られています。

粛々と業務をこなしたというようなアピールだと弱い、弱すぎるということです。

③ 思考する習慣のある人材なのか

自分の頭で思考する習慣があるのかについても、評価されるポイントです。

上司や先輩の指示に従って、業務をするのは当たり前。そこに何か+αで自分の色を出せたのかどうか?

これは何も、新規プロジェクトを自分の力で進めたといったことだけではなくて、日常のルーティーン的な仕事の中で、改善に取り組もことも該当します。

④ 主体的に行動できる人材なのか

仕事の中で、何を考え、主体的に行動できたのか?

先日、別のチームで「管理職がリーダーシップを発揮しないと…」みたいな愚痴を言ってる人間をみました。

彼は、100%管理職に昇進できません。

この手の他人任せのマインドは、発言の節々に滲み出てしまうので、注意してください。

リーダーシップは、チーム全員がそれぞれの立場で、主体的に発揮するものです。面接ではその点も評価基準になります。

面接試験 評価基準2|想定外のことについての対応力編

管理職以上の昇進試験の場合、どれくらいの地力がある人間かを見定めるために、かなり突っ込んだ質問がなされます。

この視点で質問された場合、いろんなバリエーションがありすぎて、正直何が聞かれるか全く予測できません。

ただし、主任試験や係長試験の面接だと、そこまで突っ込んだ質問がされる可能性は低いので、時間がなければ無視してもいいと思います。

一方で、管理職以上の面接試験の場合、この手の質問のウエートが増えていきます。

しっかり評価してもらうために、次の3つの評価基準を押さえがら、自分の意見を述べるようにしましょう。

⑤ 問題の意図(本質)を把握できる力があるか

管理職の場合、部下から上がってくる限られた情報の中で、何を優先して対応すべきかを素早く決定することが求められます。

その際、何がボトルネックになっているのか?問題の本質を素早く見抜き、対応方針を定めなければなりません。

この問題の本質を素早く掴む力は、マネジメント業務の基礎となる力でもあるので、管理職を目指すのであればマストです。

そのため試験面接でも、充分な情報がない前提で課題に対してどう判断するかが、問われることがあります。

⑥ 全体を俯瞰できる能力があるか、解決までのロードマップを描けるか

先ほど紹介した、問題の本質を掴む力とセットで、評価基準となるのは解決までの大まかなロードマップを描く力があるかどうかです。

実務を進めるという視点で考えると、壮大な理想をぶち上げるのは経営層の仕事で、その実現手法を詰めていくことが管理職の主な仕事になります。

何をどうやって解決まで導くのか?

面接では、提案したそのロードマップに矛盾がないか?論拠を重ねて自分の意見を言えるのかどうかが評価されます。

⑦ そのロードマップは実効性が高いのか(リソースの範囲内での具体的な解決案か)

最後は、自分が提案した解決までのロードマップの実現可能性が評価されます。

会社が使えるヒト・モノ・カネ・時間などのリソースの中で実現できるアイディアなのかがチェックされます。

身の丈に合わない解決法を提案したところで、絵に書いた餅にしかなりません。

まとめ 管理職以上の面接とそれ以下の職位では、評価基準が異なる

今回は、昇進・昇格試験における面接試験の評価基準について解説しました。

目指している職位が管理職以上か、そうではないかで、質問のポイントも評価のポイントも若干異なります。

管理職以上の面接試験の方が、実務レベル~マネジメント、場合よっては組織がとるべき戦略まで幅広く問われる可能性があります。

逆に準備が難しい分、うまく回答できれば、大きな得点が見込めます。皆さんの面接試験がうまくいくことを祈っています。

最後に、この投稿を見てくださった方は、ぜひスキ(♥)をしていただけると嬉しいです。

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