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コーシャ認証をご存じですか
欧米人の信頼の証、コーシャ認証を取得しました。
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安心を伝えられていますか?
スーパーの地場野菜コーナーなどでは、野菜を生産している農家の方を顔写真入りで紹介しているのを見ます。この風景が、実はインバウンドにとっては不思議だそうです。
自分が知る限りではアメリカやヨーロッパ、そして東南アジアでも農家の顔写真をつけて野菜を紹介しているのを見たことがありません。
生産者の写真がついた野菜を見て「農家の人が心を込めて育てた新鮮な野菜だ」と思うのは日本だけで、外国では「こんな怪しい奴が育てた野菜は怖くて食べることなんて出来ない」と思うのかもしれません。
東京オリンピックの選手村へ食材を提供するには、農林水産者に登録された認定機関によって食の安全性を確認したGAP認証が必要でした。工業製品のISO、食品業界でのHACCP(ハサップ)に相当します。
世界中から集まるアスリートに食していただくには、安全であることを自己申告ではなく、第三者が確認したものでなくては安心できないということです。
万博、ワールドカップ、サミットなど外国からの参加者がある場所での食の提供にはGAP認証が必須条件になっていくようです。
では、外国の方はGAPがあれば安心して食しているかというと、必ずしもそうではないようです。
なぜなら、GAPは国が定める第三者機関によるものだからです。「生産者の申告も、国による審査も必ずしも正しいとは言えない」と考えるようです。
そのような外国の方々にとって、国よりも信頼できもの、信じているもの、それは宗教です。イスラム教の「ハラル認証」と、ユダヤ教の「コーシャ認証」というのはそれぞれの宗教における食の規準となります。神様に捧げる食ならば安心であるということです。
実は最初は「ハラル認証」に関心があったのですが、アメリカやヨーロッパのキリスト教の人たちは、ユダヤ教のラビ(聖職者)による厳正な審査に合格した「コーシャ認証」マークが、その判断基準が細かく厳格がゆえに、商品の品質の安全性に関する目安として信頼されているということで、コーシャ認証を取得しました(2019年、2月)。
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コーシャー認証は旧約聖書の教えに即した、カシュルートと呼ばれるユダヤ教の食の規定です。「コーシャ」とはこの食事規定で「食べて良い食物」のことを意味します。
審査書類も手続きも英語で苦労しましたが、外国の方の宗教についての考え方、食に安全についての考え方に触れられたことはいい経験になりました。
(2019年に記す。)
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審査当日には中学校のALT(英語の先生)のヒルさん(左)にもて手伝っていただきました。
【その後】(その1)
コーシャ認証やハラル認証の、「神様にお届けする食」という考えは、農業の目的と役割、食の在り方について考えるとてもいい機会となりました。
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しあわせ野菜畑では2023年から、10月16日神嘗祭の日に伊勢神宮・内宮に野菜を奉納しています。神様に奉納できる野菜を育てていることはとても励みになります。
しあわせ野菜畑という名前は、食する人、育てる人、地域の人に”しあわせ”を届けますという意味ですが、「しあわせな野菜を作りたい」という願いでもあります。神様に食していただく以上にしあわせなことはありません。
奉納するために伊勢神宮の白い玉砂利の上を歩いている時、野菜達が喜んでいる声が聞こえてくる気持になります。
お客様に届けるために収穫して出荷をしている時も、お客様が調理したり食している時のことを考えると、おいしく食べていただくことを喜んでいる野菜達の声を聞こえてきます。
そんな経験ができるようになりました。
【その後】(その2)
コーシャ認証の取得は、日本で暮らす欧米系の外国人の方に安心をお届けしたい、そのきっかけとして、インバウンドをお客様とする都内の飲食店様に喜んでもらいたいというのが狙いでした。
しかし、その後コロナ禍が発生してインバウンドは激減、審査をしてくれたユダヤ教のラビ(司祭)も国に帰国してしまい、更新は中止しました。
今は「コーシャ認証の規準の野菜」ということになりますが、実際のところ飲食店さんのコーシャ認証への関心はあまりなく、今後もしばらくは更新(再取得)は見合わせています。
コーシャへの関心が高まることを期待しつつも、もしかしたらそれに頼らなくても、安心して食している今の方が幸せなことかもしれないとも思います。
「コーシャ認証をご存じですか」
第1版 2025年1月12日発信
オーガニック農園 株式会社 しあわせ野菜畑
代表 大角昌巳
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