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日本ホウレンソウと西洋ホウレンソウ




イラストのAとB、あなたがイメージするホウレンソウはどちらですか。
ホウレンソウにはAの東洋種(日本ホウレンソウ)とBの西洋種(西洋ホウレンソウ)のふたつの系統があります。



ホウレンソウは紀元前3000年の古代ペルシャで栽培が始まりました。古代ペルシャといえばアラビアンナイトの舞台です。「食は文化」と言いますから、きっとアラビアの王様の宮廷料理にはたくさんのホウレンソウが使われていたのでしょうね。
ペルシャ(現在のイラン)が原産のホウレンソウは、シルクロードを通って中国に、日本には江戸時代に伝わりました。葉がギザギザしたAの日本ホウレンソウです。根が赤くて葉はやわらかく甘味があります。



一方、エジプト経由でヨーロッパからアメリカと渡った西洋ホウレンソウはBのように葉が丸いものでした。
葉に厚みがあり病害虫に強いという特徴を持っています。
日本ホウレンソウと西洋ホウレンソウでは適した料理が異なります。日本ホウレンソウは葉肉が薄く甘みがあるので、さっとゆでて絞って切ってお醬油でといった和食に合います。一方、西洋ホウレンソウは少しアクが強いのですが肉厚で煮くずれしにくいので、味付けをしながら炒めたり煮こんだりする料理方法です。
西洋ホウレンソウは栽培しやすく収量も多いことから、現在では日本ホウレンソウと西洋ホウレンソウを掛け合わせた交配品種がほとんどです。
日本ホウレンソウは根元が赤いので、「昔のホウレンソウは根元が真っ赤で、おひたしがおいしかった。」と感じる方がいるのはそのような理由です。
当社では味を重視して日本ホウレンソウの系統に近い品種を育てています。スーパーにはいろいろな種類のホウレンソウがあります。料理方法を考えながら、どちらの系統に近いのか、葉の形や根の色を見比べてみてください。

紀元前にペルシャから旅立って、地球を東回りに中国から日本に伝わった日本ホウレンソウと、西回りにヨーロッパからアメリカと伝わった西洋ホウレンソウが、悠久の歳月を経て、ちょうど反対側の日本で出会って交配されて新しい品種のホウレンソウができているって、何かすごいですよね。
1年中出回っているホウレンソウですが、おいしい旬の季節は冬です。野菜は原産地の気候で個性を発揮します。ペルシャの地は高原地帯で冬は氷点下まで下がります。冬の寒風の中で育っているホウレンソウは、ふるさとのペルシャを思い出しているのでしょうね。

【 付け足し 】
静岡ではこれを書いている2月の寒さの中でも、露地栽培でホウレンソウ育ちます。ペルシャ(イラン)の気候ってこんな感じなのでしょうか。
この後、暖かくなるとホウレンソウは茎が伸びて花を咲かせます。これをトウが立つといいます。例年、トウが立つのは3月下旬なのですが、今年は春が早い感じがします。トウが立ち始めのホウレンソウは甘いので、中心部に茎のようなものがあっても食べてくださいね。


「日本ホウレンソウと西洋ホウレンソウ 」
第1版 2025年2月27日発信
 
オーガニック農園 株式会社 しあわせ野菜畑
代表 大角昌巳


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