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映画 枯れ葉 アキ,カウリスマキ監督

観たいなと思って、お気に入りに入れていたが、なかなか観れず、やっと「今だ!」と観た映画「枯れ葉」。
フィンランドのアキ、カウリスマキ監督です。

内容は男女のラブストーリーですが、カウリスマキ監督の「テーマ」というか、「好き」が、最初から最後まで貫かれている、そんな感じがしました。

映画の中で選曲された歌や、数々の映画ポスター、主人公二人が観たジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画「デット ドォント
ダイ」、、、、などなど。

この映画は、カウリスマキ監督の労働者三部作の4部作目になるそうで、、、。
インタビューでは、「敗者を描くとき、自分を描いている」と語っています。

ラジオではウクライナの戦争が流れ、主人公、二人は、パートと日雇いのギリギリの生活で生きています。
それが現代社会の片隅ではなく、今や多くの人々が共感するテーマ。
本当は、そういう人達が社会を作っているはず。そしてそういう人達に、社会は優しいのでしょうか?

ストーリーの中で、「不遇」と「人の優しさ」が交互に繋がり、人とは?愛とは?と、じわーっと感じさせられます。

そして、「愛」があるとき、やはり「こっちの世の中の方がいいな」と思う、温かな気持ちになる映画でした。

ビジョンは、未来に見るものですが、ノスタルジーな過去から、世界を見る事もできる。たとえ過去を美化したとしても、過去は、良かった事と失敗したことがわかるのだから。

ハイテクノロジーな社会だけが未来であるだけではない。
もっとビジョンには選択肢があるはず。

「無意味でバカげた犯罪である戦争の全てに嫌気がさして、ついに人類に未来をもたらすかもしれないテーマ、すなわち愛を求める心、連帯、希望、そして他人や自然といった全ての生きるものと死んだものへの敬意、そんなことを物語として描くことにしました」と皮肉たっぷりのコメントを寄せているカウリスマキ監督。

「映画で描かれている事は、実際にそうなる。」と聞いたことがあります。
そういう意味でも、この映画は「映画っていいな」と、再び思わせてくれたそんな映画でした。

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