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同じものを見るために白板に登場人物、時系列、思考FWを書き出す

抽象度の高い話する時に必ず率先してやっていることがある。それは「ホワイトボートに書くこと」だ。

抽象度の高い話する時は参加する各々が見ている世界を揃えていく必要がある。

普段同じような業務に従事していれば説明不要なこともある。一方で、文脈を共有していないチーム以外の人や業務習熟度の低い人がいる場合は話が変わってくる。

また、たとえ同じような業務に従事していたとしてもそもそも目的・時制の異なるものを混同していたり、文脈が揃っていなかったりする。

こういったすれ違いが起きること、また解消が難しい理由は「同じものを見ていると思っていたのに実際には違うものを見ている」ことに気付けないからだ。

これを避けるために、それが起きる特徴と避け方を考えていく。

議論が空中戦になる理由

議論が交差せず空回りする、そんな空中戦が起きる時は必ず理由がある。

  • 時制が合っていない

  • 言葉の対象とするものが違う

1つは時制があっていないこと。プロジェクトの多くは短くとも1ヶ月、長くて年単位と長い時間を対象とする。年ごとに繰り返すものもある。

この時に「どのタイミングを指しているのか」がズレると同じものを見て議論ができない。また年単位で繰り返すものは「どの年を指しているのか」で随分と意味が変わる。

また「同じ言葉が対象とするもの」が異なる場合もある。たとえば"採用"といった時に新卒・中途どちらを指すのか、"魅力づけ"といったときに認知フェーズを指すのか検討フェーズを指すのかで意味が変わる。

このような文脈の混同を避け、明確に同じものを見ると認識が揃い議論が進みやすくなる。

そういった空中戦を避けるためにホワイトボードに書くことをやっていく。

同じものを見るためにホワイトボードを使うコツ

ホワイトボードの使い方にもコツがある。

  • 登場人物を描く

  • 時系列を使う

  • 既存の思考フレームワークを使う

登場人物を書くとは、場面に出うる人をカテゴリー分けしそれぞれに名前を付けることだ。例えばユーザーという単語には社内の運用者、管理者、社外のクライアント、社外の一般ユーザなどいろんな意味があるケースが多い。これらを登場させ関係性や振る舞いを書いていく。UMLのユースケース図が近い。

時系列を使うとは、横に長くタイムラインを描きその中にやっているタスクをプロットする方法。いわゆるガントチャートと呼ばれるものに近い。

例: ガントチャート

「既存の思考フレームワークを使う」とは、世の中にいくつもある「すでに有名な思考モデル」を借りて話すことだ。たとえばSWOT, 3C, MVC,ダブル ファネルといったすでに誰かが形式化し世の中に浸透しているモデルを使う。

例: マーケティングダブルファネル

https://salesrobotics.co.jp/ownedmedia/20220518_527/

例えば採用文脈なら、時系列と採用ファネルを書いておく。すると時期感とどのフェーズの人に対する取り組みなのかについて同じものをイメージしながら話すことができる。またそれらを書き起こすうちに参加メンバーの暗黙知が引き出され、前提のない人にインプットを促す形になる。

この2つを使うことで「同じものを見て話す」が容易になる。

議事録だけで完結しない理由

「議事録で十分では?」と思うかもしれない。これは明確に否と言える。

情報には言語的な意味と視覚的なイメージがある。

議事録には意味しか残せず、概念構造の整合性が強い意味を持つ。そして、読み手はそれを読み解く必要がある。また図解を利用するにしても指差しが難しくどこを指しているか分かりづらい。

一方で、ホワイトボードには図解によるイメージと意味の両方を残すことができる。また、書いて消すことが早く、概念構造の整合性を一旦気にしなくて良い。書き込む位置による意味も持てるため情報量の割には分かりやすいことが多い。

つまりホワイトボードのほうがリッチな上に手軽なのだ、議事録はそれから読み取れることや議論された発話の事実を残せば良い。

以上、ホワイトボードを使うコツをまとめた。



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