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近世の生命観への啓蒙 『陰陽和合図』
この絵馬は、「子返しの図」と一緒に柏原白鬚神社の境内にある浅間神社に奉納されたとされている。
上部に墨書で、
「月と日の 晦日の契りなかりせは 人のたねには なにかなるへき」
と書かれている。
人間とは陰陽(月日=父母)の和合によって生まれるものであることを表現しているそうだ。つまり、子の誕生はその大きな摂理にしたがったものだ、と。これは「子返しの図」と対の関係なのだ。
富士講は出産習俗との関りも深い。この絵は富士信仰の独特な生命観を民衆を啓蒙する機能をもっていたみたいだ。現代の目からみると不思議な絵でしかないが、その機能はある程度果たしていたのだろう。
しかし、子どもがどうにもワンコにみえて仕方ない。