千と千尋の神隠し、大千穐楽@御園座
ついに、このカンパニーの長い長い旅が終わりましたね。
トンネルを抜けるその瞬間、劇場で立ち会えたことが、至極幸せでした。
全てが過ぎ去った今、改めて、
【7/4だけ公演ができるとわかった日】に受け取った想いを見返しました。
宏規くんの呟きと
それから、シングルキャストの折井さんのブログを読んで…
ああ、もう視界が滲む……
カテコやら、いろんな場面が思い出されて、もう……
一観客の私には計り知れないものがありすぎるけど、とにかく…
今まで感じたことのない気持ちになって、本当にどうしよう。
ありがとう、千と千尋の神隠し。
ありがとう、そこに携わる全ての方々。
ありがとう、三浦宏規くん。
こんなに、心と身体を尽くした舞台を見届けたのは、はじめてでした。
大千穐楽おめでとうございました。
言葉を詰まらせながら、「このカンパニーへのリスペクトが尽きません」と語った彼へ感謝と愛おしさとリスペクトを込めて…
今回の備忘録も、主に宏規くんの話を綴っていきます🐉🏮
彼の最後のハクは…
パンフで「映画で見ていたハクのイメージより遥かに感情が動いてしまう」って書いてありましたね。
この日を迎えるまで、荒波のような色々があるから、今日のハクは、多くの“生”の感情に溢れていて、めちゃくちゃ揺れ動いているのを感じました。
“三浦宏規”を含蓄してるハクだから、宏規くんの優しさや誠実さすごくすごく滲んでいて。
私はそれがとっても良かったなって思いました。
だからもうね、とにかくずっと泣いちゃうわけです…。
「ここへきてはいけない!」と言い放つ最初のシーンは、とにかく緊張しているのが伝わってきて。
東京公演で見たリラックスとまではいかないけど、適度に肩の力が抜けていて余裕のある雰囲気ではなく、見ている私の呼吸も浅くなる、そんな感じ。
「橋のところへおいで。お父さんとお母さんに会わせてあげる。」のあたりから、今までの公演で見てきたいつもの柔いハクになったなぁと。
橋で会った後の「おいで」があまりにも優しすぎて爆泣きしてしまった。
そこからは、ただただ、「ハク」が宏規くんの身体を借りて現れているような錯覚に陥るお姿でした。素晴らしかったです。
薄紫や牡丹色の花をかき分けて進むシーン。
こういう言葉ではない静寂な表現に長けているのはバレエの経験があるからなんだろうな。
その柔和で美しい立ち居振る舞いだけで泣いてしまいそうになる。
空から落ちるシーンは残念ながら表情は見えませんでしたが、神の慈愛のような声色と、久石譲さんの素晴らしい音楽が相まって、言葉にできない美しさでした。
役を大切にするのは俳優さんなら誰しもそうだと思うのですが、セリフ、表情、立居振る舞いだけに留まらない“何か”が宏規くんにはあるように感じます。
その何かは、周りのひととの関係だったり、宏規くんの性格・生き方だったり、色々…
私は、「宏規くんというひと」の、そういう役に対して言語化できない域に及ぶ、真摯な、誠実な在り方に惹かれるなぁ、と、今回改めて思いました。
だからね、特に、最後の別れのシーン。
「きっと」の言い方、
とってもとっっっっっても沁みた。
波が浜辺に打ち寄せて、砂を濡らすように私の心にじんわりじんわり広がっていった。
その後の少し寂しそうな手。
愛おしかった。
今まで見てきたどの回よりも愛おしく、切なかった。彼らしさが滲んでいて、とてもとても素晴らしい最後。
宏規くんのハクに出会えて、本当によかった。
彼がハクで本当によかった。
(以下、細やかな壁打ち)
・手を繋ぐときハクが手を差し出して、そっと千尋がのせるように繋ぐの、何度見ても優しすぎる…
・青い紫陽花のシーン、「…行かなければ」って言っているとき、手をにぎにぎするの優しくて泣いちゃう
・おにぎりを差し出すときの掠れがかった「お食べ」、胸が苦しい。肩をさする手も優しすぎて、千尋が泣きじゃくるのをみながら私も泣きじゃくっていた。
・ハクの舞、二階席上手からの見え方素晴らしかった…映像を見るたびに、脳裏に蘇るけど、私の目で見た景色が一番よかったよ()
ここの舞も宏規くん、今まで見た回の中では一番緊張していた感があってちょっとドキドキしたけど、とにかく美しくて圧倒だった。
・今回は全景の目線で見ることが多かった。今までの公演はとにかく表情をみていることが多かったので、引きで見つめたときの「彼の在る美しい景色」に圧倒された…
他キャストの皆様のこと
橋本環奈ちゃん、東京公演で2回観ていたのだけど、とっても大きくなったなぁと思いました。
環奈ちゃんは立っていたキャストのなかの誰よりも、環奈ちゃん個人の気持ちが溢れていて、大千穐楽は、心が揺れ動く千尋だったけれど…。
萌音ちゃんのこともあったし、博多の公演での自分の罹患のこともあったし、初舞台だし、常人には理解の及ばないことをたくさん背負っているんだな、と。
覚悟や強い想いを感じた。
環奈ちゃんが千尋で本当によかった。
感受性大爆発なお姉様、妃海風ちゃん、本当にすごい。
涙脆くて、たくさん泣いていると聞いていたのに、千尋お母さんとして出てきたとき絶対胸がいっぱいな筈なのに、「妃海風」じゃなくて「お母さん」だった。その後も、きちんと「リン」だった…カッコ良すぎる…
FANMI!の配信を見た後だったのと、宝塚時代の出演作とリトショを観ていたこともあり 、ふうちゃんへの愛おしさも大爆発。
あ、FANMI!アーカイブまだ見れるので(現在2022/7/5)、ご覧になっていない方は、
絶対にご覧になって???の気持ちです。
宏規くんがゲストなのですが、まるで姉弟のように仲良しで、宏規くんが優しい関西人お姉さんに甘えて生意気なので(可愛くて最高)(一生見ていられる)
魅力的なひとのそばにはやっぱ、魅力的なひとが集まるのね 💐
何度見ても、オクサレサマがお帰りになるシーン、♩およそ名もなき神々〜のところ、ふぅちゃんとかんなちゃんがあまりにも眩しくて…。
ぎゅっとハグした瞬間、堰が切れたように泣いちゃった…
あと、夏木マリさんの湯婆婆。今日は、どことなくマリさんのお言葉から璐美さんの声色を感じるところが多々あった。
璐美さんの「涙の止まることがない」という呟きを思い出して、また泣けた。
そんでもって、シングルキャストの皆さんの顔ぶれが全然違くて。
4日間の間に死に物狂いで完成させたのだ、とわかって、もう、その力の大きさに、ただただ圧倒された。
折井さんのブログ、読んでください。配信見返しながら、深夜に爆泣きました。
涙と愛と感謝に溢れたカーテンコール〜宏規くんの涙〜
こんなに、こんなに泣いたカーテンコールはない。
凄まじい拍手が轟く御園座。
それを受けて、キャストのみなさまの心が 震えているのありありと伝わってきて、もう、もう…言葉にならない…
お辞儀のときの晴れやかなお顔…
個人の挨拶の前からスタンディングオベーションだったんだけど、客席を見渡す宏規くん、今まで見たことがない表情で、もうそれだけで胸がいっぱいだった…
宏規くん、めちゃくちゃ泣いていて、もう、もう…
配信では抜かれていなかったけど、シングルキャストのみんなが紹介されて話し出すあたりで、環奈ちゃんが大泣きしてて、それに気付いてすぐに宏規くんと見つめあった後、宏規くんが環奈ちゃんの背中を、それはそれは優しくさすっていたんだよね…
彼もね、ツーって涙を流しながら…
拭わずにめちゃくちゃ泣きながらおば兄の話を聞くわけ……(私はそれを見て泣くってわけ……)
みぅくんさぁ、どんなにカテコで泣いても涙拭わないんだよ……
ツーって垂れてからすこし鼻を擦るみたいな感じで拭うわけ…………
目頭を殆ど抑えないのよ……
流れる様、実に美しかった…
そんなお姿見て、当たり前のようにみぅくんが好きな私、感無量にならないわけなくない!?!?
辻本さんのときもめちゃくちゃ泣いてて、その時は顔をぎゅってさせながら泣いてて、もうもうもう…
ご自身で話すときも 、本当に今までのカテコにはない空気感でした…
どれだけ言葉にするのが難しい大きな大きな気持ちを抱えているのか。
仕草や表情、声、生で見聞きしてこれでもかと伝わってきて、もうもうもう、本当に胸が苦しかった…
「…やば」っ言葉が零れてうまく話せなくなったときも、ふーって息を吐いて整えようとしているときも、その息遣いや上下に揺れる動きから彼の心を感じて、見届けられたことがとんでもない幸せでした。
舞台はやっぱりすごい
私たちの想像力と、舞台の上でのことが重なって、そこに“本物”が現れる。
そして、刹那的に過ぎていく。
これが舞台の醍醐味だよなぁ。
今回見つめた千と千尋カンパニーの大きな物語。
全て覚えていることは難しい。
今も既に何かきっかけがないと「そうだった!」って思い出せないことがいっぱいある。
でも、「一度あったことは忘れないものさ。思い出せないだけで。」という言葉を胸に、あの時間を味わえたという事実を心の糧にしていたい。
私の人生においてこの観劇を超える観劇はないだろうなぁ。
名古屋公演が中止になったとき、私のツイート にも「現実的に考えて、楽は難しいのでは?」ってありました。
「無理」という言葉がよぎった己に浅はかさすら感じる。
不可能を可能にし続けたカンパニーのみなさまへのリスペクトが尽きません。
普段観劇していると「あぁ、終わってほしくない」という想いで溢れるんです。
でも、今回、「あぁ、無事に終われてよかった」という安堵感が凄くて。
幕を上げること、下ろすことも“当たり前”ではない世の中。
一体いつまで続くのだろう。
とにかく、とにかく、命をかけた大千穐楽を届けてくださったことに感謝してもしきれません。
そして、最後まで身体を壊すことなくハク役をつとめた宏規くん。
本当に本当に、ありがとう。
辻本さんのご挨拶にあった言葉をお借りするなら、宏規くんに会うたび、宏規くんが舞台に立つ姿を見るたび、あらゆるあなたを知るたびに、「私の人生の一部」としての宏規くんが増えていきます。
ああ、いただいてばかり。
本当に、本当に。
これからも、劇場に通わせてください。
あなたに、心を向けさせてください。
私も、また会うその日まで、頑張ろう。
油屋のみなさま
ありがとうございました。
お世話になりました。
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