
筆跡の魅力を探る旅#1~人は字から影響を受けるのか?~味覚篇~
こんにちは。「筆跡の魅力を探る旅」シリーズが始まります。この旅では、筆跡や書くことの魅力を探っていきます。新しい発見を楽しんでいただけたら嬉しいです。さぁ、筆跡の世界へ出発です!
#1 ~人は字から影響を受けるのか?~味覚篇~
以前に、「日本酒ラベルの字から味の印象を読み取っているのか」について研究を行ったことがあります。これは、筆跡診断士でない一般の方も、無意識に字から相手の印象を判断しているのではないか、という仮説に基づいています。
書道歴37年の私は、人の字を意識的に見る機会が多く、筆跡診断の学びを通じて、一般の方でも無意識に字から人の印象や感情を測っていることに気づきました。例えば、小学生の頃、きれいな字の人に「頭が良さそう」「ちゃんとしている」と感じた記憶や、社会人になって美しい字の人に好印象を抱き、丁寧に接したいと思った経験があります。
そこで、筆跡を意識する身近な例として、日本酒のラベルに注目しました。私自身、種類や味に詳しくないため、ラベルの雰囲気を参考に日本酒を選ぶことが多く、同じような方も少なくないのではないでしょうか。実際、多くの酒造が、有名書家の文字を採用するなど、ラベルデザインに力を入れています。
こうした背景から、一般の方がどの程度、字から影響を受け、味の印象を持つのかを探るため、アンケートを実施しました。その結果からわかったことを一部ご紹介します。
TypeA~Cのラベルを見て、どんな味の日本酒だと思いますか?
字の特徴とそこからイメージする味の特徴を記しています。

いかがでしょうか?皆さんも同じような印象を持たれたでしょうか?
また、この研究では、50種類のラベルを提示し、どのラベルが好みかを選んでいただきました。その結果、好まれるラベルには一定の傾向がみられることがわかりました。
文字から受ける印象は、私たちの選択に影響を与えることがあります。提供側が相手に与える印象を意識してデザインすることで、商品の印象と実際の内容とのギャップが減り、顧客満足度の向上につながるでしょう。ぜひ参考にしてみてください!