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【足りてないのは"つながり"-帰国難民編-】

どうも。
しゅーとです。

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ボクは今、インドの上に位置するネパールという国にいます。

帰国難民というやつです。


※なんとか元気にやってます。



さて、ネパールは、内陸に位置する国で見てわかる通り、海と面していません。山の恵みやヒマラヤから湧き出る水などは国内で補えますが、国内にない食品、ガス、ガソリンなど日用品の多くは海外に依存していて、特にインドを通して得るほか方法がないんですね。

物流ルート
に関しては、インドから陸路で2日間くらいかけてカトマンズに到着すると言った感じです。


なので、食料を送るためのガソリンや人件費などを加味すると、インドでは50円のこのチョコが、関税も含まれネパールでは80円〜100円になっていたりします。

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国別輸入金額ベースで言うとでなんとインドからは65%も依存しています。ネパールとインドの関係を「インドがくしゃみをするとネパールは常に風邪
をひくはめになる」
と比喩する人もいるくらいです。



さて・・・

カタールのメディアがインドのロックダウンに対して『世界で一番大きなロックダウン』という記事を出しました。

実は本日、インドのモディ首相が5月3日までロックダウンを延期することを発表しました。ロックダウン当初まで遡ると、3月25日〜5月3日までの1ヶ月以上もの間、日用品を除く、全ての経済活動を停止しています。


インドは、新型コロナウイルスの影響で武漢から帰国した約700人のインド人に1人も陽性患者がいなかったことから、「インド人はコロナにかからない」「カレーの力だ」と言われていましたが、現在は10453人、昨日だけで約1,000人の感染者が確認されています。


インド総人口13億人の10,000人を"%"で表すと、0,0000007%ですが、コロナウイルス拡大に伴う最悪のシナリオを思い浮かべ、国内には13億人を支える十分な医療設備が整っておらず、これ以上の感染者、死者の増加を防ぎ、医療パニックを起こさないようにと思い決断をしたのではとボクは考えています。

強力なディフェンス政府戦略です。

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しかし、ここからが本題ですが、インドがロックダウンを続けると言うことは、実は、ボクがいるネパールにおいても問題が発生してくるんですね。


いくつか問題があるので述べていきます。

まず1つ目
物流が滞り、物価が跳ね上がる。

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良かったことに現状としては、日用品に関してはインドからネパールの国境を越えることが許されており、物流が滞ることはありません。


しかし、インド、ネパールの物流業者や日用品業者の休業により、ネパールに物資が入って来ず、物資不足により、物価が跳ね上がる可能性があります。今現在でも、輸入関税+不足によって、少しずつ物価が高騰しています。

そして、物価が高騰することで一番被害を受けるのは貧困層です。物価上昇に伴って、ご飯を買えなくなる。ないしは食事が1日に一食だけという事態が発生するかもしれません。

2つ目
大量失業者が出る

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ネパールなどの開発途上国と言われる国々は、会社に影響が出ると企業は人件費を削減するため容赦無く人を解雇します。一方で社員も賃金が低いと容赦無く辞めて、同じ職種でも給料の高いところに転職します。


特にインドやバングラデシュのように人口が多かったり、ネパールなどのここ数年〜10年で経済成長率が伸びている国の首都には、地方からの多くの出稼ぎ労働者が現金収入を得るために住んでいます。


こういった人は、単純作業・肉体労働などをすることで現金収入を得ており、企業側からすると"変え"は沢山いるので、解雇されやすいんですね。


実際にボクのネパールの友人も、キャッシュが間に合わなくて会社が倒産したり、解雇された方もいますし、今日の食事が今日の収入であるため、本当に困っています。

またインドの友人に連絡を取ると、デリーでは失業者がでたり、ロックダウンで現金収入が無く、"みんな今は大変。早く収束してほしい"という連絡が入りました。


インドの政治家のツイートでは、、

貧しい人々は、21日+19日もの間、実質的に自力で食糧を用意するようにと国に置いていかれました。 国にはお金はあります。食べ物もあります。しかし、政府はお金も食べ物も貧しい人々に与えないのです。

と言う意見も飛び、政治の場でも今後どうするのかが議論されています。


3つ目
治安の悪化

治安


実はネパールもさっき、4月27日までロックダウン延期が発表されました。



在ネパール日本大使館からも連絡がありました。

ロックダウンの長期化等により不安定な状況が続くことが予想され,今後,窃盗等の犯罪が増加する可能性がありますので,十分注意をお願いします。


先ほどのように・物価が高くなる・大量失業者が出ると貧困層の人は、この場を切り抜けるために窃盗や犯罪が横行する可能性が高くなってきます。


ボクは社会の秩序を守る上で、絶対に起こしてはならない事態と考えています。


当たり前のことですが、腹が減っていて手元に何も無ければ、誰かにもらうか、誰かのモノを奪うか?の2択しかありません。

もし、誰かのモノを奪う事態が発生し、長引くと、『正義』を貫く警察が治安を安定させるために、市民を逮捕し、身体的に痛めつけるかも知れません。

逮捕された市民の家族や同じ想いを持った人が『貧困の上に正義なんてあるのか?』と言い、政府に対してデモを起こすかも知れません。


それが過激化して来ると警察と市民との暴動が起きますし、警察が市民に戒厳令を出すまでエスカレートするかもしれません。つまり市民の自由を統制するまでに至るかもしれないんです。

でも


更には、外国人であるボクは”お金を持っている”と思われているので、襲われるかも知れません。そうなると今回の騒動は、コロナによる国際的な問題と違うところで国際問題に発展するかもしれないんです。



飯を食べるために起こす暴動
ほど悲しいことはありません。

まとめ

以上の、
・物流が滞り、物価が跳ね上がる
・大量失業者が出る
・治安の悪化

は、過度な自粛やロックダウンにより起こる可能性があります。
でも、人の命を守る必要もあるし、難しい判断だと思います。


過度な自粛やロックダウンをすること
経済活動を今までのように続けること


によるメリット・デメリットを調べ、考え、個人が判断することが大切かと思います。


でも。


もっと大切なことは


手を取り合えるつながりを作ることだと考えます。

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もしご飯に困った時に、支えてくれる誰かと一緒に円卓を囲んでご飯を食べられたら?
もし泊まる家がない時に、支えてくれる誰かにあったかいお風呂を用意してもらえたら?


家族以外の他人と一緒になんて気まずいと思うかも知れませんが、手を取り合って分け合わないと生きていけない社会になってしまったんだから、手を取り合うしか道はないと思うんです。


有事が起きた後には、時は既に遅し。で、誰もが自己責任という名の圧力に押し潰され、お金を沢山稼がなきゃ生きていけないと思い込み。何も言えずにただ今回のように苦しんでいくのは見たくないです。

経済が停滞したくらいで、誰かが苦しむ現状が起こることが、おかしな話だです。だからこそ、今、民間側において求められていることは、誰も傷つけない"フラットなつながり"を築いていくこと。


有事の時にだけヒーローのように現れて”飲食店に行こう”なんてダサいことはしないで、最初から”つながり”があれば、こういった事態にはなっていないです。


ボクは、緊急事態を生きる真っ只中だからこそ、お金よりも、過剰な自立よりも"つながり"を作り、手を取り合い、”分け合うこと”が生きる上で
どれほど大切かを学びました。


そんなことをちょうど一週間ほど前に書きました↓



5月8日に帰国予定なので、それまでボクもできる限り身を守るためにも、食料を買いに行く時は、時間を決める、1人で歩かないなど注意して過ごしていきます。

では!


ネパールの孤児院建設費用に全額費やします。