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自己変革するにはまず現状の自分を認めてあげよう、という話

週末は、ハーバード教育大学院で成人の発達心理学の大家であるロバート・キーガン博士のワークショップにHLABの職員、学生と共に参加してきました。キーガン博士は、"Immunity to Change"(ITC)という変革の理論・手法を長年の研究により導き出し、世界中様々なセクターに対して、変革のファシリテーターとしてご活躍されている方です。"ITC"は著書『なぜ人と組織は変われないのか』の原題でもあります。

今回は博士の来日に合わせて、ソーシャルセクターも含めた社会貢献に携わる方々に対して、New Compass Labさんがワークショップを開催していただきました。

成人発達に興味がある(というか、ライフワークですね笑)私は、博士のことは以前から知っていたこともあり、興奮しながらの参加でした。ましてやゲストが小林りんさん、フェンシングの太田さんとあれば、参加しないわけにはいきません。太田さん、イベント中に壇上からの「おっ、しゅうた!」という声掛けありがとうございました(笑)先週につづき、フェンシング日本選手権のパーカーをばっちり着ていきましたからね!笑

さて、これに参加したことでの学びは溢れるほどありました。その中でも、ITCの仕組みの中で、これまでの経験と結びついたことでなかなか膝を打った点があったので、今日はそれについて少しだけ、書きたいと思います。

変革によって現れる不安や恐怖は「免疫」によるもの

そもそもITCとは、人や組織が変化するために必要なフレームワークです。(ITCの詳しい説明はキーガン博士の著書やインタビュー記事をお読みください。) この中で、人間や組織は変化しようとするときに、「免疫」(Immunity)が働いて、変化しようとする衝動を抑制してしまうと説明しています。人間にとって、その免疫が働いているからこそ均衡状態にあり、不安やストレスを感じずに生きているのですが、その均衡状態を崩す「変化」は異物として本能的に排除、つまり「免疫」として心に働くというわけです。

このネーミングについて聞いたとき、膝を打ちました。「免疫」はないと病気になってしまうヤバいもの。つまり、必ずしも悪いものではないのですよね。人間にとって、変化によりもたらされる不安に対処するための適切な反応なんです。自分が変えたいと思っているところに対して沸く感情は、往々にして自分が嫌いに感じたり自己軽蔑になったりするところかもしれません。そして、それが変わったときに起きる感情は、恐怖や不安かもしれません。が、それらは決して「悪い」と一刀両断できるものではないということです。

自分を守るための「免疫」なんだから、認めてあげることが大事

これを聞いたときに、できないことや変化できていない自分自身に対して「それも自分」だと一旦受け入れることの大事さに気づきました。自分の嫌い/変えたいところをまずは「許してあげる」ことが大事、ということ。そして、何より、それが変化したとイメージしたときに湧いてくる感情(不安とか、恐怖とか、もしかすると歓喜とか)も大事にして、認めてあげること。「それも自分なんだ」と責任を持つ(感情の出所は自分であって、他の誰かではない)ことが大事なんですね。この一歩を踏まえないと、その後の変革につながるものも全然つながらなくなってしまう。キーガン博士のこの「免疫」システムの解説を通じて、「感情を受け入れること」を論理的に納得できました。エネルギッシュな博士のレクチャースタイルもよかったですが、何より非常にロジカル、明快で最高だった...。

よく、サマースクールやHLABのプログラムでは、進路に悩む高校生/大学生の皆さんと多く対話する機会があります。この対話の相手となる場合には、問題解決に共に取り組んだり、アドバイスしたりすることも大事だとは思うのですが、その人が、どういう感情が湧いているのか?それはなんでなのか?を強く想像し、引き出していくことも大事なのかもしれません。そうすると、悩んでいる人がまず自分を一旦受け入れる一助となるでしょうからね!

さっそくITCでの学びを社内のメンバーに共有したり、自分自身の「免疫システム」と向き合う第一歩を踏み出してみようと思っています!


▼引き続き、今週末のHLABの1dayプログラム、THE SCHOOLも募集中ですよ!


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