今回は、東京都世田谷区にある田園調布学園中等部・高等部の坂本登先生のご実践を紹介します。 田園調布学園は、西村庄平先生により1926年に調布女学校として建てられた、創立100年を迎えようとしている伝統女子校です。 2005年竣工の重厚感をまとった校舎は、伝統校としての歴史を感じさせます。一方で、エントランスを入ってすぐ目の前に広がる吹き抜けのフリースペースや図書館には解放感があふれ、学校生活を伸び伸びと送ることできる、そんなゆとりも感じられます。 田園調布学園では、「デ
自己調整学習理論において目指されている学習者像は、学習活動に取り組むにあたって自ら「見通し」をたて、その見通しに沿った学習活動を「遂行」し、遂行した学習活動を「省察」することによって自ら学習サイクルを回していくというものです。 自己調整学習理論の先行研究に基づき、このサイクルを回していくために必要な要素が、「学習方略」「動機づけ」「メタ認知」そして「学習観」であると、主体的学びを科学する研究会では捉えています。 今回は、「学習方略」に焦点を当ててみたいと思います。 学習方略
学び方を学び、生涯を通じて学ぶためのスキルと力を身につける。 これは、いっそう不確実性が高まり、より曖昧さが増すであろう社会に生きていくことになる私たちには不可欠な要素です。 ただ、そうはいっても、どのようにしてそのスキルや力を身につければよいのでしょう。 私たちは、おそらくそれを、実際の学習を通して「体験的に」学び取っているのではないかと思います。 ここで言う「学び方」「学ぶためのスキルと力」というのは、「どの問題集を使うと力がつくか」であったり、「どこのポイントを押さえ
私立学校にとって、難関大学への合格実績が学校経営上の大きなテーマであることは間違いありません。そのために、知識習得型の学力を身につけさせ、模擬試験での偏差値を向上させていくということは、教育に求められている成果のひとつでしょう。 一方で、 大学受験の合格実績を上げることだけが学校教育の目的なのだろうか? 探究的な学びを促進することは知識習得型の学力向上にはつながらないのだろうか? 大学入試における問題も変化するなかで、従来型の教育だけで対応は十分なのだろうか? 様々な取り
私学マネジメント協会(コアネット教育総合研究所)では、当協会会員校の先生方が、学校の垣根を越えて、学び合い、議論し合う場として、テーマごとの研究会を設けています。 「主体的学びを科学する研究会」は、「自己調整学習理論」を基軸とした主体的学習者を育成するための学びのあり方を、共同研究校の先生方が実際に現場で実践された内容とそれによって得られた成果や課題をもとに学術研究者と共に議論し、構想していくための場として、私学マネジメント協会が主宰して2020年9月に設立しました。 研