“作家の映画”を読解する:『スリー・ビルボード』(2017)
『スリー・ビルボード』の脚本・監督を務めたマーティン・マクドナーは、もともと演劇畑の人でした。ロンドン出身のアイルランド人である彼は20代で劇作家として成功を収め、30代になってから劇映画に進出しています。アメリカの田舎町を舞台とする本作は彼の3本目の長編劇映画ですが、ヴェネチア映画祭で最優秀脚本賞を受賞するなど、国際的に高く評価されています。
英語圏の演劇人が劇映画を監督した例としては、マクドナーの他に、シェークスピア作品の映画化で知られるローレンス・オリヴィエとケネス