アナログのメモ帳に戻したら、仕事が変わった
こんにちは、高橋ピクトです。
書籍の編集をしています。
昨年末、文具女子博に行ってきました。
文具女子博は、パシフィコ横浜で行われた日本最大の文具イベント。
「女子博」というくらいですから、かわいい文具が集まるわけですが（ノートやペン、ステッカーやスタンプなど）、それだけではなく、アイディア付箋や、収納にこだわったファイルなど、便利な文具も多数販売されていました。
そんな中で購入したのが、このメモ帳。
Mutualオープンリングノート（リヒトラブ）。
「バッグの小さなポケットに入る！」と絶妙なサイズに感動して購入しました。
サイズやカラーのバリエーションも豊富で、仕事のスタイルにあわせられそうだと感じました。
https://www.lihit-lab.com/products/catalog/n-2675.html
実は、文具博に行った目的のひとつが、自分にあったアナログメモ帳を買うということだったんです。
数年前からリモート打ち合わせや取材が増えたので、メモするときはPCのメモ帳機能を使っていました。Zoomなどで取材をしているときに画面から目を離して、手書きでメモをするのがわずらわしくてデジタルに。
その後は、ちょっとした打ち合わせであってもノートパソコンを立ち上げてパタパタとメモを入力していました。それまではA5サイズのノートを常にかばんに入れていたのですが、荷物になるのでノートを持つのをやめてしまいました。
デジタルのメモは確かに便利なんです。ちゃんと記録に残りますし、データなので検索もできる。それに、箇条書きで入力することが多いので、取材後にそのままコンセプトや目次案になったりします。
ただ、最近は対面の取材も増えましたし、著者さんとランチの時に企画の話をしたり、社長との雑談の中で突然大事な数字の話をされたり、「これメモしなきゃ！」というタイミングが増えていて（そういうときってノートパソコンは出せませんし、携帯にメモするのもなんとなく抵抗があってですね……）、やっぱりアナログメモ帳は必要だよなと感じていました。
で、新しい仕事道具となった、アナログメモ帳さん。とっても役に立っています。
つい先日、お世話になっている著者さんから突然「企画を思いつきました！」と電話がかかってきました。こういうときにはメモ帳は大活躍です。サッとバッグから取り出して、話を聞き、要点や面白いと感じたことをメモしていきます。なんだか当たり前のことを言っていて恥ずかしいですが、一度メモ帳を失った人間からすると大発見なんです。
しかも、手書きでメモすると、情報を得たときの感動が筆跡や文字の大きさに出るので、デジタルとは違って、振り返ったときにそのときの気持ちまで思い出すことができます。
ある言葉には下線がひいてあったり、四角で囲まれた言葉が並んでいたり、打ち合わせの「冒頭の言葉」と「終盤の言葉」が線で結ばれていたりと、直感的かつ立体的に情報を整理できるのも手書きメモの特徴です。
そういえば思い出してきました。
私は、アナログメモ帳を使っていたときは、撮影の現場にもメモ帳を持って行って、その場の「誰かの言葉」をメモしていました。
たとえば、料理の撮影では料理研究家の先生の言葉（材料や調理のポイント）や、試食時の感想もメモします。自分の感想はもちろんですが、撮影スタッフの感想をメモすると、読者の目線に近いので、あとでキャッチコピーをつくったり、営業と一緒にチラシを作ったりするときに役に立ちます。
さて、著者さんから電話で提案していただいた企画ですが、すぐに企画書をつくって、会議で提案することができました。何気ない会話の中で生まれたアイディアを言葉で書き出してあるので、アウトプットがしやすいと感じました。
誰かと話しているときに「メモ帳を出す」と、
脳が「話を聞く」モードから、「インプット」モードに、パッと切り替わる。いうならば、脳のスイッチ。
小さなメモ帳が、仕事を変えるきっかけをくれたみたいです。
文 高橋ピクト
生活実用書の編集者。『背骨の実学』『新しい腸の教科書』『コリと痛みの地図帳』などの健康書、スポーツや囲碁、麻雀、競馬、アウトドア、料理など、趣味実用書を担当することが多いです。
今回初めて行った、文具女子博、かなり賑わっていました！若い人が多いのかなーと思っていたけれど、思ったより幅広い年齢層の方が参加していた印象です。印刷会社、製本会社、出版社と文具メーカー以外も、ブースを出していました。男性は少なかったけど、文具が好きならば誰もが楽しめるイベントなので興味ある方はぜひ。
