料理
今朝、息子から「なぜ(卒業のお祝いとして特別な)レストランに行くのだ」と聞かれて、自分の中での料理というものについて考えていました。
遅めのお昼、シラントロー、豆腐、ひき肉のスープを作ろうして、そうだ、アスパラガスの薄い小口切りも入れようと切っているところで、思い至った。
特別な、記憶に残る料理は、ずっと時間がたったのちに、その記憶に残る料理の時間に立ち戻るためです。
ウィスラーの帰りにリッチモンドに立ち寄って中華を食べるのが楽しみだった。私はひき肉とシラントローのスープが大好きだったが、あるとき別のスープを頼んだのだ。お店が違ったのかもしれない。そこははっきりとは覚えていない。
そのスープにはアスパラガスの薄切りと卵白が入ってて、とてもとてもやさしい味わいだった。おそらくその時の食事では、夫に緊張が走ることなく、安心して、おいしく食べたのだ。
ずっと時間がたってから、そんな時間に立ち戻って、楽しかった記憶を二度塗り、三度塗りする。丁寧に着物を畳むような感覚でもある。
楽しかった記憶に寄り添って、料理して、口にして、今日あしたの私をつくる。
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