見出し画像

フードエッセイ 「アイスクリームが溶けぬ前に」 #26 6curry(三島)


食欲がないとき、体調が優れないときでも、これなら食べられる…!という魔法の食べ物が、人それぞれにあるように思う。キンレイの鍋焼きうどん、森永のアロエヨーグルト、クノールのカップスープ。あっさりと食べられるものが体調不良のリカバリーになる人もいれば、カレーというパンチある食べ物がフィットする人もいて、食と健康って正当法はないのかもしれない。


かれこれ10年目になった独り暮らし生活ということで、もともと料理が好きだったのはありながら、自炊の腕が年々あがっていることを感じる。カレーも、ポークやチキンカレーだけでなく、キーマカレーや鯖カレーを作ったり、チキンをヨーグルトで漬け込んで作るバターチキンカレーなど多種多様。簡単なものでいいよと言われたら、冷蔵庫の中に眠っている食材たちで適当にカレーを作ってる気がする。


カレーが自分にとっての「養生」(心身の健康を維持したり、増進させたりすること)と思えるきっかけは、三島にある6curry。毎週ラインナップを変えながら、スパイスカレーを食べられる場所だ。


食は、3つ大事な要素があるように思う。味、香り、そして見た目。三拍子揃っていたら嬉しいし、「見た目」は食べる人のことを思って整えられる印象があって、作り手の優しさに触れられる。6curryのカレーは、美味しさで体が喜び、見た目・盛り付け方で心が喜ぶ、それが養生と思える要因なのかもしれない。

夏野菜キーマカレーを少し斜めから。
茗荷、オニオンチップ、多彩な色合いは嬉しくなる。


タコさんウィンナーをスタッフさんがつけてくれた日。
ちょっとした心配りも、食欲を増進させるひとつのピースに。


チップが散りばめられてる感じが、
あそびごころありつつ、アートな雰囲気に。


大盛りを注文したら、雪だるまがついてきた感じに。
きゅうりやにんじん、キャベツのアチャール(漬物)が
お皿をコーティングしているようで。


6curryではいろんなイベントが開催されているので、地域の人と外の人が出会ったり、出会いから何かのはじまりになったりする部分がある。その点でこの場所がなくてはならないと思うこともあるが、提供されるスパイスカレーが美味しいという土台が重要に思う。飲食店である以上、美味しい食べ物を求めているし、映えや見た目だけでなく、中身(味)も伴って欲しい。人も同じで、外見だけ良ければいいことはなく、内面も良いと思ってもらえるからこそ、関わり続けたいと思うんだと。

食は、自分を見つめ直したり、自分が心の中で思っている声を拾うきっかけになって、この先も自信を持って自分を表現するための「養生」なのかもしれない。



残暑が厳しいからこそ、しっかり食べることが
自分を養生することになると信じて。今日もごちそうさまでした。

*****



いいなと思ったら応援しよう!

おおばしゅう
いただいたサポートは、Podacast「人生百貨店」の運営費やいろいろな言葉・感情に出会うための本や旅に使わせていただきます!

この記事が参加している募集