愛と大悲
この木は、おそらくは外の世界を知らない。
だが、優しく、力強く立っている。
知ることがあなたに力を与えるなら、知ることだ。
知ることであなたが力を失うのなら、むしろ知らない方がいい。
だが、愛だけは違う。
私たちはどんなときでも愛することで力を得る。
さて、武家茶道の一つに三斎流がある。
ここは、家元の観音寺。
一つ一つの木々は、際立つのではなく、溶け込むようにして、そこにある。
枝垂れ咲く木々に心ひかれて、振り返るたびに心が洗われてゆく。
打ち解けて 溶け込んでゆく 大悲かな
2017年5月14日 五島秀一
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