音大出てない自分が音楽の世界になんで飛び込んだの?飛び込んでみて感じた事(その1)
「自分のやりたいことってなんだろう…」
そんな事を思った大学2年生の冬。その日は就活用の講座が開かれた日だった。
学校までバイクで通ってたので寒空の駐輪場で考えた自分の将来。
本当は音楽大学に行きたかったけど、高校の時は部活三昧で音大用の準備なんかする暇がなかったし、両親と話した結果一般大学へ。吹奏楽部をこれから力入れる学校に通うことに。(今は全国大会に出るバンドになりました)
大学では法学部で民事訴訟法を専門で勉強。
そんな自分がなんで音楽の世界に飛び込んだのか…。
「諦められなかった」
大学生の時、勉強は沢山した。
授業は毎回最前列か2列目。4年生の最後まで授業を履修して、卒業単位を20単位以上オーバーで卒業。
勉強すればするほど、自分がやりたいものを考えるようになった。
「やっぱりやりたい事は音楽だ」
そう感じた大学生時代。
吹奏楽部で頑張ってたテューバを専門的に勉強する為にレッスンに通い、夢を追いかけはじめた。
「絶対にオーケストラのテューバ吹きになる」
そう思っていた。
大学卒業後に進学を考えていることをレッスンで先生に話したら言われた一言。
「君より上手い人なんか当たり前のようにいるよ」
その一言がグサッと自分に刺さった。ちょっとでもイケてると思ってた自分が居たからショックだった。
でも、何故かその一言が帰宅中に燃料になり気持ちが燃えて行った。
「絶対にやってやる」
それから死ぬほど練習した。
毎日22:00まで練習し続け、習った二人のテューバの先生のおかげで運良く専門的に学べる学校に合格。しかも音大卒業した人たちが通う学部だった。
同級生は音大卒業した人と楽器が上手くて飛び級で入ってきた人。
先輩たちもみんな音大卒業。
2年生の時の後輩も音大卒業。
皆んな凄く上手だった。
自分だけ違う世界から飛び込んで来た。
気合と根性だけで来た自分には知らないことだらけだった。
初めての実技試験。初めてのオーケストラスタディ。初めてのテューバのソロ曲。
自分以外の皆んなは絶対に経験して通ってきた道。
当たり前のようにこなして行く姿に驚きだった。
自分に足りないものは
「経験値」
RPGだったら、たまたま運良く強い攻撃ばっかり出てボスを倒せたけど、その先に行ったらレベルが低すぎて通用しない。
入学したばかりの自分はまさにそんな感じの状況。
大学でがむしゃらに1人で練習してた自分にとって、演奏者としての経験値なんかほぼゼロだった。
本番で音が出なくなったり、数え間違いをしたり、今までしたことのないようなミスを連発。感じたことのない周りの空気感で毎日とても焦った。
焦りから不安感が生まれて自分がコントロール出来なくなっていった。
経験値の差を埋めるために気合だけでいけると思い、やってみたけど全く刃が立たない。
実技試験の講評用紙には
「テューバなのに低音が不安定」
「音程が悪い」
「音楽的な音ではないです」
こんなことばっかり書かれた。
やっぱりダメなんだ…。そう思い続けていた。
「辛い…辞めたい」
楽器を初めて辞めたくなった。音楽から逃げたくなった。自分の才能なんか微塵も感じなくなった。
でも、辞めなかった。
大学生の時に自分がやりたい事を考えたら音楽しかなかったから。
とりあえず諦めずに2年間頑張ったら何か見えるかもしれない。そう思った。
そう、自分にあるものは「気合と根性」
どんな事を言われても諦めないで2年間通い続け無事に卒業することが出来た。
「諦めなかったらなんとかなる。」
これを本当に感じた。
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卒業後の話は、次回に書こうと思う。