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雪かきのジレンマ
もう雪かき、やりたくないなぁ。
来週には3月。週間予報を見ても気温は上がるみたい。このまま暖かくなれば、どうせ雪なんて自然に溶ける。
「なら、もう放っておいてもいいんじゃ…?」
でもふと周りを見渡すと、ご近所の前はキレイに整えられている。対して、うちの前は…乱雑なまま。ちょっとサボってる感が否めない。
「……あれ? うちだけ、冬が長引いてる?」
雪かきをしない未来——
それはつまり、春になっても 「家の前だけ氷の塊」 が残る未来。
ご近所の人々が、道端でこうヒソヒソ話すかもしれない。
「あそこだけ、まだ冬なんだね…」
逆に、雪かきをする未来——
それはつまり、数日後には自然に溶けてしまう雪を、一生懸命片付ける未来。
「頑張ったのに、結局いらなかったやつ…!」
どちらを選んでも、なんだかモヤモヤするこの状況。
果たして、どうするべきなのか…。
……と、その時!!
「バチバチバチッ!!」(雷のような音)
突然、目の前に 未来の私 が現れた!!!
未来の私:「ダメだ! ここで悩んでる暇があったら雪かきをしておけ! さもないと…!!」
私:「えっ!? どうせ雪は溶けるんじゃ…?」
未来の私:「甘い! 確かに雪は溶ける…でも、その前に! その前に!!」
私:「その前に…?」
未来の私:「春になっても家の前だけ氷の塊が残って、みんな滑って転ぶ! ご近所の視線が痛い! そして、ついには『氷帝の館』と呼ばれることになるんだ…!」
私:「そんな…!」
未来の私:「だから今すぐスコップを手に取るんだ! 後悔する前に!」
私:「……わかった、未来の私、ありがとう…!」
こうして、私は雪かきをすることを決意したのだった。
—— 未来を変えるなら、今のうちに雪を片付けよう。