ちびっこうべ ワークショップ③
8月25日(土)デザイナーチームワークショップ「ロゴマークをつくろう」後編です。
この記事はぼくが参加する子どものためのワークショッププログラム
「ちびっこうべ」の連載記事です。
http://kiito.jp/chibikkobe/
自分が子どもの頃にあったらどんなによかったか!という、この素晴らしいプログラムのことをもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思い、そのワークショップのスタートからゴールまでを書いています。
本日の課題は
子どもたちがたくさん描いてくれたラフ案のなかからアイデアをひろい上げ、ひとつにまとめて完成させる。
です。このまとめる行程が毎回難しいのです…。
デザイナーの仕事ぶりを体感してもらう
まずはラフ案を一旦ぼくが持ち帰り、すべてデータ化し整えました。
ご覧のような感じに。バランスや色などはこちらで調整しています。
持ち込んだMacとプロジェクターを使って、簡単にではありますがIllustratorを使っての制作の過程もあわせてみてもらいました。
子どもたちに見せると「おお〜っ」という驚きの声。この「おお〜っ」が、たいせつなんですよね。自分の描いたラフがこんなふうに出来上がっていくんだ!ということを体感し、瞳が一層キラキラしはじめます。
このキラキラを浴びるためにワークショップをやっているといっても過言ではない、そんな瞬間です。がんばってMacとプロジェクターを運んできてよかった…(T T)
大人がどこまで関わるのか、という問題はつきもの。子どもに寄り添って見守ることはもちろんたいせつなのですが、時にこうして大人の持つ力(大人の本気)を見せてあげることで、より大きな可能性を感じてもらえるのではないかと考えています。
なぜ良いと思ったのかを言葉にする
こうして出揃った9案のアイデアを皆であらためて観察し、ここからそれぞれの良いところを選んで書き出していきます。
わかりやすく下記の3つのキーワードで絞ることにしました。
A 読みやすいか
B 覚えやすいか
C 楽しさ・美味しさが伝わるか
それぞれに自分で思う良いという案を挙げてもらい、なぜそれを良いとおもったのかを言葉にして書き出していきます。
この言葉にして書き出す=言語化することで、自分やメンバーの考えが整理され、全員が納得しながら進めていくことを目指します。デザインはちゃんと言葉でも説明できることがたいせつなんだよということを学んでもらえたでしょうか。
こうして3案まで絞りました。
組み合わせ方を考える
3つの案を合体させてみよう!ということで、まずは子どもたちに自由に考えてもらいます。
描き出してみると、そのまますべての要素を足し算していくだけではゴチャゴチャして見づらいということに気が付きます。
情報が多すぎるところはないか、複数の要素をひとつにまとめたり、もっとシンプルにできるところはないか、自然と工夫をこらしだす子どもたち。
また、この段階でお店のコンセプトや雰囲気に合ったものになっているかどうかも確認しながら整えていきます。
この様子をみて、「お絵かき」ではなくちゃんと「デザイン」してくれているな、と感じました。ちびっこデザイナーの誕生です、嬉しい。
全員の考えを見ながら、できるだけバランスも良くなるようにぼくからの意見も少し反映させてもらい、皆納得のいくかたちでまとまりました。
清書作業です。皆絵が上手くてほんと心強い。
あらためて、今回のロゴマークのことをことばにして書き出します。人に伝えるところまでがデザイン。うん、バッチリやね!
ということでできました、我が班のロゴマーク!
いかがでしょうか〜!
みごと2日間の作業で、皆の考えやアイデアがちゃんと反映されたものが完成しまた。すっごく良いものになったのではないでしょうか。
店名が決まり、ロゴマークも完成。建築家チームでも建物の構想ができたようですし、シェフチームも調理の腕を磨いてくれています。店として目指すべき方向性がより具体的に定まってきました。
次回は9月、そんなチームが全員集まる合同ワークショップです。いよいよお店のオープンに向け後半戦。
皆、それまでにちゃんと夏休みの宿題終わらしておくんやで〜!
【余談】
今回のワークショップ用に作った自己紹介シートです。子ども用に作り直しました。まずは自分が何者で、どんなことができる人間なのかをわかってもらうこと、これはとってもたいせつです。
こどもたちからは、すぐに「先生」と呼ばれてしまいがちなので、それでは学校と変わりません。ワークショップの場では「何かを教えてくれる人」から「一緒に何かをつくる人」に。もっと距離を縮めるためあだ名で呼んでもらうことも効果的。
実績の写真も子どもたちに馴染みのあるものを厳選しました。中でもやはりベネッセさん案件の認知度、説得力は絶大なんだなぁ…。親御さんに対しても効果大です。もちろんこの場ではちびっこうべの絵が一番反応良かったですけど。
上にも書いたとおり「おお〜っ」と思ってもらえることで、子どもたちの聞く姿勢は大きく変わります。そのためにまずは伝わりやすい自己紹介から。というお話でした。
どうぞ、街で見かけましたら「サタや〜ん」と声をかけてくださいませ。
ご覧いただきありがとうございます。
ちびっこうべについての記事は下記リンク先にまとめています。
< 前回の記事 ちびっこうべ ワークショップ②