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『見えない脅威』ペイロードレスマルウェアが個人情報を狙う!

あなたのコンピュータが感染する時、従来は怪しいファイルやプログラムが侵入するのが一般的でした。

しかし、最近ではファイルすら存在しない「ペイロードレスマルウェア」という新たな脅威が台頭しています。

この攻撃は、目に見えない形であなたの個人情報を狙い撃ちします。果たして、あなたのセキュリティ対策はこの脅威に対応できているでしょうか。

ペイロードレスマルウェアとは?その仕組みと特徴

ペイロードレスマルウェアは、従来のマルウェアとは異なる特徴を持ちます。

通常のマルウェアは感染させるためにファイルやプログラムをダウンロードさせる必要がありますが、ペイロードレスマルウェアはその名の通り「ペイロード」【注1】(つまり、攻撃用のプログラム)を持ちません。

・注1: ペイロード(payload)とは、サイバー攻撃において、実際に悪意のある動作を実行するプログラムやコードのこと。

代わりに、正規のシステムツールやスクリプト【注2】を悪用して攻撃を実行するため、非常に検出が難しいのです。

- 注2: スクリプト(script)とは、特定の動作を自動的に実行するプログラムやコードのこと。

ぺイロードレスマルウェアの感染経路:実際にどう侵入するのか

まず通常のウイルスやマルウェアは、何らかのファイルをダウンロードしてしまうことで感染します。

例えば、怪しいメールに添付されたファイルを開いたり、インターネット上でダウンロードしたプログラムを実行したりすることで、ウイルスがパソコンに入り込むという流れです。

しかし、ペイロードレスマルウェアは違います。

このタイプのマルウェアは、ファイルをダウンロードする必要がありません。では、どうやって感染するのかというと、例えば次のような流れになります。

1. フィッシングサイトに誘導される

悪意のあるリンクをクリックしてしまうと、正規のサイトに見せかけた偽のウェブサイトに飛ばされることがあります。

このサイトでは、何かをインストールするように見せかけたり、個人情報を入力させようとします。

2. システムの脆弱性を利用する

偽のサイトは、あなたのパソコンにすでに存在しているプログラム(例えば、ブラウザやオペレーティングシステム【注3】)の弱点【注4】を利用して、あなたの許可なく操作を行います。

例えば、特定のコマンドを実行させたり、悪意のあるスクリプトを動かすことができるのです。

・注3:オペレーティングシステム(OS)とは、コンピュータの基本的な動作を制御するソフトウェア。

・注4: 脆弱性(ぜいじゃくせい)とは、ソフトウェアやシステムの中に存在するセキュリティ上の欠陥や弱点。

3. バックドアを作成する

ペイロードレスマルウェアは、目に見えない形でパソコンに入り込み、攻撃者が後で自由にアクセスできる「裏口」(バックドア)【注5】を作ります。

このため、特に目立った変化がなくても、攻撃者はあなたのパソコンを遠隔操作することができるようになります。

・注5: バックドア(backdoor)とは、通常の認証手続きを回避してシステムにアクセスするために用意された裏口のこと。

4. データの盗難や監視

このようにしてパソコンに入り込んだマルウェアは、あなたが気づかないうちに個人情報を盗んだり、行動を監視したりすることができます。

こうして得られた情報は、悪用されたり、他の犯罪に使われたりする恐れがあります。

被害事例とその影響:見えない脅威の実態

ペイロードレスマルウェアによる被害は、すでにいくつか報告されています。

あるケースでは、企業の従業員が受け取ったメールに含まれたリンクをクリックしたことで、知らぬ間にマルウェアが仕込まれ、数百万件の個人情報が漏洩しました。

このように、気づかぬうちにデータが盗まれ、重大な被害をもたらすのがペイロードレスマルウェアの怖さです。

家庭でできるセキュリティ対策:今すぐ実践すべきポイント

この脅威に対抗するためには、いくつかの基本的な対策を講じる必要があります。

まず定期的なソフトウェアの更新を欠かさず行い、システムの脆弱性を可能な限り低減することが重要です。

また怪しいリンクやメールには決して応じないこと、そして二要素認証【注6】を設定することで、セキュリティを一層強化しましょう。

・注6: 二要素認証(2FA)とは、パスワードに加えてもう一つの認証要素を使用することで、セキュリティを強化する方法。

企業や個人に求められる最新の防御策

企業や個人がペイロードレスマルウェアから身を守るためには、従来のセキュリティ対策だけでは不十分です。

最新のエンドポイント検出・応答(EDR)【注7】ツールや、ゼロトラストセキュリティ【注8】モデルを導入することが推奨されます。

・注7: エンドポイント検出・応答(EDR)とは、端末でのセキュリティ脅威を検出し、対策を講じるための技術。

・注8: ゼロトラストセキュリティとは、システム内部外部を問わず、すべてのアクセスを疑い、常に認証を行うセキュリティモデル。

これにより、通常の操作に見せかけた不正行為を即座に検出し、被害を最小限に抑えることができます 。

まとめ

ペイロードレスマルウェアは、ファイルを伴わないため、従来のセキュリティ対策では容易に見過ごされがちです。

しかし、この新たな脅威に対応するためには、システムの更新や最新のセキュリティツールの導入が不可欠です。

今すぐ、あなたのセキュリティ対策を見直し、この見えない脅威から大切な情報を守りましょう。


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