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第95回アカデミー賞各部門ノミネート予想【1/22時点】

みなさんこんばんは。
数日でノミネート発表があるということで全部門の予想をしてみます。

作品賞

◎『イニシェリン島の精霊』
◎『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
◎『フェイブルマンズ』
◎『TAR ター』
◎『エルヴィス』
○『トップガン マーヴェリック』
○『バビロン』
『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
『Aftersun』

 批評家賞を独走している『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、それを追走する『イニシェリン島の精霊』、そしてGGドラマ部門を制した『フェイブルマンズ』この3作品の争いでしょう。当然ノミネートから外れることはあり得ません。
 抜群の評価を得た『TAR ター』と評価はよくはないがアカデミー賞らしい華やかさがある『エルヴィス』の2作品も盤石と言えます。正直『エルヴィス』がここまで粘るとは思いませんでした。
 今年一の高評価となった『トップガン マーヴェリック』は娯楽映画の続編という点、映画界を描いた華やかな大作『バビロン』は評価が伸び悩んでいる点がそれぞれ気がかりです。
 『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』は話題性の面からみても可能性は高いですし、評価もそこそこですが、続編娯楽映画では既に『トップガン マーヴェリック』があるのでどうでしょう。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は文句なしの評価ですがここにきて失速している感があります。入ってほしいですが…
 去年の『コーダ』のようなインディー映画枠として『Aftersun』を予想しましたが自信ないです。実は先日鑑賞し、素晴らしいとは思ったのですがいかんせん規模が小さすぎるんですよね。
 『ナイブズ・アウト : グラスオニオン』は強いですがそうなると続編映画が多すぎるんですよね。外国映画枠として勢いのある『西部戦線異状なし』『RRR』、独自性のある『The Woman King』の方が現実的でしょうか。

監督賞

スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』

◎スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』
○ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
○マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』
○トッド・フィールド『TAR ター』
ジェームズ・キャメロン『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』

 流石の安定感でフロントを走るのは『フェイブルマンズ』スティーヴン・スピルバーグ。毎年のように候補にあがり昨年『ウエスト・サイド・ストーリー』でノミネートされたばかりです。それでもノミネートは揺るぎないでしょう。
 重要賞全てで候補入りしているのは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートで、受賞の可能性も大いにあるでしょう。
 同じく重要賞で全て入っているのは『イニシェリン島の精霊』マーティン・マクドナーで、作品の勢いからみてもノミネート落ちはあり得ません。
 『TAR ター』トッド・フィールドはGGを落としているものの、これまでの実績から考えて落ちることはなさそうです。
 最後の一枠はなんだかんだ『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』ジェームズ・キャメロンに落ち着きそうです。
 組合賞ではキャメロンを下して入ったのは『トップガン マーヴェリック』ジョセフ・コシンスキーでした。その可能性も十分にありますが、個人的に作家性という点からみるとキャメロンかなと思います。
 『エルヴィス』バズ・ラーマンもGGとCCに入っておりなくはないですが、上位陣を覆すほどかと言われるとそうではないと思います。
 それよりはBAFTAに入った『西部戦線異状なし』エドワード・ベルガー『別れる決心』パク・チャヌクの方がチャンスはありそうです。
 本当なら『ウーマン・トーキング 私たちの選択』サラ・ポーリーが入るべきですが、作品の勢いが急激に失速しており厳しいですね。女性監督では『The Woman King』ジーナ・プリンス=バイスウッド『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』マリア・シュラーダー『Aftersun』シャーロット・ウェルズも高い評価を受けていますが前哨戦で結果がでていないので厳しいでしょう。

主演女優賞

ケイト・ブランシェット『TAR ター』

◎ケイト・ブランシェット『TAR ター』
◎ミシェル・ヨー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
○ダニエル・デッドワイラー『Till』
ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King』
アナ・デ・アルマス『ブロンド』

 ここは『TAR ター』ケイト・ブランシェット『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ミシェル・ヨーの一騎打ちでしょう。GGでは二人揃って受賞、若干ブランシェットに勢いが出てきていますがまだ分かりません。俳優組合がみものですね。
 次いで重要賞全てで候補入りしてるのが『The Woman King』ヴィオラ・デイヴィスです。主演ではまだ受賞しておらず、黒人女性として二人目の受賞に期待がかかります。
 『Till』ダニエル・デッドワイラーは派手好みのGGこそ落としましたが組合賞でも無事候補入り。順当にいきそうです。
 組合賞で驚きの候補入りを果たしたのが『ブロンド』アナ・デ・アルマスでした。作品が酷評されたため一度落ちた勢いがここにきて復活気味です。本来トップ4の一角であった『フェイブルマンズ』ミシェル・ウィリアムズを追い落としそうです。ウィリアムズは助演なら楽々候補入りであるはずが、主演プッシュとなったため難しくなってきました。
 サプライズとしては『バビロン』マーゴット・ロビー『エンパイア・オブ・ライト』オリヴィア・コールマンが僅かに目を残しているでしょうか。

主演男優賞

ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』

◎コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』
◎ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』
◎オースティン・バトラー『エルヴィス』
○ビル・ナイ『生きる LIVING』
トム・クルーズ『トップガン マーヴェリック』

 ここはトップ4が君臨します。『イニシェリン島の精霊』コリン・ファレル『ザ・ホエール』ブレンダン・フレイザー『エルヴィス』オースティン・バトラー『生きる LIVING』ビル・ナイです。受賞はGGを受賞したバトラー、ファレル、CCを受賞したフレイザーが三つ巴の闘いを繰り広げています。
 残る一枠は『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズに落ち着くのではないでしょうか。
 サプライズとしては前哨戦で好成績を残した『ナイブズ・アウト : グラスオニオン』ダニエル・クレイグと組合賞でサプライズ候補となった『HUSTLE ハッスル』アダム・サンドラーでしょうか。でもクレイグはボンド役よりこっちでノミネートされるのは違和感があり、サンドラーもこっちより『アンカット・ダイヤモンド』で入ってほしかったんですよね。今じゃない感があります。

助演女優賞

ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』

○ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』
○アンジェラ・バセット『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』
○ジェイミー・リー・カーティス『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
ジェシー・バックリー『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
ホン・チャウ『ザ・ホエール』

 一番混沌としているのがこの部門です。重要賞全てに入っていてGGとCCを受賞しているのは『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』アンジェラ・バセットですが、MCUからの演技賞候補はこれまで前例がなくギリギリでしょう。もう一人重要賞をコンプリートしているのは『イニシェリン島の精霊』ケリー・コンドン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ジェイミー・リー・カーティスです。前者は正統派演技により難なくいくでしょう。後者は出番が限られること、功労賞的な表がどれほどかが読めないことが不安材料です。
 組合賞では『ザ・ホエール』ホン・チャウ『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ステファニー・スーが指名されました。チャウは『ザ・メニュー』との合わせ技が狙えるかもしれません。スーはカーティスとの票割れは避けられず少し厳しいかもですね。
 チャウのイスを狙えるなら『ウーマン・トーキング 私たちの選択』ジェシー・バックリーでしょう。勢いのある若手英国女優として昨年サプライズ指名されました。今回もサプライズ候補を目指しましょう。
 願望だと『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』キャリー・マリガン『ウーマン・トーキング 私たちの選択』クレア・フォイが入ってきてほしいです。
 

助演男優賞

キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

◎キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
○ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』
バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』
ポール・ダノ『フェイブルマンズ』
ブライアン・タイラー・ヘンリー『その道の向こうに』

 一番予想が簡単な部門です。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』キー・ホイ・クァンに決まっています。批評家賞、重要賞全てをコンプリート、向かうところ敵なしです。
 重要賞全てで指名を受けたのはクァンに加えて『イニシェリン島の精霊』ブレンダン・グリーソン、バリー・コーガンでした。この二人も候補までは間違いないでしょう。
 『フェイブルマンズ』ポール・ダノは組合賞、CCで候補にあがっており可能性はあるでしょう。個人的には無冠の名優になってしまいそうなので入れたいです。そして若手枠として『その道の向こうに』ブライアン・タイラー・ヘンリーを予想しました。重要賞では何一つ候補入りしていませんが、批評家賞ではがんばっていました。応援したいです。
 上の二人より安定した成績なのが『グッド・ナース』エディ・レッドメインです。組合賞、BAFTA、GGで候補入りしており一歩抜けているかなとは思います。実際素晴らしい演技ではあったのですが、既に主演で受賞しているので譲ってほしいな…
 『エルヴィス』トム・ハンクス『ウーマン・トーキング 私たちの選択』ベン・ウィショーも僅かに目を残しているとみています。ウィショーはダノと同じく素晴らしい演技をいつもしてくれるので報われてほしい。

脚本賞

『Aftersun』

◎『イニシェリン島の精霊』
◎『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
◎『TAR ター』
○『フェイブルマンズ』
『Aftersun』

 トップ4は固定ですね。批評家賞、重要賞で揃ってこの4作品は指名されてます。
 残り一枠はCCに入った『Aftersun』、BAFTAに入った『逆転のトライアングル』に絞られます。『Aftersun』が作品賞に入るとするとここは入る必要があるのでこの予想です。
 サプライズがあるとすれば批評家賞で粘った『NOPE ノープ』『別れる決心』でしょうか。

脚色賞

『ナイブズ・アウト : グラスオニオン』

◎『ナイブズ・アウト : グラスオニオン』
○『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
『生きる LIVING』

 前哨戦トップの成績なのは『ウーマン・トーキング 私たちの選択』ですが、BAFTAで漏れたことが気がかりです。
 次に成績がいいのは『ナイブズ・アウト : グラスオニオン』ですが、これもBAFTAで漏れています。しかし前作のことを考えるとあまり心配しなくてもよさそうです。
 CCとBAFTAの両方で指名されたのは『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』『生きる LIVING』『ザ・ホエール』でした。順当にいけばこのままですが、『ザ・ホエール』は作品評価が芳しくなく、それならば次点につけていて高評価、原作も超有名な『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』がくるかなと思いました。
 『ボーンズ アンド オール』がきたら面白いですが、流石にムリですかね。

国際長編映画賞

『西部戦線異状なし』

○『西部戦線異状なし』(ドイツ)
○『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』(アルゼンチン)
○『別れる決心』(韓国)
『CLOSE クロース』
『Joyland』(パキスタン)

 本命となるはずだった『RRR』が戦線離脱してしまったこの部門もなかなか混沌としています。絶対的フロントランナーがいません。
 BAFTAで最多候補となった『西部戦線異状なし』、GGで受賞した『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』、『RRR』に次いで受賞数の多い『別れる決心』の3作品の三つ巴と言えるでしょう。
 『CLOSE クロース』はBAFTAこそ落としたものの、GGとCCでしっかり入り、NBRでは受賞しています。
 残り一枠は前哨戦の成績では『EO イーオー』『Saint Omer』ですが、この部門はサプライズが起こりやすい傾向であるため、あえて『Joyland』を予想してみました。同性愛を扱ったパキスタンの作品で、個人的にとても観たいのでノミネートされてほしいです。

長編ドキュメンタリー映画賞

『All the Beauty and the Bloodshed』

○『All the Beauty and the Bloodshed』
○『ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦』
『ナワリヌイ』
『All That Breathes』
『Bad Axe』

 ここもノミネーションで批評家賞快走をみせていた『おやすみ オポチュニティ』が落選するという事態が起きました。
 とはいえダントツの成績トップは金獅子賞映画『All the Beauty and the Bloodshed』です。BAFTAで候補にあがり、NY、LAといった重要批評家賞で受賞しています。ただ、組合賞でまさかの落選となったのが不穏です。DGAではしっかり入っていたのですが…
 それに次ぐ成績なのが『ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦』で、重要賞にも入っています。
 『All That Breathes』も成績がよく、重要賞にも入っています。『ナワリヌイ』はそこまでいい成績ではないですが、今の情勢的に入りそうです。
 組合賞では『Retrograde』『The Territory』が入っていますが、最近の批評家賞でよくみる『Bad Axe』を予想してみました。

長編アニメーション映画賞

『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』

◎『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
◎『私ときどきレッサーパンダ』
○『Marcel the Shell with Shoes On』
『長ぐつをはいたネコと9つの命』
『アポロ10号 1/2:宇宙時代のアドベンチャー』

 受賞は『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』で間違いありません。よって候補漏れなどあり得ないですね。変化球ながらも抜群の評価を得た『Marcel the Shell with Shoes On』、そしてこれまた高評価であるピクサーの『私ときどきレッサーパンダ』も候補入りまでは間違いありません。
 ここにきて勢いのある『長ぐつをはいたネコと9つの命』もその地位を固めつつあります。
 5作品目はそれらに次いで成績のいい『アポロ10号 1/2:宇宙時代のアドベンチャー』を予想しましたが、重要賞では全く入らず厳しいかもしれません。
 それよりはCCとアニー賞に入った『ウェンデルとワイルド』、GGで入った『犬王』、PGAに入った『ミニオンズ フィーバー』の方が可能性は高いかもしれません。

撮影賞

『トップガン マーヴェリック』

◎『トップガン マーヴェリック』
○『エンパイア・オブ・ライト』
○『エルヴィス』
『バルド、偽りの記録と一握りの真実』
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』

 ここは『トップガン マーヴェリック』の独走状態で受賞まで突っ走ると思われます。
 『エンパイア・オブ・ライト』も重要賞ですべて候補入りしており確実でしょう。CCを落とした『エルヴィス』も組合賞ではしっかり入っており可能性は高いです。
 あとの2作品は組合賞にあがったものをそのまま採用しました。『THE BATMAN-ザ・バットマン-』はBAFTAでも候補入りしています。『バルド、偽りの記録と一握りの真実』はやはりイニャリトゥ作品ですから。
 批評家賞で善戦した『NOPE ノープ』やBAFTAに入った『西部戦線異状なし』『フェイブルマンズ』もある程度強そうです。

編集賞

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

◎『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
○『トップガン マーヴェリック』
『エルヴィス』
『TAR ター』
『イニシェリン島の精霊』

 ここは組合賞が発表されないとなんともですが、CCとBAFTAの両方に入った『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『トップガン マーヴェリック』『エルヴィス』は強そうです。その中でもCCを制した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最有力とみるべきかと思います。
 次いで前哨戦成績がよくCCで入った『TAR ター』も有力です。
 その次に成績がいいのは『Aftersun』なのですが、作品賞のことを考えると『イニシェリン島の精霊』が入った方がいいと思いこう予想しました。

美術賞

『バビロン』

◎『バビロン』
○『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』
○『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』
○『エルヴィス』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

 前哨戦成績トップ、重要賞でも全て候補入りしている『バビロン』がダントツのフロントランナーです。ともに重要賞をコンプリートしている『エルヴィス』も盤石でしょう。
 次いで成績が良くBAFTA以外の重要賞で入った『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を予想しました。
 ただ、同じくBAFTA以外の重要賞で入っている『フェイブルマンズ』とどれかが入れ替わる可能性もあります。
 BAFTAと組合賞に入った『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『THE BATMAN-ザ・バットマン-』『西部戦線異状なし』も可能性を残しています。

衣装デザイン賞

『エルヴィス』

○『エルヴィス』
○『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』
○『バビロン』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『ミセス・ハリス、パリへ行く』

 ここは組合賞がまだのため分かりませんが、前哨戦成績上位の『エルヴィス』『バビロン』、そしてCC受賞の『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』は強そうです。
 またマルチバースで多様な変化をみせる『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、衣装そのものが見もので評価もいい『ミセス・ハリス、パリへ行く』を予想しました。

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』

◎『エルヴィス』
○『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
○『バビロン』
『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』
『アムステルダム』

 ショートリストから『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が漏れたことが驚きだったこの部門ですが、CCで勝利し組合賞にも入っている『エルヴィス』が一応のフロントランナーでしょうか。
 次いで重要賞にすべて入っている『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が追いかけます。
 そしてCCと組合賞の両方に入っているのが『バビロン』『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』です。
 批評家賞を多くとっているのは『ザ・ホエール』なものの、組合賞で候補漏れしており危うい状況です。それなら他の部門での候補入りが厳しそうな『アムステルダム』が入るかもと予想します。
 ショートリストにサプライズ入選した『Crime of the Future』がきたら面白いんですが…

視覚効果賞

『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』

◎『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』
○『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
○『トップガン マーヴェリック』
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』

 ここはもう決まっていますよね。ほとんどの賞を制しているのが『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』で、受賞も間違いないでしょう。
 実は二番目に成績がいいのは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』なのですが、ショートリストからもれてしまったのが残念です。
 批評家賞での成績もよく重要賞でも全て候補入りしている『トップガン マーヴェリック』、批評家賞ではほとんどあがらなかったものの重要賞ですべて候補入りした『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が続きます。
 次いで成績がいいのが『RRR』だったのですが、こちらも漏れてしまったので組合賞に入った大作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』を予想します。
 独創的な視覚効果だった『NOPE ノープ』がきてほしい気持ちはあるものの、この部門は結局娯楽映画や続編大作で占められることが多いんですよね。『エクス・マキナ』(2016)は例外中の例外ですよね。

作曲賞

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

◎『バビロン』
○『フェイブルマンズ』
○『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
『イニシェリン島の精霊』

 ここも『バビロン』で決まりな気がします。批評家賞での成績やGGでの受賞を考えても一歩抜けています。
 二番手につけていた『THE BATMAN-ザ・バットマン-』がショートリストから漏れたため、それに次ぐ『フェイブルマンズ』『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が入るでしょう。前者はBAFTAを落としていますが、ジョン・ウィリアムズというネームバリューがあります。
 続いて成績のいい『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『イニシェリン島の精霊』が順当に入ると考えます。前者は当初フロントランナーと考えられていましたが作品の勢いが弱くなるとともに失速した感があります。
 ここにだけショートリスト入りした『ディヴォーション : マイ・ベスト・ウィングマン』『ドント・ウォーリー・ダーリン』が不気味な存在ではあります。

録音賞

『西部戦線異状なし』

◎『トップガン マーヴェリック』
○『西部戦線異状なし』
○『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『バビロン』

 ここも『トップガン マーヴェリック』で決まりつつあります。ほぼ全てで受賞をしています。
 批評家賞では『エルヴィス』『NOPE ノープ』が強かったものの、ショートリストに入らなかったため難しくなってきました。
 受賞はないものの、ほぼ全てで候補入りしている『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』はきそうです。また、この部門は戦争映画が強いため『西部戦線異状なし』は可能性が大きいでしょう。
 残りはいくつかの批評家賞で入っている『バビロン』、そして作品力という点で『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』かなと予想します。

歌曲賞

「Naatu Naatu」『RRR』

◎「Naatu Naatu」『RRR』
○「Ciao papa」『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
○「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』
○「Lift Me Up」『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』
「Applause」『Tell It Like a Woman』

 間違いなく今一番勢いがあるのは「Naatu Naatu」『RRR』です。作品賞候補も見据えた強大なキャンペーンが行われていると言われていますが、正直作品賞候補は難しい。それならばこの部門で投票する人が多いはずです。実際CCとGGの両方を制し堂々たるフロントランナーです。
 ここで強いのはヒット曲かディズニー映画の主題歌で、それにあてはまるのがビリー・アイリッシュの「Nobody Like U」『私ときどきレッサーパンダ』でした。しかしまさかのショートリスト漏れとなりました。
 また近年は「ダイアン・ウォーレン作曲の歌は必ず入る」というのも鉄則になってきました。数々の大ヒット曲を生み出しながらも未だに無冠のダイアン・ウォーレン、現在2017年「Stand Up for Something」『マーシャル 法廷を変えた男』から昨年の「Somehow You Do」『フォー・グッド・デイズ』まで5年連続でノミネートされています。2018年「I'll Fight」『RBG 最強の85才』以外はこの部門のみのノミネートですから、いかにそのネームバリューが強大か分かりますよね。そんなわけで今年もダイアン・ウォーレン作曲の「Applause」『Tell It Like a Woman』は確実に入るでしょう。映画自体は全く聞いたこともないんですが。
 残りは前哨戦成績のいい「Ciao papa」『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』「Lift Me Up」『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』かなと思います。後ろ二曲はレディー・ガガ、リアーナという世界的歌姫の曲ですし。
 その意味ではテイラー・スウィフトの「Carolina」『ザリガニの鳴くところ』も強いはずで、一応CCとGGで候補に入っていますが、作品評価が伸びなかったのと批評家賞ではほぼ無視されたので厳しいかと思います。

短編実写映画賞

『真冬のトラム運転手』

『無垢の瞳』
『真冬のトラム運転手』
『天空の孤独』
『The Lone Wolf(O Lobo Solitário)』
『An Irish Goodbye』

 現在4作品しか観られていません。その中では『真冬のトラム運転手』がまあ面白かったですかね。
 観た4作品+BAFTAで候補入りした『An Irish Goodbye』を一応予想としてあげておきます。

短編ドキュメンタリー映画賞

『マーサ・ミッチェル-誰も信じなかった告発』

『迷惑なクマ』
『マーサ・ミッチェル-誰も信じなかった告発』
『Stranger at the Gate』
『38 at the Garden』
『American Justice on Trial: People v. Newton』

 15作品中8作品を鑑賞しました。その中でよかった3作品+スポーツもの+社会派ものをここにあげておきます。

短編アニメーション映画賞

『Ice Merchants』

『Ice Merchants』
『ぼく モグラ キツネ 馬』
『Steakhouse』
『Black Slide』
『More than I Want to Remember』

 6作品を鑑賞しました。去年の『Bestia』のような推しがまだ見つからないですね…
 強いて言えば『Ice Merchants』は感動的でなかなかよく、『Steakhouse』はクセが強く印象に残っています。

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