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6種と10種の違いは?犬ワクチンの思考整理(主にレプトスピラについて)

病院でワクチンを打ちますよー。って時に本当によく聞かれる質問。

どっちを打つか?を最終的には飼い主さんに意思決定してもらう。

個人的には10種を打つ方がメリットが大きいかなと思ったりするのですが、アレルギーなどを気にする飼い主産も増えている印象。

違いを説明してると、いつも長くなってしまいメリットデメリットがちゃんと理解してもらえているのかな…?とふと思ったので、自身の知識の整理も兼ねてnoteに残しておこうと思いました
※一獣医師の私見に過ぎず、これが統一見解であり、正解だ!という訳では全くないのであくまで参考程度としてください。

まとめるとこの4つが要点になってきそう。

①10種と6種の違い 10-6=4ではない
②レプトスピラって何?
③リスク高めの生活かどうか
④ワクチンの効果の持続期間について

①10種と6種の違い 10-6=4ではない

6種は6つの感染症を予防できて、10種は10つ。
だから10種は4つ感染症を多く防げるんだ!ではないということ。

具体的にいうと4つは全て「レプトスピラ」という1つの感染症に関連しています。

このレプトスピラにはインフルエンザと同じようにA型、B型みたいなのがあってその型が4つ分入っている。というのが10種と6種の主な違いになってきます。


②レプトスピラって何?

じゃあそのレプトスピラって何よ?が次のポイント。

レプトスピラは主にネズミの尿、もしくはネズミがおしっこをするような場所の水たまりとかからもらう病気。
水場などでもらう機会が多く「水系感染症」なんていわれたりもします。

かかってしまった場合には、細菌なので抗生剤などを使って治療をするのですが、急激に症状が進むケースも多く、黄疸、血尿、腎肝不全などからDICなどに移行し命に関わることにも十二分になりうる危険な感染症です。

おそろしや、ネズミ。


③あなたの生活はリスク高め?

次に聞くのが生活のスタイル。

・水辺などがよくいくお散歩コースに入っている
・下が土のドッグランとかによく出かける
・キャンプなど家族で出かけることが多い
・西日本に出かけることが多い

この辺りの項目に当てはまる生活スタイルの子であれば、通常の室内飼育に比べて感染のリスクが高いかな?と思うので、特に10種などレプトスピラの予防をするのをオススメする。

レプトスピラは人間ももらう可能性のある病気なので発生すると国に提出する必要があります。

毎年数百件とか起こるめちゃくちゃメジャーな感染症!ってわけではないですが、太平洋側〜西日本にかけて割とコンスタンスに発生が見られる感じ。

この病院さんが本当に詳細にまとめていたので興味ある方はぜひ。
引用:https://www.wandream-vet.com/consultation/vaccine/column_01.html

④ワクチンの効果の持続期間について

最近はWSAVAのワクチネーションガイドラインなどがだいぶ周知されてきており「ワクチンって毎年打たなくていいんでしょ?」と聞いてくる方が増えてきました。

ただ、レプトスピラのワクチンに関しては基本的には毎年の接種になると思います。
理由は不活化ワクチンだから。

ワクチンには「生」と「不活化」の2種類があり、複数年効果が期待できるのは「生」ワクチンになります。

不活化ワクチンの効果は基本的に1年程度しか持たないため、毎年の接種が必要になる。というわけですね。


ここにまとめた内容が誰かが自分のワンちゃんのワクチンを考える上でのヒントになってくれたら嬉しいです!

では、また。

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