時代は「カウチポテト族」から「ラッコ族」へと《進化》を促した
15年ほど前にアメリカで買った3人掛けソファがかなり擦り切れてきたので、買う買わないはともかく、いくらぐらいするかな、と「家具のアウトレットセール」に出かけました。
家族数が少なくなったので2人掛けか2.5人掛けで十分のはず、と言うと、同居人は即座に《却下》しました。
「だめよ、それじゃ横になれないじゃないの!」
《再勉生活》を送っていた1990年代前半、「カウチポテト/カウチポテト族」なる言葉をよく聞きました。
(うーむ、このマガジン、しばらく更新していないな……)
《死語》になっているかもしれないのでWikipediaの解説を引用すると:
当時のカウチポテト族が見ていたのは、主にテレビだった。このため、多くはソファ(カウチ)に一応、座り込んでいた(寝そべったらタテヨコ逆転で観にくいからだ)。
しかし、スマホの普及により、カウチポテト族は現在、大きな《進化》を遂げている。
多くはソファの横方向に仰向けで寝そべり、体の上にスマホやタブレットを置き、YouTubeなどの動画を眺めたり、ゲームに興じている。
ある日、あなたも気付くだろう ── 配偶者が、娘が、息子が、── いつの間にか海獺へと《変貌》していることを!
もし、テレビとスマホ/タブレットを比較して、後者を電子機器における《進化の結果》と考えるならば、《ラッコ族はカウチポテト族の進化形といえるでしょう。
(なんだかポケモンみたいですが……)
この海獺、短編小説『進化』にも書きましたが、米国の輸出禁止政策と絶滅危惧種指定により、国内の水族館には、わずか3頭になってしまいました。
そこで、お願いです:
あなたの家に《ラッコ族》から本物の海獺に《進化》を遂げた家族、いや元・家族がいたら、ぜひ近隣の水族館にご寄贈いただきたい。
さて昨日、短編小説『進化』の最後に、鳥羽水族館のかわいらしいラッコ・メイちゃんの動画を埋め込もうと思ったのですが……
マジメな読者が、
「あのメイちゃん、元はニンゲンだったの?」
「いくら『元』でも、働かせ過ぎじゃないの?」
と水族館に問い合わせや抗議の電話をかける事態となり、
水族館側も、
「ウチにいるラッコは元・ニンゲンではありません!」
と記者会見する騒動になってはいけないので、取り止めることにしました。
ま、この記事はエッセイ(?)だからいいでしょう:
いつの日か『ラッコ族』がWikipediaの項目になったら、この記事が引用されるかな?