蓼科高原から静岡長泉町のベルナール・ビュフェ美術館まで友に会いに…
蓼科で北八ヶ岳ロープウェイに乗り、日本一標高が高い(それがどうした、と思わないでもないが)水族館に行き、新蕎麦をいただく、というかなり詰め込んだ日の翌日は、旅に参加した内の4名でゴルフクラブを振り回した。
当初の予定はラウンド終了後に自宅へと引き返すつもりでしたが、Old Friend が静岡県の長泉町で療養生活をしていると知り、お見舞い方々、足を伸ばすことにしました。
(Old Friend:老いた友人ではなく、旧友)
韮崎から、中部横断自動車道に乗り換え、南へ。
この街道(とあえて言おう)は下部温泉から身延山を通り、(ちびまる子ちゃんの故郷)清水へと向かう。
さすがに約3時間のドライブで、友人との待ち合わせ場所である長泉町の『ベルナール・ビュフェ美術館』駐車場に着いた時には運転手は疲れ果て、
「クルマの中で昼寝してるから」
ということで、私ひとり、美術館のカフェに出かけました。
恥ずかしながら、それまでベルナール・ビュフェなる画家を知らず、
(ここはビュッフェとなにやら美術の融合した館なのであろうか?? アポ場所のカフェはバフェ形式ということか???)
と謎の期待を抱いていた。
高速を降り、長泉町を北西に移動していくと、やたら『スルガ銀行』の文字を見る。
この辺り一帯の土地はかつてスルガ銀行の創業家が保有しており、『ベルナール・ビュフェ美術館』も『井上靖文学館』もスルガ銀行関係のコレクションなんだとか。
せっかくこうした機会がありながらも、友人とずっと越し方行く末などを駄弁っていたので、美術館にも文学館にも入らずじまいでしたね。
この美術館はかなり公共交通不便な地にあり、わざわざここまで足を運んで付属のカフェには入ったけれど入館はしなかった、というのは珍しい客かもしれない。
彼はこの先もこの地で療養するということなので、再び訪れることもあるでしょう。
その夜は沼津で地元で揚がったネタでお寿司をいただき、清水に宿泊しました。
翌朝は、11月中旬にもかかわらず、未だまったく雪をいただいていない富士を仰ぎました。
東京からもはるかかなたに富士が見える場所がいくつもありますが、もちろん迫力も美しさも比べ物になりません。
家康が晩年駿府ですごした理由は、間違いなくこれですね。
江戸からそのミニチュアを見るにつけて、
「こんなんじゃないぞ……」
とつぶやき続け、幼き頃に毎日仰いだ富岳の麓に帰りたかったのでしょう。