
明るい化学者も(たぶん…)いる
さてさて、若かりし頃に日本化学会の学会誌に書いた小説(と言い切っていいのか……)を再掲したところ:
ぺれぴちさんからコメントをいただきました。
明るい化学者はいないんですね😆
この疑問はもちろん、「小説」中にこんな記述があるからです:
「子供たちがこんな人になりたい、と憧れる主人公でなければ困ります。やはり、明るい人柄でないと」
「え、明るい化学者? うーむ」
それは、百メートルを9秒79で走る亀、と同じくらい想像し難い。
「では、あなたの大学に、明るい化学者がいますか?」
彼女はしばらく沈黙した後、小さく舌打ちをして首を横に振った。
学会誌編集委員会の先生方がお怒りになったのもこの点だったようです……そりゃ、そうだわね。
そもそも私に執筆依頼をされた先生は、こんなことも話されていました。
「大学では応用化学系の人気がないんです。学生が半導体や情報系に進みたがる。だから化学会には危機感もあって、今回の特集『21世紀の化学に期待する』も、若い世代に夢を持ってもらいたい、という意図があるんです」
私が学生だった頃、既に化学系学科の人気は工学部の中で下の方でした。「公害」問題の影響で、暗いイメージになってしまったからです。
なるほど、化学者はイメージが悪い ── これを『逆説的に』ネタにしよう ── そう考えての記述だったのですが……
……より悪くしちまったかな……?