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借金返済中に負傷

短い創作小説を書いているのですが、タイトルとストーリーは決まっているので、あとは書くだけ……Take it easy!── と思っていたのに、なかなか進まない。

今週半ばにはアップと思っていたけれど、オチがなかなか……週末までにはなんとかしたいものです。

さて、大晦日に書いた記事の中で:

暮れに向かって途方に暮れているのは、そして同居人からチクチク言われているのは、『月イチCooking』義務が11月、12月と果たせていないからで、借金をかかえて大晦日まで来てしまうと自暴自棄 ── いや、さすがにもう諦め気味です。

この記事にぺれぴちさんからコメントをいただきました:

借金は大晦日を過ぎればチャラになるんですよね😆

ぺれぴちさんより

江戸時代は確かにツケ払いが一般的であり、お盆や大晦日にツケの清算を行っていました。けれどこれは、大晦日に借金がチャラになるわけではなく、
「大晦日には払えよ!」
ということなのです。

拙宅も例外ではなく、年末年始の客が去った後、さっそく言われました。
「月イチで料理することになっていたけど、11月分と12月分はいつやるの?」
耳が遠くなったふりをしますが、何度もは通用しない……。

「よおおおーし! じゃあ、今夜、11月分を!」

スーパーの肉売り場に行くと、やはりラム肉の顔色をうかがってしまう。この日は珍しくラムチョップがあり、かねてより課題として設定していた骨付きラムの煮込みをやろうか、とかなり迷いましたが、けっこう脂量が多く、その昔、『顔が羊』になったことがある私としては、もっと良質の骨付き肉が出て来るその時まで見送りたい。
その隣には新鮮そうな牛のスネ肉 ── スネ肉ってどうしてこんなにうまそうなのに安いのだろうか?
(ちなみに私は、松阪牛霜降りやら飛騨牛A5級などをまったく美味しそうと思わない部族の長であーる)

こういう時は安易にカレーに流れてしまいますね。
いやあ……確か昨秋にも。
スネ肉を買った後はナンも買う……この道はいつか来た道~🎵。

スネ肉(今回は価格まで撮影)、タマネギ、ニンジン、シメジ、……
ここでやめときゃ良かった……
(当然ながら)カットしますわね……
ニンジンはタマネギの下に……

スネ肉を炒めて煮込み、タマネギとニンジンを加え、まあこれでいいかな、と思ったけれど、ジャガイモ君について悩んだ。
私がカレーを作るようになったのは、高校時代の部活(ワンゲル)のキャンプ料理からだ。いや、小学生時代からYMCAの子供キャンプに行っていたので、その時もカレーを作ったはず。当時カレーに入れる野菜と言えば、タマネギとニンジン、そしてジャガイモが大三元で、この三者が揃って初めて役満だった。
ところが、最近市販のカレールウを見ると、ジャガイモは出ていないようだ。今回使う商品もそうである。
── うーむ、どうするべきか?

しかし、ちょうど芽(目?)の出かかったジャガイモが3個、私に流し目をしている。可哀そうに、しばらく放っておかれたのだろう……オジサンが可愛がってあげよう。

ジャガイモも参加した

しかし、私は包丁でジャガイモの皮を剝くのが非常に苦手であり、ピーラーを使ってかなり生産性の低い剝き方をしていたら、生産性のみならず、ジャガイモを持った右手の人差し指を切ってしまった。爪も割れた。

借金の返済で揉めたあげく刃傷沙汰になる、とは稀に聴く話だが、身の上に降りかかるとは思ってもみなかった。

タマネギって、すぐ溶けてしまうんですよね……
いただきます……

私の父はカレーの中で『ビーフ』を最上位に置いていた。ある時代を生きた日本人はそうなのだろう。カレーに限らず、『ぎゅう』が肉の中で一番贅沢だったのは間違いない(鯨肉が安かった時代と重なるのかな)。

はっきり憶えていないが、どこかでカレーを食べた後、彼が馬鹿にしたように、
「鶏肉だったけどな」
と言ったことがあった。
そこで私が、
「まあ、でも、本場インドのカレーは鶏肉ばかりですよ」
と言ったら、
「本当か?」
「だって、豚は不浄の肉だし、牛は聖なる動物ですから。鶏か羊だけど、ほとんどチキンですね」
「……そうなのか」
衝撃を受けていた。

父は、彼が受けた特殊な教育から、価値観は人類共通(というより、彼自身の価値観が常に正しい)、と信じているふしがあったが、亡くなる数年前から『価値観の多様性』を徐々に受け入れるようになった。

借金返済目的のカレーを食べながら、そんなことを想い出す。

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