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ホラーって何だろう? 『オトナの童話』部門ってどうでしょう?

何かと批判が多い大阪・関西万博に連動して書き始めた物語が2万字を超えたので、創作大賞に応募しようかな、と思い立ったのは7月に入ってからのことです。
実はもう少し重層構造の物語にしたかったのですが、これまでかなり時間がかかっているし、理想はいいけど100点目指して提出できない答案より、85点で時間内提出の方がいいかな、と腹を括りました。

さて、と頭をひねったのが、
「一体、どの部門なんだろう?」

小説の応募ジャンルは、
・ミステリー小説部門
・ホラー小説部門
・恋愛小説部門
・お仕事小説部門
・ファンタジー小説部門

の5部門です。このほか、
・オールカテゴリ部門
もありますが。

さて、
ミステリーは推理小説(古い表現で探偵小説)ということでしょう。この話の中に推理的な要素はほとんどないな……。
恋愛もまったく出てこない。……というか、作者自体が恋愛は苦手な方で、それは結局、こまめに連絡を取ったり、緻密に嘘の整合性を……あ、いやいや、余談です。

そういえば、昨年も『ユウタくんシリーズ』の応募ジャンルに困り、苦し紛れにシリーズタイトルを『すぐそこにあるオシゴト』と変えてまで『お仕事小説部門』に応募しましたが(中間選考には残していただいたけれど)、ひとつのお仕事を描いているわけでもなく、明らかに場違いでしたね。

お仕事かあ……」
主人公はある種のロボット開発を行うわけだけど、それは導入部だけで、そのお仕事自体を描いているわけでもない。

ファンタジーじゃないの?」
基本的に私の創作には無干渉&無鑑賞の姿勢を貫く同居人に読んでもらったところ、いくつかの問題点を厳しく指摘した後で言った。
「え? ファンタジーって……定義は?」
「うーん……夢物語とか、異世界ものとか……」
どうやら、こちらもわかっていないようだ。

「うーむ。この定義によれば……」

超自然的、幻想的、空想的な事象を、プロットの主要な要素、あるいは主題や設定に用いるフィクション作品のジャンルである。

Wikipedia「ファンタジー」とは

「……『目玉』は、超自然的でもないし、幻想的でもないな。かなり現実的なフィクションだし……」

となると、残るのは『ホラー』ということになる。
「じゃあ、ホラーってなんだろう? これもWiki先生に尋ねてみようではないか……」

ホラー小説は、恐怖を主題として、読者に恐怖感を与えるため(恐がらせるため)に書かれた小説。恐怖小説あるいは怪奇小説などとも呼ぶ。

Wikipedia「ホラー小説」とは

「うーん、これも違うな……」
恐怖はこの作品の主題じゃないし、読者を恐がらせようとも思っていない。フツーの技術系会社員が開発したシステムが、この社会を変えていく……という……。

主題? じゃ、この小説の主題って何だろう?
うーん……それは、読んだ人がそれぞれ個別に思うことなんじゃないかな? 作者が「これが主題だ!」と言ったって、
「いや、あたしゃそうは思わない!」
という読者がいたら、それは彼女(の方にしよう)が正しい ── なにせ、時間をかけて読んでくれたのだから。

「この5つのジャンルに収まらない小説って多いと思うんだけど、どうしてこの5つ?」
このあたり、自問自答です。
「それは、この5つが売れ筋だからじゃない? スポンサーがついたのがこの5部門ってことでしょ?」

……なるほど。
では、この5部門に収まらないコト、イコール……

ま、ここで気を取り直して……
・ミステリー小説部門
・恋愛小説部門
・お仕事小説部門
・ファンタジー小説部門
『売れ筋』ってこと、わかります。
でも、
・ホラー小説部門
ってどうなんだろう?
怖いのが好きな人が読む? 恐怖を味わいたいから読む? うーん……。
確かにホラー映画は『悪魔のいけにえ』とか『エクソシスト』とか大ヒット作がある。でもそれは、ストーリーというより、視覚効果と音響効果がかなり大きいように思う。
怪談も、ストーリーだけでなく、話し方やヒュードロドロのような音響がかなり効いているんじゃないかな。稲川淳二なんてほとんど死神のような顔で話していた。

そうか、『怖いもの見たさ』なんだ!
『見せる』ことが重要なんだ!
他の部門以上に視覚効果が重要 ── だから、ストーリーより描写が重要なのかもしれない。

確かに、例えばスティーヴン・キングの『シャイニング』は非常に写実的だった気がする。『怪』が起きる以前の広大な屋敷や庭の描写を丁寧に書き込んでいた。それが、『怪』発生後に効いてくるのだ。

「うーん……オレ、描写は苦手だなあ……ということは……」

締め切りが来たので一番近そうな『ホラー小説部門』で提出しましたが、では、この5部門以外にどんな部門を創設して欲しいのか?……提案しなくては。

提案:

・『オトナの童話』部門

を創設して欲しい。

「ファンタジーってことじゃないの?」
違います。超自然的、幻想的な事象を扱ってはいません。
空想的っていう部分ですか? フィクションって、全て空想的な要素、入っていますよね。

今回の『目玉』もこのジャンルに入りそうだし、『ユウタくん』シリーズも、コメディ部門を創設していただくより、こちらの方がぴったりくる。

『隣の神さまシリーズ』は、完全にここにハマります(短編だけど):

実際に童話なんだけれど、子供向きではない作品もここに入る:

「でもさ、最初に戻るけど……その『オトナの童話』ってヤツ、売れ筋なの?」
「うーん……」

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