
お笑い芸人 【第七世代】の正念場
今週の『アメトーーク!』は、お笑い芸人の「第七世代、その後…」というテーマだった。
「第七世代」という言葉の生みの親とも言われる【霜降り明星】を筆頭に、第七世代の申し子【EXIT】、ほかに【宮下草薙】【四千頭身】を迎えてのスタジオ。
本来なら、【ぼる塾】【蛙亭】【ラランド】的な若手がいてもおかしくないはずだが、密にならないための人数制限で絞りに絞った4組だったのだろう。
非常に興味深かったし、とても面白い回だった。
そんな「第七世代」ではあるが…。
先日、こんな”叩き”記事を見かけた。
第3〜6世代ぐらいのベテラン・中堅芸人が存在感を示してきた…という記事。
アンガールズ・田中卓志
『呼び出し先生タナカ』
ウッチャンナンチャン・内村光良
『あしたの内村!!』
くりぃむしちゅーの上田晋也
『上田と女が吠える夜』
サンドウィッチマン
『ZOO-1グランプリ』
まぁ、確かに「逆世代交代」が起きている感は否めないか。
テレビ業界の風潮を含めて個人的に分析してみると…。
各局、49歳以上を切り捨てた「新Fコア」的な指標を示すようになり、若者向けに若者が多く出演するバラエティ番組を流し始めた。
この一番最初の成功例は、おそらく『有吉の壁』だろう。
俺も、
「ゴールデンでド直球のお笑い番組? グルメとか旅とかの情報は無し? 日テレ、勝負してきたなぁ…」
とスタート当初は思ったものだが、予想以上に番組は好調。
この成功を見た他局の編成マンが「ネタ番組…今ならゴールデンとかプライムでもいけるんじゃね?」となり、『新しいカギ』『ザ・ベストワン』『千鳥のクセがスゴいネタGP』『お笑い実力派』といったお笑い系のレギュラー番組が次々と立ち上がったたわけで。
それまで、情報が絡んでいたりしないレギュラーは、ほぼゴールデンで通らないような状況だったもんな…。
いわゆる「視聴者が見てタメになるようなネタ」が入っているかどうかってこと。
具体的には、旅・グルメ・動物・クイズ(インテリ)などなど。
で…そうした”新しい時代”のビッグウェーブに第七世代もライドオンしてみたわけだが…ものの見事に玉砕。
結果は芳しくなかったということで。
にしても、何がダメだったんだろうな?
記事の中ではダメだった原因がまるで分析されていない。
所詮は頭を使わない「こたつライター」の書く記事なので、現象をそのまんま報じているだけだから期待する方が間違っているか。
個人的に思うのは…
「まだ視聴者が第七世代を見慣れていないから興味を持てないんじゃ?」
というのがありつつ、最大のダメだった要因は
「話題になるような…爆発的な視聴率が取れなかった」
ことが「第七世代離れ」が起きている原因かと。
「何言ってんだ? 高視聴率を取れなかったから番組終わったんだろ?」との意見もあると思うが、別に自身がMCとして出演した番組だけに限った話ではなく。
ゲスト・レギュラー・準レギュラー…どれでもいいので、高視聴率の番組に出演していたかって話だ。
例えば、上記の記事からだと(サンドウィッチマンはともかく)
アンガールズ・田中卓志
→キモかわいいブームを巻き起こし、HGなどで高視聴率を得ていた『爆笑問題のバク天!』に出演
ウンナン・内村光良
→『ウリナリ』『やるやら』『イッてQ』はじめ高視聴率番組に出演
くりぃむ・上田晋也
→『ボキャブラ天国』ブームを筆頭に、数々の高視聴率番組に出演
誰もが高視聴率を取った番組にレギュラー出演している。
つまりは、そこで一度「全国的な認知度」を得ているわけで…。
サンドウィッチマンは『M-1』優勝で有名になり「爆発的な視聴率を獲得した番組に出演したことがあるわけじゃないけど認知度が高い」…という稀有な例かもしれない。
でも、東北への熱い想いを含め、好感度が抜群なところが人気者たる所以なんだろう。
そう考えると、第七世代は「ブーム」にはなったし、YouTubeでの再生回数はそこそこ回っていたりするけど、
テレビ番組で爆発的高視聴率を獲得した番組に出演していない
つまりは
認知度が低いままだし、面白さが全世代に伝わっていない
ことが衰退の最大の原因なんじゃないかな〜と思う。
ただ…こればかりは生まれた時代における不幸というか。
「もう、テレビで世帯視聴率が20%を超えるような【お化けレギュラー番組】は生まれない」
んだよね…(おそらく)。
そうしたことから、一部のファンや一部の世代には認知度はあるけど、ファミリー層を基準に考えた時に…特に若者カルチャーから遠のき始める年齢の30〜40代が第七世代を知らないし、知る機会が無い。
だから、冠番組なんて見ようと思わない…。
そこで取りこぼした起きていたんだと思った。
20%を超えるレギュラー番組…か。
スマホとかYouTubeなどのエンターテイメントが成熟してしまった時代において、【テレビの復権】はほとんど諦めに近い状態…。
なので、第七世代は「とにかくテレビに出続けて、世間的な認知度を上げる」ことに頑張るしかない。
悲しいかな、これって現実なのよね。。
敬称略。