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番組企画の「シンクロニシティ」は往々にして起こる

テレビ番組で…似たような企画が
全く関係の無い局・スタッフで
同時期に放送される…。
いわゆる「シンクロニシティ」の現象が
起きていました。


先日、8月11日に
日本テレビ系列で放送された
『遠距離宅配バラエティ
 オカンからの荷物です。』

新コロが蔓延し、
帰省しにくい子供のために、
母親が支援物資を子供に送る
…という企画趣旨のようで。
(番組を全て見てないので内容は想像)


そして、その2日後の今日!
8月13日にテレビ東京系列で放送された
『おふくろフリーズドライ●
 おふくろの味を世界へ届ける番組』

こちらは「料理」限定で、
母親の料理を海外在住の子供へ
届けるというものでした。


どちらの番組も、主軸コンセプトは

【母親の愛情のこもった
 “届け物”を子供に渡す】

という”感動モノ”です。
テレビ東京の方は、世界へ届ける…
というちょっと独自色が入っていますが。

見る人が見れば

「国内か海外かの違いで、
 企画の根本は似てる番組だね」

となります。
こうした似通った企画が同じ時期に
発射してしまうのは、本当に偶然の
パターンもあるのですが…。

実は、作家により

Aプロデューサーの企画会議で手応え無かったから、Bプロデューサーの企画会議に持っていったところ…Bプロデューサーの方で通って喜んでいたら!
実は興味が無いと思っていたAプロデューサーに後から食いつかれてしまい、どうにもならなくなってしまった。

というケースがごく稀にあります(苦笑)。
まぁ、その場合はどちらか一方の番組の
エンドロールで名前を外すとかしますけどね…。
(バレたら大変なことになる)

ただ、今回は日テレは
制作が中京テレビだし、
テレ東は制作が伊藤Pのチームで、
作家も別な人だったため
本当の偶然だとは思います。


でっ!!
今回に関してはちょっと
”悔しいこと”がありまして…。

実は……日テレでやった企画に近い
企画案を2年前の2020年に
考えついていたわけでして…。

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コンセプトも一緒!
新コロで帰省ままならない大学生や
新社会人などで上京している若者に、
お母さんから愛情のこもった宅配便を
届ける…というものです。

誰にも強制されない企画書のため、
書きかけのまま放置プレイしてました。
そしたら先にやられてしまったわけで…。
凄くもったいない。。


若い頃は、こうした現象に

「俺がやろうとしていたアイデアを先にやられてしまった!」

と悔しがったものですが、
作家としての経験を積むに連れ

「アイデア自体に価値は無い」


ということを思い知りました。
単に番組として実現させた人が凄いし偉いんです。

テレビ番組が企画書から、
実際に番組としてOAされるまでには
様々な【ハードル】があります。
企画内容の良し悪しだけではなく

「誰が演出するか?」
「どのチーム(制作会社)が作るか?」

など、総合的にジャッジされ、
最終的に編成部長が「面白そうだ」と
ジャッジして初めて現実に作られるわけで。
ただ、企画書だけ●●を見ているわけじゃないんですね。

それらの「要素」を全てクリアして
放送した番組だからこそ
マジリスペクトだし、
やりがいがあるってものなんです。

世の中に「やられていないアイデア」は
無いと思っています。
なので

1. アイデアの組み合わせ
2. 時代に合った出演者
3. 編成部への根回し

が、企画を通すために重要な
ポイントになっているんですね…。




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