Yoga meets handpan/癒しの場づくりに関する省察
Yoga meets Handpan について
7月17日 にYoga meets handpan と題した試みを行いました。ヨガをして、身体がリラックスしきったところでハンドパンの演奏を味わい、その余韻が残った状態でみんなでくるま座になって対話をする…。
そんなからだ、こころと向き合いメンテナンスする時間です。
実験的な試みで、手探りではありますが冒頭の感想をいただき、ある程度手応えもあり、とりあえずは継続しながら改良を重ねていこうと考えています。
Yoga meets handpan をはじめた経緯
筆者は普段、救急医として働いています。日々、救急車で運ばれてくる方々と接していて、ここまで重篤化する前に何とか出来なかったものか…と思いを馳せずにはいられない時があります。孫思貘の著作『備急千金要方』には「上医は未病の病を医し、中医は病まんと欲する病を医し、下医は既に病むのを医す」といった有名な句があります。この未病の考えに基づくと現代の救急医は、そもそも病んでいるところからしか介入出来ないので、どんなに頑張っても下医じゃないか。というどうしようもないモヤモヤがあります。
(無論、そこで介入しなかったら亡くなっていたかもしれない人々が一命を取りとめて、生きて帰っていく様をみるのは素晴らしい瞬間だし誇らしくもありますが…。)
「未病の病を医《いや》す」そのために知恵を振り絞りたい。
未病の病を医す。それが出来たら救急医の出番は減っていく事でしょう。①救急医療が必要になってしまった人々をどうしたら助けられるか。
②そもそも救急医療が必要になってしまう人々はどうしたら減らせるのか。この②つの視点を両輪として、僕は学んでいきたいのです。
その方法論として、僕が提供できるものはヨガインストラクターとしてはヨガ、ハンドパン奏者としては演奏、オープンダイアローグを学んできた知識として対話の実践、僕自身の体調のメンテナンス方法でもある読書。これらを組み合わせたら相乗効果が得られいい感じになるのでは…直感的には良さそう。そんな全部盛り試みです。
まずは、日々自分のからだやこころをメンテナンスして、からだやこころの変化に気づいてもらいたい。そして、自分というものは絶え間なく変化し続けていてより良い方向に変えていける事を知ってもらいたい。また、一人では気づけない事も人との繋がりの中で、気づいたり、チューニングが出来ることもある。車やスマホだって安全に最高のパフォーマンスを維持するためにメンテナンスに出したり、アップデートしたりする。人のからだやこころも同様だと思いますが、実際は疎かにしている人が多いように思います。または、不調はあるが原因がわからない、自力で治せる不調もあるといった経験を知らない人もいるのかもしれません。そういった方にもこの試みが不調を整えるヒントになればいいなと考えています。小さな体調の異変に気づけるとか、身体やこころが喜ぶ感覚を知ることで今の自分に必要な栄養だったり、行いだったり、そういったものを判断できるようになるとか、フラットな自分に還ってこられるそれぞれの方法をみつけていくのが理想です。入り口に過ぎない、些細な取り組みかもしれませんが、この小さな変化が後の大きな病を防ぐと信じています。
Yoga meets Handpanでやったこと
初回は①Yoga time ②Handpan time ③Open dialogue time ④Closing (本の紹介)の4部構成で行いました。
Yoga time
伝統的なハタヨガベースで初心者でも出来るポーズからしっかり身体を動かしていきました。太陽礼拝をベースに様々なアーサナ(ポーズ)を行っていきます。キレイなポーズを取ることよりも、自分のからだのどこが伸びているのか、または緩んでいるのか。からだや呼吸の感覚や変化を感じることに重きを置いています。
Photo by Raimond Klavins on Unsplash
Handpan time
ポーズの最後に、完全弛緩のシャバアーサナ(死体のポーズ)の状態のままリラクゼーションを行い、ハンドパンの生演奏を聴いていただきます。 そのまま寝てしまっても良いですし、音と身体の感覚に集中して瞑想をしても良い時間としました。参加者の何人かは秒で意識を失っていたようです。
Photo by Erinada Valpurgieva on Unsplash
Open dialogue time
フィンランド発の精神療法を応用した対話の時間で今日の感想のシェアリングや最近の関心事などを対話しました。ルールはシンプルに対話を続けて、違いを味わい、理解しようとすること。結論を出すことは目的とせず、人の話を聴くこと、また話すことを区別してそれぞれに集中することをポイントとしました。
Photo by Beth Macdonald on Unsplash
Closing (本の紹介)
最後の締めに、本の紹介をして終わりました。読書をしていると、ふと目にとまる、今の自分に刺さるフレーズ、キーワードが見つかることがあります。読書によっても人はチューニングが出来ます。
今回紹介したのは、
稲葉俊郎先生の いのちはのちのいのちへ
今回の試みともたくさん通じるところのある新しい医療についての言及があり、感覚を開く、開かれた対話、主体的な場などなど、僕の意図するところをイベント後に深めてくれる一冊と思ってご紹介しました。
そして、
ウジョーティカ著 魚川祐司訳 自由への旅「マインドフルネス瞑想」実践講義
ヨガや瞑想実践されている参加者の方も多かったので、瞑想の先を示す地図のような本である本書を紹介しました。瞑想で困ったら、瞑想に悩んだらこの本の中に大抵は答えがあります。
反省点・改善点・今後の展望
言語化しにくい。the 身体知。名前がつけられない。
参加してくださった方々は思い思いの言葉で、今回の試みで得た感覚を話して教えてくれましたが、この試み目的も得られる経験もとにかく言語化しにくい。ヨガでからだが変わる感じ、その研ぎ澄まされたからだでハンドパンの振動を感じる体験も、どう表現したらいいものか難しいです。対話の時間の良い雰囲気、心地よさも、具体的に何がどう効いてその心地よさが生まれているのか、なんとも説明がしがたいです。身体知、言葉には出来ないけれども、確かに感じるものがあります。それを伝えるとか、そんな言葉に出来ない試みをしているのでみなさんもどうですかといってもよくわからないですよね。そして、この試みは、ヨガクラスかというと違うし、ヨガイベントといっても違う。ヒーリングではあるけど、セラピーなのかはわからない…。上手い名前をつけたいものの名前もつけられずにいます。
拠点となる場もこだわりたい
今回は、スタジオレンタルのポータルサイトより吉祥寺のダンススタジオさんをお借りして行いました。とても素敵で落ち着いたスタジオだったので、ヨガや演奏にはピッタリだったのですが、本当はもっと場所にもこだわりたい。以前のnoteでも書いたことがありますが「場」そのものにもちからがあります。例えばお寺とか、心地よいカフェとか、ヨガやハンドパン、対話の時間の心地よさを最大限に引き出す場所をこだわり見つけて行きたいなと考えています。
継続性、連続性をもった試みに
また、一回きりで終わらせてしまうのではなく、細々とでも続けていくことでよりよい時間をつくれるよう洗練していけたらと考えています。
try & error、走りながら考える。反省を活かしてさらにいい時間をつくっていきます。
あとは、同じメンバーが集う場所というよりは、ある程度の流動性ももちつつ、最近のんびりできてないな、と思ったときに癒やされに帰ってこれる場としてこの試みが活きたらいいなと考えています。
次もやります。
と、いうことで続けていきます。よろしくお願いいたします。
次回は8/14@吉祥寺BLOCKON 16:15~
イベント詳細
16:00-開場
16:15-yoga time
17:30-handpan time
17:45-dialogue time
18:45 close
定員数:5-7名程
料金:Donation
※病棟の状況や救急医療の情勢によってやむなく中止になる可能性があります。
コメント、DM等でご連絡ください。