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【プロジェクト推進力】3ヶ月でDX計画をつくる方法 その2🌹

 DXとは、デジタル・トランスフォーメーション (Digital Transformation )の略で、企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを根本から革新する取り組みです。

 例えば、ファッションブランドZARAは、店舗とオンラインの連携を強化するオムニチャネル戦略を展開しています。顧客はオンラインで購入した商品を店舗で受け取ることができ、また店舗の在庫情報をリアルタイムで確認することができます。これにより、消費者はどこにいてもスムーズに買い物ができ、ブランドへのエンゲージメントが強化されています。

 企業にお勤めの方で「わが社のDX計画を作ってくれ」と言われたらどうします?

 私は、IBMという会社でコンサルタントとして、お客様の業務改革プロジェクトを70回ご支援し、IBMを定年退職してからは、独立して業務改革のコンサルティングや、プロジェクト推進のセミナーを行っています。

 今回は、「3ヶ月でDX(業務改革構想)をつくる」方法をご紹介し、その最初の「現状分析」の部分を詳しくお届けします🎈




⏩ 業務改革構想とは?

 企業が「今のままでは競合に負ける」「お客様の受注が縮小ぎみだ」「主力の製品が売れなくなってきた」と言った問題が出てきたと仮定します。

 このような問題を解決し、会社の体質・プロセス・組織などを見直して、必要な体質を変え、プロセスを変え、組織を見直す計画をつくることを、業務改革構想と言います。

 もし、あなたがプロジェクトチームに選ばれ、「3ヶ月で業務改革構想を作ってくれ」と言われたら、どうします?

  私が70以上のプロジェクトを成功させてきた経験から「業務改革構想立案」とは、このような活動を3ヶ月ほどかけることを提案します。

⏩ 3~4ヶ月で業務改革構想立案する例

 下図が業務改革構想立案する例です。 最初に「分析フェーズ」を2ヶ月、設計フェーズを1~2ヶ月かけて、問題を抱えている企業の業務改革構想を作ります。

 左の分析フェーズ全体と、現状分析は下の記事でご紹介しています。

 この記事では、その次の「構造的問題」を取り上げて、その方法をお伝えしますね🎈


⏩ 分析フェーズとは?

 どのように業務を改革するかは、現状を見える化することが重要です。 現状を示す事実が見えたら「何」を「どのように」改革するかの案を作り、それが正しい方向かを確認するのが分析フェーズです。

  • ⏩ 現状分析: 例えば商品の受注からお客様にお届けするまでのサプライチェーンプロセス改革の場合は、3つの現状を見える化します

    • node flow 部品・製品の「モノ」を仕入れ先から、お客様まで全ての流れを表現します

    • Lead Time構造:  市場の需要を予測し、長納期の部品を調達し、お客様の注文を受けてすぐお届けする、期間を図で表します

    • 業務フロー: お客様から内示や、注文を受けてから、商品をお届けするまで、どんな部門がどんな業務を行うかを、時間とともに行う業務の流れを表現します

  • ⏩🎈構造的問題: 各機能(営業・受注業務・生産・調達)で現在顕在化している問題を関係部門長が集まって議論した根っこの問題

  • ⏩ 改革ポイント仮説立案: 目指す方向をVisionとして定義し、そのVisionを実現する上で「何を」「どのように」変えるかを、仮の案(仮説)をつくります

  • ⏩ 仮説ヒアリング: 作った仮説を、関連部門や社外(お客さまや仕入れ先)にインタビューして、仮説が正しいか、意見を聞きます

  • ⏩ 関連部門長との価値観共有 : 立てた仮説と、そのインタビュー結果を、全機能の部門長を集め、情報を共有します

  • ⏩ 仮説検証: 部門長の意見、プロジェクトチームの検討結果から、目指す改革を決めます

この記事では、最初の「現状分析の手法」を3つご紹介します。


⏩ 構造的問題

 日々の業務上の問題はさておき、会社全体の体質を変えるべきことを、「構造的問題」と定義しています。

 サプライチェーン(商品供給)プロセスを事例として、構造的問題を掘り出す軸をご紹介します。

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