見出し画像

【仮説検証って何?】HILLTOP社の事例でご紹介します

 京都の就職人気企業で『世界の開発を加速させる』と言うミッションを掲げているHILLTOP㈱様の例をお借りして、ちょっと難しい「仮説検証」をご紹介します。

おことわり: この事例情報は2022年5月に行なわれた「Worksway DXの本質と企業競争力の強化」というイベントで、経済産業省 商務情報政策局の和泉憲明 企画室長がご講演された情報をもとに、私が勝手に「仮説検証」ストーリーに置き換えたものです。


京都府宇治市にあるHILLTOP㈱とは?

 アルミを安く加工する町工場だった「山本精工」を二代目の山本昌作 副社長が、「試作加工」をビジネスにする「HILLTOP]に変えたというお話です。

HILLTOP社の製品の例 

ここからは、講演で得た情報を、私が勝手に想定した「Vision」と「仮説」です

Vision

安く切削加工する町工場から、「人の頭の中にある情報をデジタル化して整理し」どうしたら創れるか(試作)をビジネスにする

仮説

仮説1: 1週間で試作品(1~2個)を届けられると、利益率は向上する

仮説2: 3D化と、加工工程のノウハウを標準化することで、無人で製造できる

【参照情報】

DXの本質と企業競争力の強化 2022年5月 経済産業省 商務情報政策局 アーキテクチャ戦略企画室長 和泉憲明氏 WorksWay 講演資料

仮説検証結果

 私の想定した2つの仮説を、上記の参照情報から検証したストーリーを以下の図にまとめました。 

表で表している Fact - findings - conclusion というのが、仮説検証のステップなんです。

左から 【仮説】→【事実】→【気づき】→【結論】

仮説1: 1週間で試作品(1~2個)を届けられると、利益率は向上する

🙇得られた事実(fact1)

  • HILLTOPのお客様(セットメーカー)にとっては、欲しい部品が1weekで手に入るので、非常に喜んでくれた

🙇気づき(finding1)

  • そのうち、「こんな難しい形状できる?」と言った案件が取れるようになった

  • 注文の80%は1個か2個のものづくりだった

  • そしてNASAから注文が来るまでになった

NASAから受注したアルミ製品

🙇結果(conclusion1)

  • NASA対応のため、フロリダにHILLTOPの、3D切削加工事務所を設立した

HILLTOP USAを2014年に開設
  • 月に3,000種類もの生産ができるようになった

  • 利益率が20%に向上した (山本精工時代は 3~8%の利益率だった)

仮説2: 3D化と、加工工程のノウハウを標準化することで、無人で製造できる

🙇得られた事実(fact1)

  • 工場が、PCの並んだオフィスに変わった

  • 3D CAD (3次元設計できるツール)を使用したので、3次元で考えるようになった

🙇気づき(finding1)

  • 京都で就職人気企業に

  • いままでは、加工方法は職人の頭の中にあったが、3次元CADで設計した結果、そのノウハウがデータに残るようになった

  • 新規受注は1週間・類似受注(リピート)は3日の短納期が実現できた

🙇結果(conclusion1)

  • その結果、受注から納品までのプロセスが確立できた


詳しくは 下の記事をご覧ください。


仮説とは?

 大きな目標を達成する案や戦略を考えるときに、もっとも「確からしい」と考える仮の答えです

 困難な経営課題や、情報システム課題に、創造的な解決策を創出できる手法です

 多くのコンサルティング会社が、国際的に採用している手法です。

仮説検証手法のメリット

  • 限られた時間、限られた情報しかないときに、有効

  • 重点指向であり、現状に引きずられない発想を生むことができます

  • 仮説を考え、それを検証する過程が、解決策への説得性を高めます

  • 結果、あなたに知恵がつきます

 このように、仮説検証技法は優れものですが、マスターするには、何度も、試行錯誤する覚悟と、挑戦の精神が必要です。


まとめ

 仮説検証技法は、プロのコンサルタントが行う方法で、様々な業務課題で仮説をたて、それを検証するプロセスの経験が必要で、座学だけでは体得は難しく、事例を使った演習が必要です。

 この記事では、公表されたHILLTOPのDX事例を、私が勝手に「仮説」表現することで、どんどん知恵がついてきます、というお話でした。

  • 事例をマネするのではない

  • この仮説を検証した時に得られる事実・気づきが、問題にぶつかったときのあなたの知恵になる

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?