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【ふせん会議術11】誰でもできるの?
ふせん会議術って難しそう! って思っている方に、、、
私の「ふせん会議」との出会いと、なぜできるようになったか? 披露します。
みるみるプロジェクトが進む「ふせん会議術」はIBM社ではCPS (Customer Planning Session ) と呼ばれ、会社の文化になっている手法でした。
CPSとは、お客様 customer の事業計画 planningをセッション session 形式で議論し、まとめる手法なんです。
「ふせん会議」とは、IBMのCPSという生産性の高い会議方式に、私が「ふせん」を持ち込んだ手法です。
私の「ふせん会議」との出会い
私が30代半ばごろ、IBMの社内研修で「CPS演習コース」がありました。
すぐ申込み、神戸の六甲山ホテルで2泊3日の合宿研修を受講しました。
受講後「ぜひ自分の強みにする!」と強く決意したことを覚えています。
CPS研修の受講1か月後に実践のチャンスが来ました。
あるお客様(A社)のB工場で新しい生産管理システムを導入したとたん、大混乱が起こりました。 工場の皆さんのほとんどが「情報システムが悪い」という感想を持たれた状況でした。
そこで、A社の、Sさんより「工場の全管理職を集めて混乱を解決したい。 大薮さん、CPSで整理してほしい」という依頼を受けました。
私にとっては「CPS実践のチャンス!」と、すぐ快諾しました。
Sさんと二人で、B工場長に数時間直談判して、2泊3日の集中セッションを全管理職に集まってもらう約束を取り付けました。
研修で習った通りの手順で、当工場の管理職15名に集まっていただき
「キックオフ」で、CPS方式を説明し、全員から問題を2つずつ集め
2週間後にお客様の研修センターを使って、2泊3日のCPSを行いました
当時は「ふせん」はなく、A1サイズの模造紙にマジックで直接書く方式でした。
正直、今の私がみたら、30点ぐらいの出来で、冷や汗もののCPSでしたが、Sさんにも助けていただき、何とか乗り越えました。
それ以来、50年間で300回以上「ふせん会議」を実施し、今では私の「強み」となりました。
ふせん会議は難しい?
正直、答えはYes (難しい)です。 「ふせん会議に向いている人がいる」というのが、私の感想です。
私主催のセミナーで「ふせん会議」の演習コースに412名、IBM時代を振り返ると、合計500名には、CPSを説明・指導しました。
「難しい」との意見はこんな感じです。
聞きながら、内容を理解し、ふせんに(読みやすい字で)書く、など同時にやるのがむつかしい
沈黙が続いたとき、どんな問いかけをしたらいいか不安
同時にたくさんの人が発言して、まとめきれない
漢字が出てこない、発言内容をまとめる言葉が出てこない
そんな中でも、私が「向いている人」と感じたのは、こんな人たちでした。
ふせん会議術に「強い興味」を持っている
ぜひ、自分の「武器」にしたい! と思っている
もともと、会議の司会役など、人前に立つのがスキ
私自身を振り返ると、ふせん会議術を知らないときから、会議がまとまらなかったときには、前に出て白板などを使い、図を書いて整理したりすることは好きでした。
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ファシリテーションの技術
ご紹介した「ふせん会議術」は、IBM社の文化的要素もあり、ユニークな手法ですが、世の中には、ファシリテーションと呼ばれる会議の整理手法がたくさんあります。
以下は、ChatGPTに聞いた「よく使われているファシリテーション手法」についての説明です。
ブレインストーミング
強み
創造的なアイデアを短時間で大量に出すことができる
参加者全員が平等に発言できる
考慮点
アイデアの質よりも量が重視されるため、実現可能性の低いアイデアも多く出る
発言の順序や雰囲気により、発言しにくい参加者が出る可能性がある
KJ法(川喜田二郎法)
強み
アイデアを整理し、テーマや問題点を明確にすることができる
直感的にグループ化することで、視覚的に問題を把握しやすい
考慮点
カードやふせんを使うため、時間と労力がかかる
進行に慣れたファシリテーターが必要
デルファイ法
強み
専門家の意見を集め、合意形成を図ることができる
繰り返しのラウンドで意見を収束させるプロセスが効果的
考慮点
時間がかかるため、迅速な意思決定には向かない
ファシリテーターが適切に意見を集約しないと効果が薄れる
ワールドカフェ
強み
リラックスした雰囲気で自由な意見交換ができる
多様な視点を取り入れることができる
考慮点
ファシリテーターが場の雰囲気をうまく作る必要がある
大人数で行うと管理が難しくなる
フィッシュボウル
強み
観客としての参加者も議論に参加しやすい
深い議論が期待できる
考慮点
参加者の数が限られるため、全員の意見を聞くことが難しい
ファシリテーターの進行技術が求められる
ダイアログ
強み
深い理解と共感を生み出すことができる
相互の理解を深める対話が可能
考慮点
時間がかかるため、短期間での成果は期待しにくい
参加者の積極的な関与が必要
生成AIを使った議論の整理手法
■ 特長
リアルタイムでの音声認識と議論の記録
議論の内容を即座にデジタルデータとして記録できるため、後での確認や共有が容易
重要なポイントを瞬時に検索可能
自動要約とトピック抽出
長時間の議論から重要なポイントを自動的に要約し、トピックを抽出する機能
効率的な情報整理が可能
ビジュアル化と分析
議論の内容をグラフやチャートで視覚的に表示し、理解を助ける
データ分析ツールと連携することで、議論の傾向やパターンを分析できる
■ 考慮点
プライバシーとセキュリティ
音声データや議論の内容が外部に漏洩しないよう、適切なセキュリティ対策が必要
精度と品質
音声認識の精度や生成AIの要約能力が十分でない場合、誤った情報が含まれる可能性がある
技術への依存
技術トラブルが発生した場合に備えたバックアッププランが必要
全員が技術に慣れているとは限らないため、適切なサポートが必要
以上のファシリテーション技法と生成AIを使った手法の特長と考慮点を踏まえ、具体的な場面に応じて適切な技法を選択することが重要です。
まとめ
私は、IBM社で使われているCPSという手法に、「ふせん」を使う会議術を追加した「ふせん会議術」を使い、お客様の問題解決を300回以上ご支援してきました。
また、ふせん会議術をテーマでセミナーを実施しており、2024年10月時点で38社433名に受講いただいています。
その中で「ふせん会議術」に向いているのはこんな人であることがわかりました。
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