なぜ毎日練習に来るのがカナダでは難しいのかについて
今回の記事で言いたいことは
カナダの選手は練習に来ない
といったことについての経験談を話したうえで、毎日当たり前のように練習にくる日本の選手の素晴らしさについて話して行きたいと思います。
まずどれくらい練習に来ないかについてです。
当時私が教えていた選手の年齢が12歳前後、8人の子供達を教えていました。週3での練習、半数以上もの子供の出席率が60%ほどでした。
なぜそんなに休むのか?
1、ヴァケーション
2、家族行事
これらが主な原因でした
1、ヴァケーション(休暇)
まずカナダの一般的な家庭でも一年に2回ほどヴァケーションということでどこか海外であったり、遠くの方にフラッと1週間ほど出かけてしまいます。
お金持ちの家の子だと年に5回ほど、少し学校が休みになると消えてしまいます。
よくあるのが試合の2週間前にヴァケーションに行き、1週間前に帰ってきてから試合に出ようとする選手も見かけます。
自分がコーチならば絶対に試合には出させませんが、これはカナダのカルチャーなので普通に試合に出ちゃいます(わら
2、家族行事
カナダでは家族が一番大事である!という考えが非常に強いので、家族行事をとても大切にします。(これは本当にいいことだと思います。)
ですがこれのせいで練習に全然きません(わら
大体金曜日になると、誕生日パーティーやおじいちゃん家に2泊3日で泊まりに行くんだ!!といって週末どこかに消えてしまいます。
こういった感じで練習に来ない子供が多い中、一番困るのが練習に来ないという連絡が来ないことです。
なので選手が2週間ほど体育館に来ておらず、後から話を聞いてみたら
「フロリダのディズニワールドに遊びに行ってたんだ!!」
と言われることも多々あります。(みんなすごくディズニーワールドが大好きです)わら
練習の前に、どのように練習に連れてくるのか?
これが最初の3年間の指導の中でもっとも重要な課題でした。
すごく当たり前なのですが、練習に来ないと練習ができません!!
なのでここで重要になってくるのが
保護者とのコミュニケーション
選手のモチベーションをあげる(体育館に来たくする)
の二つです。
保護者とのコミュニケーションに関しては日本でもよく見られると思います。保護者としっかり連携を持ってしっかりと連絡をすることによってヴァケーションに行くために航空券を買うのを未然に防ぎます。
そしてこの選手のモチベーションを高める(体育館に来たくする)に関してはゴールの設定を明確にすることが非常に役立ちました。
ゴールの設定を明確にするというにはまず、
短い期間のゴール
長い期間のゴール
体操選手としてのゴール
などを細かく設定、そしてこれだけではなく1年間で欠席が3回以内であればプレゼントがもらえるというスペシャル企画まで行いました。
皆さんここまで読んでいただけたなら十分わかっていただけたと思いますが、カナダの子供は本当に情けないです(わら)そして本当に手間がかかります。
ですがしっかりと丁寧に体育館に毎日来るという基礎中の基礎を数年間かけて教えた結果、最終的には出席率が平均95%にまでになりました!!
これらの経験から学んだこと
体操を学ぶ前提として練習をするための基礎が重要であるということです。これらは
毎日練習にくる
人の話を聞く
挨拶をしっかりする
などの日本では当たり前に行われていることであり、これらが当たり前のように教育されている日本の異質さというのが理解できました。
こういった人としての基礎とも言える物はカナダの学校では教えてもらうことができず、両親が優秀である、または素晴らしい教員にたまたま出会ったなどのケースがない限りほどんどの人が見落としている部分であると思います。
そして日本の教育、日本の体操会ではそれらが高いレベルで行われていると感じます。
そのことに関して私は本当に日本人として誇りに思いますし、これらが当たり前にできているからこその体操ニッポンなのではないかと思います。
最後に、、、
先ほど日本の異質さと言いましたが、このような練習をするための基礎(人としての基礎)をここまで徹底している国はあまりないのではないかと思います、そして今私が疑問に思っているのが誰がこの体操ニッポンの基礎を作っていったのか?
この疑問に対する答えに関しては日本滞在中に調べていきたいと思います。
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