ウクライナが信じ、見捨てられた”ブダペスト覚書”とは?日本が学べることは?
こんにちは、shunGoです。
2022.2.24
この日は世界中の人にとって悪い意味で忘れられない日になるかもしれません。「ロシアがウクライナの軍事侵攻を始めた日」つまり「戦争が始まった日」。
連日テレビやネットで様々な情報がひっきりなしに行き交い、着実に国際秩序が崩れています。平和だった日常が一瞬にして消え、恐怖に怯えている人が今この瞬間にもいます。
まず、いち早く事態が収束すること、1人でも多くの命が救われること、そして何よりウクライナの無事を祈ります。
今回は、ウクライナが拠り所としていた約束「ブダペスト覚書」について基本解説をします。ウクライナがなぜロシアだけでなく、アメリカやイギリスをも批判しているのか、その理由はちゃんとあるのです。
ウクライナはロシアだけでなく、アメリカやイギリスにも裏切られたと感じています。その根拠が、ブダペスト覚書にあります。
まず初めに、この記事の情報源はほとんどがWikipediaになります。Wikipediaの記載を元に、他のリソースも組み合わせながらもう少し分かりやすく簡潔に解説したいと思います。
①ブダペスト覚書とは?
さっそく本題に入ります。
時は遡り、1991年。ロシアの前身の国であるソ連が勢力弱体により解体します。
この出来事により、それまでソ連の一部であった、いくつもの勢力が独立を宣言し、新たな国家として歩みを始めました。その中には今回渦中のウクライナも含まれていました。
そして直後の1994年。旧ソ連が保有していた核兵器の一部は、解体後のウクライナ・ベラルーシ・カザフスタンのある場所にも保管されており、その3カ国はソ連解体後の独立とともに核兵器をそのまま持っていました。
それを見て、危ないと感じた大国たちはその3カ国にとある条件と引き換えに核兵器を手放しロシアに返すように交渉しました。
その大国たちとは、ロシア、アメリカ、イギリスでした。
彼らは、ざっくり言うと
「君たちの領土は約束してやる、独立したことで誰かが攻撃してきたら一緒になって戦ってやる、安全は保証する。だから核は手放すんだ。」
ということを求めました。
なぜ大国たちがそこまでして核を手放すことを求めたかというと、当時ウクライナは世界で3番目に核を多く保有する国だったからです。
そして、その要望に応じたウクライナ・ベラルーシ・カザフスタンはその後1996年までに核兵器をロシアに返しました。
ウクライナは大国たちを信じたのです。
「核兵器という最強の武器を手放すことは惜しいけれど、君たちがこれからずっと守ってくれるなら手放すよ。」
そして彼らが求めた約束事にサインをしたのです。
これが「ブダペスト覚書」です。
しかし、その約束事が長く続くことはありませんでした。
②最初に裏切ったのはどこ?
ウクライナはブダペスト覚書にサインをしたことで、大国たちにガッチリ守られ、安全は保証されたと思っていました。しかし、この約束事をいち早く破ったのがロシアでした。いや、ロシアではなく、プーチンでした。
2014年、ロシアはウクライナの南部の島であるクリミア半島を軍事力を持ってして無理矢理自分らのものにしました。この辺に関して、ロシアの言い分としては「クリミアは元々ロシアのものであった」というわけです。
詳しくは別の記事でも書いているのでこちらも読んでみてください。
https://note.com/shungo2020/n/n6e983a4069ad
しかしウクライナからすれば、これは明らかにブダペスト覚書に違反するものでした。
「我々の領土は守られると約束したはずだぞプーチン!!何やってんだ貴様!!」
という感じです。しかしプーチンらロシアは上記のように元々自分らの土地であるから侵略とはいえないと言うのです。
また、ウクライナの当時の状況を”革命”と表現し、「ブダペスト覚書にサインした時のウクライナ国家はもう無く、革命によって新しい国家が生まれた。そして私が約束したのはあくまでその時のウクライナであり、新たな国家を守ると約束した覚えはない」と言うのです。
何というか、屁理屈のように聞こえます。
そして時は戻り、2022年2月。ロシアは遂にハッキリとウクライナの本土に全面侵攻という形で真っ向から戦争を始めました。
ウクライナにとって、もはやロシアはブダペスト覚書を破ったクソ野郎。頼みの綱はアメリカとイギリス。
しかし・・・・・・
彼らはロシアに対し、経済制裁や非難の声明を発表するだけでウクライナに対して援軍を送るなど実質的にウクライナの領土を守ろうとしないのです。
ウクライナは大国たちに守ってもらえると信じたのに、蓋を開けてみれば口だけの応援で実際に体を張って守ってくれませんでした。
この瞬間、ウクライナの3国に対する信頼は無となりました。ロシアには、領土を守ってもらうどころか侵略され、残るアメリカやイギリスからは何の援軍もない。
「正直者がバカを見た」
そうなってはならないはずなのに、現実にはそうなってしまいました。
そしてウクライナは、自国民で自国を守るべく、国民を戦争に動員することを決めました。2022.2.25のことです。
③ブダペスト覚書から日本が学ぶべきこととは?
この出来事、海外で起きている他人事とはわけ違います。
我々日本人にとっても、今後の日本の存続がかかった危機を意味します。
今回のブダペスト覚書を巡っての一連の歴史を振り返って明らかになったのは、
「たとえ守ると約束していても、他国はいざと言うときに守ってくれない」
辛いですが、今回のアメリカ・イギリスの対応により紛れもない事実となりました。
日本はアメリカと日米安全保障条約を結んでおり、日本国内に米軍基地もあるから大丈夫という声も聞かれますが、私個人的にはそれはあくまでおまけとして考えておいた方が良いかと思います。
日本が他国から攻められたとして、アメリカや他の同盟国が守ってくれるとは限らない、いつ撤退してもおかしくはない。
自分の国は自分の国で守らないといけない。
今世の中には、「日本も核武装をするべきだ、しないまでももっと真剣に議論するべきだ」「韓国のように兵役制度を設けるべきだ」など日本の軍事力を高めることが必要だという声が大きくなっています。
日本には、尖閣諸島や竹島、北方領土など隣国と領土をめぐる戦いがあります。今回のロシアのウクライナ侵攻により、世界の情勢が変わる可能性はゼロではないはずです。
ウクライナの二の次にならないよう、日本も自己防衛力を高める必要があるかもしれません。
④終わりに
以上、いかがだったでしょうか?
少しでも皆さんのお役に立てたら幸いです。
最後にもう一度、いち早くウクライナ始め世界に穏やかな日々が戻ってきますように。戦争は、人と人との殺し合い。誰も喜ばない、1人1人尊い命であり、愛し愛される家族や友達がいる。もうやめよう。やめてくれプーチン。ただウクライナの皆さんの無事を祈ります。
では、また・・・・・