③MoMAのチーフキュレーターたちージョン・シャーカフスキーを中心に
おしえて! うちばやしせんせい! 第3回、MoMAのチーフキュレーターたちで使用した書籍の紹介です
まずは初代チーフキュレーター、ボーモント・ニューホールから。たまに「バーモント・ニューホール」といっている人がいますが、ボーモントです。カレーじゃないので。。。
ニューホールは1937年に〈Photography: 1839-1937〉という写真史の約100年を振り返る展覧会をキュレーションします。このカタログは稀覯本ですが、同展をもとに1949年に『The History of Photography』を刊行し、1982年まで4回にわたって改定を繰り返しました。82年版は、今でも写真史の基礎資料として読まれる本です。
ついで、2代目チーフキュレーターのエドワード・スタイケン。
注目したいのは、なんといっても1955年にMoMA開館25周年記念展として企画された〈The Family of Man〉。多くの国に巡回し、累計で900万人以上を動員した展覧会です。
スタイケンはそれ以前にピクトリアリスト、ファッション写真家としても華々しく活動していたとお話ししましたが、配信中に見てみたいというお声もあがった彼のファッション写真の集成がこちら。
ついで、FSA(農地保障局)のドキュメンタリー写真をテーマに彼がキュレーションした展覧会〈The Bitter Years〉のカタログがこれです。
さて、待ってました!シャーカフスキー!と銘打ちましたが、MoMA写真部門中興の祖、シャーカフスキーのキュレーションした展覧会のカタログと関連本をあげていきます。
〈New Documents〉展については配信でも触れたように、当時展覧会カタログは作られていません。しかし、とても意義深い展覧会であったことから、MoMAが2017年に同展の出品作品、展示風景やプレスリリースなどの貴重な資料を盛り込み、書籍化しました。写真史の中では「待望の!」といっていい一冊だと思います。
それから、シャーカフスキーは写真家であったという話をしましたが、配信でその業績自体に触れるのを忘れていました。。。2005年に写真家シャーカフスキーの展覧会がMoMAで開催されていて、その時のカタログがこれです。
そして〈鏡と窓〉展
シャーカフスキーと日本人写真家の関わりについては、まず〈New Japanese Photography〉展のカタログ。
そして、奈良原一高との関わりをお話ししましたが、その時の顛末「ダイアンとIkko」が収録されている彼の著作集をあげておきます。
シャーカフスキー以降のチーフキュレーターたちについては、まずピーターガラッシの〈Before Photography〉
そしてバジャックの仕事から(MoMAでの仕事とは関係ありませんが)
写真史本の傑作『写真:ダゲレオタイプからデジタルまで』
改訂される以前に出ていた本は、なんと邦訳がでています!新書では入手できませんが、これは写真史に興味がある人にまず読んでもらいたい一押しです。
そして今年、バジャックの後をついで6代目チーフキュレーターになったクレマン・シェルー。日本ではあまり知られていない人物ですが、彼の仕事も実は日本語で読むことができます。
youtubeの配信のアーカイヴはこちらです
ではまた!
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