写真による新たな都市論へ? 時津剛 『BEHIND THE BLUE』
ここ数年、路上生活者の「ブルーシートの家」を見かけなくなった気がする。それはわたしの”言われてみれば”な感想でもあり、これから論じようとしている作品の根本でもある。
「ブルーシートの家」は見かけなくなったのではなく、都心部から排除され、いわば不可視化されているに過ぎない。
そのことは、時津剛の写真集『BEHIND THE BLUE』の表紙と、新宿のニコンサロンで開催中の同名の個展のフライヤーに使われている同作のキーイメージが雄弁に物語っている。
学生時代からワンカップ酒を