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随想

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ときどき、自分の思いをただただしたためています。
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記事一覧

【随想】ことばの越境

僕は言葉が好きだ 言葉を信じているし、 言葉によって救われてきたし、 言葉に頼っていると、言ってもいい 言葉によって、 なんだか捉えどころのなかった気持ちや感覚に輪郭がついて、仕組みや成り立ちすら見えるようになる、あの瞬間の感動が好きだ まるで、自分のなかにあった感情や情動の「名前」を、からくりを、はじめから知っていたかのように感じる、「思い出した」とさえ錯覚するような体験が好きだ 言葉によって僕らは物事を知覚して、 言葉によって僕らは共有できる価値観を広げてきたのだと

【随想】天の光はすべて友

夜にひとりで散歩をするとき、僕は灯りについて思いを巡らせる 道の並びに等間隔で伸びる街路灯 横断歩道を見下ろす信号機 ガードレールの反射板 小さな店舗の看板たち 帰ってくる住民を迎え入れる団地のエントランス 冗談のような最大光量で夜更けに抵抗するコンビニ それに比べて少しだけ忖度が見えるドラッグストア 忘れ去られても使命感を胸に令和に残る電話ボックス どの灯りにも意味はあって、事情があって、ねらいがある ワケアリなひかりたちはお互いにその由来を明かさないまま、 無秩序に夜

【随想】大人になるということ

会議と作業に明け暮れる怒涛の月初、バタバタと残業を切り上げて、急いで夕飯を食べてから、師匠の「大人になりきれない大人のための心理学講座」にリモート参加した。 受講しながら、思考があちこちに及ぶ。 自分にとっての大人って、なんだろうと改めて考える。 自活できている状態、という言葉がポンと浮かんできた。 それについて、考えてみる。 僕が実家を出たのは20代の終盤。 父の闘病が終わってからだった。 本郷に借りた物件は新築でピカピカ、間取りも最高!と当初は思っていたけれど、

【随想】アカウントの更新を行います

「本日もこのアカウントにログインしました」 心のモヤモヤが晴れない、沈みがちな日々。それをブログにアウトプットしようとnoteを開きながら、そんな通知を想像をする。 noteでは、記事投稿や「スキ」回数に応じて様々なバッジがインセンティブとして付与されるけれど、これも一種のログインボーナスだよな。 このアカウントを作って4ヶ月ほど。心理学を学び、記事も増え、いつの間にか愛着も湧いてきた。 そこでふと、僕はいったい、いくつの「アカウント」を持っているのだろう、と思った。