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Eテレ「 #バリバラ 」HSC特集のおばあちゃんを責めるのは違う気がする

木曜日に放送されたNHKEテレ「バリバラ」のHSC特集。僕のコメントはもう横へ置いておいて、普通にHSPの当事者として、そしていち視聴者として観て感じたことを残しておきます。

かんたんな流れとしては、転んで血を流す子の気持ちが痛いほど伝わってくるからこそ運動会にも参加できない小6の男の子が、その敏感さをいまいち受け止めきれていないおばあちゃんと2人旅に出て、互いの気持ちを伝え合うという感じ。

序盤、敏感さがしんどい方向に出て遅刻して行こうとする男の子に「がっかり」するおばあちゃんの様子とか明らかにヒールそのもので、Twitterの「#バリバラ」ハッシュタグにもおばあちゃんに冷ややかな声があがっていました。たしかに「いやおばあちゃんそうじゃないんですよ」とすごい言いたかった。僕も男の子の気持ちに近い側でずっと育ってきたので、「2時間目からでも」行くというその気持ちが立派すぎるだろう、とも思っていました。

しかし、このおばあちゃんを責めるのもまた違う、とも感じていました。

だって、おばあちゃんは孫の「敏感すぎる」という気持ちを知らないからです。おばあちゃんは孫ではないから、孫に「店で赤ちゃんが泣かないか気になる」と言われてもそれがピンとこないのはもう、どうしようもないことなのです。そこを責めたら、ありとあらゆる人間の感情や気持ちを知っておく必要がある。それは無理な話です。

逆に僕は、そのおばあちゃんの「敏感すぎる、という気持ちが理解できない気持ち」がよくわかりません。「そんなもん考えたって気にし過ぎだよ」って言えるその気持ちを受け入れがたいのがきっとHSCやHSPの人なのだろうと思います。だからこそ、今回のおばあちゃんの「敏感すぎる、という気持ちが理解できない気持ち」という訴えは、決して「悪い意見」と受け取るのではなくて、「相手はこう考えているんだ」とひとつの参考とするべきだな、と思いながら観ていました。

人が人を変える、ということなんてよっぽどのことがない限りありえないものなのです。まあこれもHSP特有なんですが、おばあちゃんへの冷ややかな目を、僕は少し過剰に受け取ってしまいました。

実際、おばあちゃんも、心のどこかで実は「繊細」さを持ち合わせている気がします。

「おばあちゃんにわかってほしい」孫と「孫の気持ちを受け入れたい」おばあちゃんの利害関係が一致していたのは、自分の不用意な発言で孫が落ち込んだり涙するその姿に、ある意味「申し訳無さ」を感じていた証なのかもしれません。そしてそれに「気づけた」というのは、ほんとうに素晴らしいことだったと思います。番組ラスト1分で「この子が敏感なのは親の育て方が悪いせいだと思ってた」とお母さんに謝罪する場面も、これはすごいと思いながら観ていました。

そういう意味では、「敏感すぎてしんどいHSCの気持ち」と「敏感すぎる、という気持ちが理解できない気持ち」、これをうまいこと組み合わせて、どちらもヒールではない、どちらの気持ちにも寄り添った実にすばらしい番組内容でした。

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