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揺れる日々、妊活とフリーランス
30歳を目前に控え、私は、子どもを産むかどうかを迷っている。
夫と話し合った結果、「考えは毎日揺れていいよね」というひとつの着地点を見つつある。だから、揺れる日々を記録していこうと思う。
私の悩みは、子どもはほしいけれども妊娠や出産などを経験したくない、その理由は「女であること」を強く感じてしまうから、というものだ。また、私は少しだけ、自分がXジェンダーではないかということを疑っている。
↓前回のnote
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昨年出産した、大学時代のある友達に連絡をした。頻繁に会う仲ではないけれど、あの子なら話を聞いてくれると思った。
クレバーなあの子に、妊活ってどうした?と聞くと、「結婚後、解禁したらすぐにできた」とのこと。そうだよね、多くのカップルがそうやって子どもを授かってきた。
さらに聞いた。
妊娠や出産・子育ては、現状、
どうしてもお母さんがメインのところがあると思っていて、
どこまで行っても当事者はお母さんで。
そうなると必然的にお母さんである私たちが、
何かを諦めるシーンが多くなっちゃうのではないかと思っていて。
それを思うと私は女でいることが悔しくなるんだ、と。
あの子は答えた。『私は成果を上げて給料が上がる喜びを感じるのが好きで会社員をやっていた。でも、時短勤務をしたりするのは母親のイメージで。自分の会社でもそれが普通だから、育休復帰後はもうその喜びは感じられないものだと思っているよ笑』、と。
時短で年収が減っても稼がないことには生活できない。だから、好きな仕事や好きに働くことはもう叶わないのかなとあの子は言っていた。保育園が決まった後の仕事、お迎えなどを一気に担う自分に嫌気がさす、と。
泣けてきた。どうして私たちだけが諦めなければならないのか、と思う。
そして、気持ちいいくらいに誰も疑わないーーここに、先読みして諦めた女の気遣いがあったことを。悔しくてくちびるを噛みたくなっても子どもの前では笑顔でいようと誓った母親がいたことを。
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加えて、フリーランスの私には二重不安がある。
フリー編集者の私の場合、働けない期間があるということ自体がかなりの綱渡りなのだ。自分で決めた産休・育休明けの後は、もう仕事が来ないかもしれない。子育てという縛りが課された私にはもう需要がないかもしれない。一度仕事を断ったり、タイミングが合わなかったりすると簡単に仕事がなくなる。フリーランスは、戻ってくる場所が保証された"育休"や"産休"とは違う。
そういえば、先日ファイナンシャルプランナーにライフプランを相談しに行ったときのこと。子ども2人いる想定で私たち夫婦が40代になったとき、大学入学資金が不足し、グラフは赤字となった。もしもフリーで稼げなかったときのことを想定し、私の年収を最小に見積もっていたせいかもしれない。
「ここであと10万円でもあれば生活が楽になるんですけどね」とファイナンシャルプランナーと夫が話していたときのことだった。「パートでもコンビニでもなんでもいいから仕事できる?」「本屋でもいいでしょ?」と言われた瞬間、私は泣いてしまった。悔しかったのだ。
たしかに私は、情緒も不安定だし、仕事もフリーだから安定はしない。人としては終わってて社会不適合者かもしれない。それでも、好きな仕事をする権利はあるはずだ。まだ見えぬ40代、家のことをする負担が一気に押し寄せた気がした。
どうしてだろう。社会的に弱いからかしら? 給料が低いから? わからない。どうして「女がパートをやる」ということをさも平然のことのように口に出せたんだろう。
夫のことは大好きである。でも、節々に感じる違和感。その正体は、体の根深いところまで侵されている「男が」「女が」という腐った思想にあると思う。苦しい。きつい。
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憎い、憎すぎる。女が。女に生まれてから、変なことばっかりだ。社会的役割も、当然のように妊娠出産育児までを負担することも。
生理も、子宮も、排卵も。なんだかもう痛いことばっかりじゃないか。
「でも、子どもはかわいいでしょ」「出産は達成感あるよ」「親に孫の顔を見せてあげないと」……そう言われても、本当に申し訳ない。みんなが言う、女の幸せみたいなの感じられないの、私はわかっているの。私は親のために子どもを産むんじゃないの。
ああ、これら不安を抱えていることなど夢にも思わないであろう、夫。会社員で、男の、夫。無理もない、自分の経験値以上のことを想像するのは誰にだって難しいのだから。
誰も責めたくない。夫も責めない。
だから想像する。できるだけ、リスクを回避するためにあらゆることを事前から想定して頭の中で一度リハーサルをしておく。私が子を産む決意ができるまでに。
私が妊娠したら、出産したら、どうなるか。何がきついか、どこに頼るか。一番大事なのは、自分のメンタルをどうやって保っていくのか。
男性だってつらいことがあると思う。もちろん。
でも、私はそれがわからない。こんなに女性の立場に立って嘆いて、怒って、泣いているのだから私はまだ「女性」なんだろうか。
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