【旅×エッセイ】 山形の元祖を食べて満腹になって、単純な幸せを感じた旅
2023年6月17日。この日は6月だというのに真夏の暑さ。そんな中、さくらんぼ狩りを目的に山形へ。都内で友人と待ち合わせて車で向かいました。
今回の旅は全て友人まかせ。というのも、さくらんぼ農家さんは友人の友人ということもあって、まあ、なんとなく連れて行ってもらうという感覚になっていたわけです。
1泊2日の予定でしたが、どこの旅館を予約したのかも詳しく聞いていませんでした。さくらんぼ狩りは次の日18日の予定で、まずは山形へ着いたら温泉にでも入ってゆっくりしよう、そんな予定になっていると思っていたのです。
友人に車の中で「今日の夕飯何食べる?」と聞かれて、ちょっとびっくり。
「え? 旅館にお夕飯ついてないの?」と聞き返すと、なんと次の日の朝ごはんはついているけれど、夕飯なしで予約したというのです。
「まあ、ご当地の何かたべればいいじゃん」
と言われて、それもありかと思い、一体何が有名なのかと聞いてみれば
鳥中華と板そばということでした。
それで早速、Google先生に聞いてみることに。
すると、鳥中華も蕎麦も食べられそうなお店が見つかりました。
お店の名前は『水車生そば』
もともと手打ちそばのお店で、賄いだった鳥中華も有名になってしまったというお店のようです。
お店に18時くらいについて、入り口の扉を開けてびっくり。
夕方の食事の時間でお客様がずらっと並んでいました。
でも、10分ほど待って入ることができました。
食いしん坊の私たちは、それぞれが元祖鳥中華を一つづつ注文。その上で、元祖板そばを一つ注文し、シェアして食べることにしました。
元祖鳥中華は麺は中華そばでスープが和風だしがベースの少し甘めな感じです。鶏肉が入っていて、天かす、ネギ、海苔がのっています。
太めで固めな印象です。お蕎麦はのどごし、と言われたりしますが、こちらはしっかり噛みごたえのあるお蕎麦です。
どちらも美味しかったですが、とにかくお腹いっぱいになりました。それはそうですよね、ラーメンを一人一杯食べた上に、お蕎麦を食べたわけですから。
私たちが出る時にもひっきりなしにお客様がきていました。
有名店なのですね。
次の日、朝から本来の目的であるさくらんぼ狩りをしに、農家さんをたずねました。
「好きなだけ食べていいよ」と言われ、調子に乗ってさくらんぼを頬張る私。佐藤錦と紅秀峰という2種類のさくらんぼを食べ比べてみました。
どちらのさくらんぼも山形生まれです。
ちなみに、今の段階では見た目は違いはよくわかりません。紅秀峰の方が佐藤錦よりも少しあとの時期が旬のようで、佐藤錦より赤くなると聞きました。
紅秀峰はもう少し赤くなったら食べ頃なのかもしれませんが、この段階でも十分甘くて美味しかったです。佐藤錦の方が柔らかい感じ、紅秀峰の方が佐藤錦より固めです。
さくらんぼを堪能した後に、昨日食べた鳥中華と板そばの話になり、ぜひ他のお蕎麦屋さんにも行ってみてと勧められました。
おすすめされたお蕎麦屋さんの一つが『そば処庄司屋』 山形本店
こちらの前を車で通ったところ、11時の段階でお店の前に行列ができていました。
その行列を横目でみて通り過ぎ、今回は創業90年という『そば処三津屋 』本店に行ってきました。
こちらは『水車生そば』とは違い、お蕎麦は細いです。以前は太い田舎そばだったものを二代目が細いお蕎麦にかえたのだとか。
さくらんぼをよくばって食べてお腹がいっぱいだったところに、なぜだか三人前のお蕎麦を二人で食べるという暴挙にでた私たち。
美味しく完食しましたが、本当にお腹がいっぱいになりました。
さて、これでゆっくり東京へ帰るか、ということになったのですが、二人とも車の中で
「あー、お腹いっぱい」と何度呟いたことでしょうか。
気がついてみれば、山形で元祖と言えるものしか食べなかった旅でした。
山形生まれのさくらんぼ、佐藤錦と紅秀峰は高級さくらんぼの元祖。
元祖鳥中華を食べ、元祖板そばの食べ比べをしました。
1泊2日、元祖三昧の旅。
帰りの車の中で、ただただ
「お腹いっぱい、幸せ」という気持ちで満たされていました。
お腹いっぱいということがこんなに幸せなことなのか、久しぶりに感じた感覚です。
そんな旅行も、まあ、いいですね。
【旅×エッセイ】以前に書いたものもよかったら読んでみてください。