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【日銀】政策金利現状維持 0.25%で据え置き 

①政策金利現状維持


10月31日、日銀は政策金利を現状維持の0.25%に据え置くことを決めました。

11月5日にアメリカ大統領選挙があり、アメリカ経済に与える影響が不透明であることや欧州の経済も先行きが不透明なことからの判断だと思われます。

しかし、同日に発表された展望レポートの中で、「現在の実質金利が低い状態で、このまま日銀が描くストーリー通りに物価が緩やかに上昇していけば、利上げに踏み切る」との言及があり、早ければ来月12月、来年の1月に利上げに踏み切る可能性の含みをもたせていました。

私が、政策金利が少しどうなるのか判断に迷ったのは、153円と円安が徐々に進んでいることからサプライズあるか?でしたが、サプライズは起こりませんでした。

あと利上げに踏み切らなかった要因としては、やはり衆議院選挙での与党である自公が大敗し、過半数を維持できなかったことも多少影響はあったのかなと思います。

政権が不安定な状態で、利上げを行うと、マーケットに混乱をもたらす恐れもあり、その辺も多少加味した可能性はあります。

先ほども触れましたが、経済・物価情勢の展望レポートも公表されています。
内容は、ほぼ前回と変わりがないように思いますが、引き続きアメリカ経済を中心に世界経済を注視していくことが触れられていました。

②植田総裁会見の感想

植田総裁の会見を視聴し、ポイントを以下の3つにまとめました。

●「時間的余裕がある」という表現を使わなくなった
→その都度、データを見て判断する
●アメリカ経済の不透明感が薄れてきた
→アメリカ経済の底堅さを確認できていることで、総合的にデータで判断
●自公過半数割れによる金融政策に影響はない
→財政政策によっては、それに沿って政策の変更はありうる

以上が、私が感じたポイントです。

以下、私なりのポイントの解説ですが、まず以下2つのポイントについてです。

●「時間的余裕がある」という表現を使わなくなった
●アメリカ経済の不透明感が薄れてきた


「時間的余裕がある」という表現は、8月頃から植田総裁が使っていた表現でした。
この意味は、当時のアメリカ経済が弱含んでいたため(不透明感がある)、時間をかけて政策判断をしたいと意味で使っていたと語っています。

しかし、今回の会見では、あえて使わないと語りました。
その理由として、アメリカ経済の雇用の強さや物価上昇といったアメリカ経済の底堅さを確認できていることから、「アメリカ経済の不透明感が薄れてきた」ためとしています。

このことから、今後はデータを総合的に判断し、政策を実行していくとしています。

ただ、アメリカ大統領選挙が控えていることから、それが新たな経済のリスクとして現れる可能性は否定できないとも言及しています。

●自公過半数割れによる、金融政策に影響はない

政局については、特に金融政策に影響はなく、引き続きデータに基づいて、日銀が描くストーリー通りに経済が進むのならば、政策金利を上げるとしています。

ただし、自公が過半数割れをしていることから、国民民主との部分連合による財政政策によっては、日銀の政策に影響を及ぼす、と語っていました。

③まとめ

「時間的余裕がある」という表現は、利上げするまでに慎重にデータを精査するということで、特にアメリカ経済を意識したものでした。

今回、その「時間的余裕がある」という表現を使わなくなり、その都度データを総合的に判断して政策金利を上げるかを判断するという基調に変化しました。

このことから、12月もしくは来年の1月には、日銀が描く物価の推移通りとなれば、政策金利を引き上げるということを意味すると感じました。

以上から、次回以降の金融政策決定会合での政策金利利上げの地ならしはできたのではないか?と判断します。

私の判断が正しいかは、様々なメディアを通して検証し、また来月の金融政策決定会合直前で、利上げの有無の判断の確率を高めるようにしたいと思います。

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